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Main Story
王子様と結婚
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本日をもって、総務部の野瀬さんが寿退社をする。噂はかねがね聞いていたが、終礼の時に正式に全社員に発表された。そんな話を聞くのはこの会社に入って何度目だろうか。退職祝いの花束を受け取った野瀬さんは、少し涙ぐんでいた。
「結婚ねぇ……」
パチパチと拍手を送りながら何となく呟いた独り言に、隣にいた前田さんが反応した。
「何、お前に結婚願望なんてあったの」
「いや、別にしたいわけじゃないっすけど」
言われても仕方がないとは思うが、失礼極まる。歯に衣着せぬ物言いは前田さんの長所であり短所だ。俺も人のこと言えねーけど。
結婚……結婚ねぇ。今すぐしたいか、と聞かれたらそういうわけではない。というかそもそもこの歳で彼女もいないのだからそんなこと考えるまでもないが、野瀬さんの幸せそうな顔ったらなくて、そんなにいいもんなのかね、という興味はすこし湧く。
「興味はあるっすね」
「やめとけやめとけ、後悔するぞ」
その表情は柔らかく、はにかんでいる。実に説得力のない笑顔である。ご自慢の爽やかな白い歯が見える。
「後悔してる顔じゃねーっすよ、それ」
「そりゃあ俺は幸せだもん。お前みたいなタイプは後悔するって言ってんだよ」
「ですよねぇ」
まぁそうだよな。俺も自分で自分が結婚に向いているタイプではないと分かっている。伊達に36年生きていないからな。
「でも、俺このままいったら死ぬまで1人だし。孤独死はしたくないじゃないっすか?」
「ははは。そうか、独り身だとそうだよな」
「いや、笑いごとじゃないっすよまじで」
最近多いしな、そういうニュース。明日は我が身って奴だ。明日だと困るが。
前田さんは俺の切実たる言葉にクックと肩を揺らしている。一応終礼中だというのに、笑いをこらえきれていない。
「大体相手もいねーのに結婚も何もねーじゃん」
「そこっすよねぇ。もう諦めてますけど」
自分で言うのも虚しいが、俺は顔がいいわけでも、収入がずば抜けてあるわけでもない。なんてことない平凡なサラリーマンなのだ。そんな男を選ぶような女がどこにいる? いや、いないだろ。
「野瀬ちゃんの相手、営業一課の田中だって知ってた?」
「はぁ!? 社内だったんすか」
「あ、これ内緒らしいからコレな」
そう言いながら前田さんは人差し指を立てて口元に当てた。衝撃的事実である。思わず田中を目で追うと、当の田中はしれっと野瀬さんを見守る社員の中に紛れ込んでいる。どうやら隠しているというのは本当らしい。この会社に、しかもこんな身近に、愛だの恋だのが転がっていようとは。というか、田中って今年で30とかだった気が。
「……社内とか、あるんすねぇ」
「お前にはねぇから大丈夫だよ」
「さっきっから酷くないっすか」
先輩じゃなかったら迷わず肘鉄している。そんなこと言われなくても知ってる。
「酷くねぇよ、事実だもん。社内でも有名だしな、お前」
「え」
「我が儘令嬢のお気に入りって、入社当時から」
「はぁ!?」
しまった。でかい声を出してしまって、視線が一斉にこちらに集まった。終礼中に無駄話してたのがバレる。それはまずいと思って、とりあえず「っくしょん!」と言葉を付け足した。我ながら嘘くさい下手くそなくしゃみだった。
しばらく視線はこちらを向いていたけれど、みんなおっさんのくしゃみよりも寿退社の野瀬さんを選んだようで、視線はまた野瀬さんへと戻っていった。
そんな事実は初耳だ。有名ってなんだ、どういうことだ。俺は開いた口が塞がらず、前田さんに説明を求める視線を送り続けた。前田さんはやれやれといった風にまたヒソヒソと話し出す。
