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お粗末でございます
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ロドヴィック殿下は、正装のジャケットの内ポケットから清楚な白いフリルのついたハンカチを取り出すと、その刺繍が見えるように掲げた。
「ここに、花と蔦模様の真ん中に“RR”と…!!!!!」
その瞬間会場は静寂に包まれ、人が多くいるにも関わらず衣擦れ一つ聞こえない程だった。
今度は私がロドヴィック殿下へと、口を開いた。
「殿下、恐れながら申し上げます。
お嬢様のお印は全て “ LR ” でございます……」
「な…なに?!そんな…」
掲げていたハンカチをバッと引き寄せて食い入るように確認する中、ロティ嬢は口元に手を当てながら顔を青くして「え、うそ…」と小さく呟いていた。
周りの騒めきが、波が寄せるかのように戻ってくる。
「え、婚約者のイニシャル間違えるか…?」
「ライバッハ様の百合の文様とLRのイニシャルはワンセットで有名ですわよね?」
「冤罪も甚だしいな…」
ロドヴィック殿下一同への非難の目が鋭くなる中、聞いたものを従わせるような強く低い声が響いた。
「もうよい。ロドヴィック、さがれ」
ホール2階から降りるための階段から、近衛兵を引き連れた人物がゆっくりと降りてきていた。
その姿を視界に入れたロドヴィック殿下は、顔を青ざめさせた。
「ち……父上」
「ここに、花と蔦模様の真ん中に“RR”と…!!!!!」
その瞬間会場は静寂に包まれ、人が多くいるにも関わらず衣擦れ一つ聞こえない程だった。
今度は私がロドヴィック殿下へと、口を開いた。
「殿下、恐れながら申し上げます。
お嬢様のお印は全て “ LR ” でございます……」
「な…なに?!そんな…」
掲げていたハンカチをバッと引き寄せて食い入るように確認する中、ロティ嬢は口元に手を当てながら顔を青くして「え、うそ…」と小さく呟いていた。
周りの騒めきが、波が寄せるかのように戻ってくる。
「え、婚約者のイニシャル間違えるか…?」
「ライバッハ様の百合の文様とLRのイニシャルはワンセットで有名ですわよね?」
「冤罪も甚だしいな…」
ロドヴィック殿下一同への非難の目が鋭くなる中、聞いたものを従わせるような強く低い声が響いた。
「もうよい。ロドヴィック、さがれ」
ホール2階から降りるための階段から、近衛兵を引き連れた人物がゆっくりと降りてきていた。
その姿を視界に入れたロドヴィック殿下は、顔を青ざめさせた。
「ち……父上」
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