お嬢様の“専属”

ユウキ

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予想外です

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期間が定められると私は腹を括り、一層お役に立てるように励む様になった。

リリアンナ様の先を読み、時に良い方向へ誘導して命の恩人であるリリアンナ様に、陰になり日向になり尽くした。


難しい勉学は時にユーモアを入れて噛みほぐし、時に数カ国語で会話し、護身術を学び、ダンス相手になり、乗馬は手取り足取り…etc


そうしてあっという間に2年が過ぎ、リリアンナ様が入寮する日になると、リリアンナ様は涙を滲ませ別れの言葉…


「一緒に行けないなんて、一人しか連れていけないのが悔しいわ。
本当なら、もう会うことも殆ど無くなってしまうところなのだけど、あなたのおかげで妃教育もほとんど終わっているみたいなの。毎週末とはいかないけれど、時々帰ってくるから専属のままで居て頂戴ね」


……ではない言葉を口にした。


「……リリアンナお嬢様、私は拾われたあの時からお嬢様の“専属”でございます」

「ふふ、そうね。大好きよノエル。
では暫く会えないけれど、元気でいるのよ?手紙を書くわ。ちゃんと返事を書くのよ?」

「畏まりました。
 行ってらっしゃいませ、リリアンナお嬢様」


深々と礼をして、リリアンナ様が去っていく背を、背後で執事長と侍女長が醸し出す、何とも言えない雰囲気感じながら、馬車に乗り込み見えなくなるまで見送った。
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