「ほら、たまに会社にも来てるしな、令嬢」
「あー……」
「来たら来たでお前にべったりだしな、令嬢」
「あー……」
「そんなお前に、女性社員が近づくと思うか?」
「……思いません」
「だよな。大変だな、我が儘令嬢の子守り」
「子守り、って……」
俺は眉尻を下げながら頭を掻いた。社内での俺の評判って、やっぱりそうなのか。そして妃芽の評判も。
「……まぁ我が儘っちゃ我が儘だし大変っすけど……」
「けど?」
妃芽は確かに我が儘で、人を散々振り回している。だが、俺の部屋がそこそこ綺麗でいるのはあいつのおかげだし、根はいい奴なんだよな。ダメダメな俺に世話を焼いたり──俺の誘拐、本気で協力しようとしたり。……とは言えるわけがない。
「……もう慣れました」
「ははは」
前田さんは白い歯を見せて笑う。
「いっそ、令嬢を口説き落として婿入すれば? 逆玉じゃん」
何を言ってんだこの人は。
「いや……いくつ歳離れてると思ってるんですか、18っすよ、18」
「なんだよそれくらい。俺の知り合いで22歳下の嫁さんいる奴いるぞ?」
「に……!?」
あんぐりと口を開けてしまう。22下ってことは、俺に当てはめたら、相手は14歳? 犯罪じゃねぇか。
「その嫁さん、いくつなんすか」
「16」
「じゅうろくぅ!? いくらなんでも、ネタでしょそれ」
「ガチなんだよなぁ、それが」
前田さんはニヤニヤと笑いながら、俺の肩をポン、と叩いた。
「ま、そういう世界もあるってことよ。でもまぁ、令嬢はいつもお前にぷりぷり怒ってるし、口説き落とすのも無理だろうな。これからも子守頑張れよ!」
「はぁ……」
これからもって、この人は何年先までを見通して言ってるつもりなのか。それすなわち、俺の婚期はいつまで経ってもやってこないと言うことではないのか。文句を言う気にもならなくて、俺はため息交じりで俯いた。
いつの間にか、野瀬さんの退社の挨拶は終わっていた。
* * *
野瀬さんから貰ったクッキーを片手に帰宅する。結婚式はやらないらしく、退社の挨拶と引き出物がわりを兼ねて、ちょっと豪勢な箱に入ったクッキーだった。クッキーの処理をどうしようかと思っていたところだったから、珍しく妃芽がうちにいて助かった、と思った。
「ヒトシさんおかえり」
「おう。これ、やるよ」
投げるように渡したクッキーをまじまじと見たあと、「何これ?」と首をかしげる。
「総務に野瀬って子いたろ。その子が寿退社するからって、これ配ってた」
「ふぅん。あ、確かにうちにもあったかも。なんか高そうなマカロン」
「社長宅にはマカロンか……」
圧倒的な差を感じたが、差し出してしまったものをやっぱり返せとは言えない。妃芽もさほど気にしていないようで、「じゃあカフェオレおかわりしよ」とむしろ上機嫌だ。飲んでいたマグカップを持って台所に向かうのを見ながら、確かにこれじゃ結婚もクソもねーよな、と思う。
「ついでに俺のコーヒーもいれてくれ」
「はーい」
カチャカチャと、マグカップを準備する音がする。妃芽はその手を動かしながら、ポツリと呟いた。
「寿退社かぁ……結婚かぁ……」
「なんだよ」
「別に。ところで、ヒトシさんはいつになったら私のこと誘拐してくれるわけ?」
なんでいまその話が出てくるんだ。聞こえなかったふりをして、返事をせずそそくさと着替えに行く。「もう!」と怒った声が聞こえた。いや、聞こえない。俺は知らん。
部屋着に着替えて居間に戻ると、コーヒーの匂いが鼻をかすめる。
「おお、サンキュー」
マグカップを持ち上げて一口飲む。うん、うまい。インスタントだから誰がいれてもうまいのは当たり前なんだけど。
「野瀬さんの相手、会社の人?」
「あぁ、そうらしいな」
妃芽はサクリ、とクッキーを噛みながら、俺の話を聞いている。
