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12話

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───────「うーん。安全な所って言ってもなぁ。」


『…………んー』


「…………でも、今日はどっちみち泊まるお金もないし、村を見つけたにしても宿には行けないよね」


『…………あっ!では、交換所に行って働きますか…?』


「交換所……?」


『そうです。仕留めた獲物や薬草、宝石などを持っていってお金と交換してもらう所です!』


「あぁ!なるほど。それなら私でも働けそうだね!」


『ご主人様は可愛らしいですからね』


「…………子供って言って良いのよ」


『ふふっ。…………………あ、そう言えば、ご主人様はいくつなのですか?』


「………あぁ、10歳くらいかな」


『10歳………?人間はそんなに早く巣立ちをするのですか?』


「…………………………あぁ、うん。まあ。ちょっとね。いろいろ………ね。あったんだ……」


─────『しろ』


くろが私を小さな体で抱き締めながらしろを睨むと、申し訳なさそうにうつむいてしまった。



「……………くろ。そんなに睨まなくていいよ。ありがとう。しろも、そんなに落ち込まなくていいの!ね?ほら!雨が降るんでしょ?曇ってきてるし、そろそろ雨しのげるところ見つけるよ!」


膝に乗っていたくろを降ろすと、私はくろとしろの手をとって歩きだした。




▨□▨□▨□▨□





『……………ごめんなさい』


手を繋ぎつつ、少し後ろで歩くしろがボソッと呟く。ちょっと震えている声は、今にも泣きそうに聞こえた。


「全然いいよ!ほら、隣おいで」


歩く速度を落とすと、恐る恐る隣に来てくれた。うん。可愛い。よちよちしてる。小動物みたい。小動物だけど。


………それにしても、この歳できちんと謝れるなんてすごくいいこだなぁ。イヤイヤ期とかないのかなぁ?私なんて朝起きることさえ嫌がってたぞ……?


─────あ、今もだろとかそう言うの要らないからまじで。


て言うか、ほんとに気にしなくていいのに。ただちょっと………自分から言いたくないだけ
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