「結構近くにいたのに気づかなかったよ。あの2人がそういう仲だったなんてな。まして結婚とはな」
「ふぅん」
自分で聞いておいて、相槌は興味なさげだ。早くも2枚目のクッキーに手を伸ばしている。この細い身体のどこにその糖分が入って行くのか、全くもってわからないから不思議だ。
「……ヒトシさんの相手も、意外に近くにいるわよ」
「だといーけどな」
「……ばか」
「なんだよ?」
何故虐げられた。わけもわからぬまま、言葉を待つ。妃芽はそれ以上は何も言わず、俺もそれ以上話題を広げられる自信もなく、しばらく無言だった。
今日の野瀬さんの幸せそうな顔を思い出して、クッキーにそろりと手を伸ばす。これを食べたら、少しくらいは幸せをおすそ分けしてもらえる気がする。サクリ、と小気味いい音をさせて口の中で砕けたそれは、お高いだけあってうまい。が、やっぱり俺には甘すぎた。流し込むようにコーヒーを飲んで、ため息を一つついたのだった。
「結婚ねぇ……」
パチパチと拍手を送りながら何となく呟いた独り言に、隣にいた前田さんが反応した。
「何、お前に結婚願望なんてあったの」
「いや、別にしたいわけじゃないっすけど」
言われても仕方がないとは思うが、失礼極まる。歯に衣着せぬ物言いは前田さんの長所であり短所だ。俺も人のこと言えねーけど。
結婚……結婚ねぇ。今すぐしたいか、と聞かれたらそういうわけではない。というかそもそもこの歳で彼女もいないのだからそんなこと考えるまでもないが、野瀬さんの幸せそうな顔ったらなくて、そんなにいいもんなのかね、という興味はすこし湧く。
「興味はあるっすね」
「やめとけやめとけ、後悔するぞ」
その表情は柔らかく、はにかんでいる。実に説得力のない笑顔である。ご自慢の爽やかな白い歯が見える。
「後悔してる顔じゃねーっすよ、それ」
「そりゃあ俺は幸せだもん。お前みたいなタイプは後悔するって言ってんだよ」
「ですよねぇ」
まぁそうだよな。俺も自分で自分が結婚に向いているタイプではないと分かっている。伊達に36年生きていないからな。
「でも、俺このままいったら死ぬまで1人だし。孤独死はしたくないじゃないっすか?」
「ははは。そうか、独り身だとそうだよな」
「いや、笑いごとじゃないっすよまじで」
最近多いしな、そういうニュース。明日は我が身って奴だ。明日だと困るが。
前田さんは俺の切実たる言葉にクックと肩を揺らしている。一応終礼中だというのに、笑いをこらえきれていない。
「大体相手もいねーのに結婚も何もねーじゃん」
「そこっすよねぇ。もう諦めてますけど」
自分で言うのも虚しいが、俺は顔がいいわけでも、収入がずば抜けてあるわけでもない。なんてことない平凡なサラリーマンなのだ。そんな男を選ぶような女がどこにいる? いや、いないだろ。
「野瀬ちゃんの相手、営業一課の田中だって知ってた?」
「はぁ!? 社内だったんすか」
「あ、これ内緒らしいからコレな」
そう言いながら前田さんは人差し指を立てて口元に当てた。衝撃的事実である。思わず田中を目で追うと、当の田中はしれっと野瀬さんを見守る社員の中に紛れ込んでいる。どうやら隠しているというのは本当らしい。この会社に、しかもこんな身近に、愛だの恋だのが転がっていようとは。というか、田中って今年で30とかだった気が。
「……社内とか、あるんすねぇ」
「お前にはねぇから大丈夫だよ」
「さっきっから酷くないっすか」
先輩じゃなかったら迷わず肘鉄している。そんなこと言われなくても知ってる。
「酷くねぇよ、事実だもん。社内でも有名だしな、お前」
「え」
「我が儘令嬢のお気に入りって、入社当時から」
「はぁ!?」
しまった。でかい声を出してしまって、視線が一斉にこちらに集まった。終礼中に無駄話してたのがバレる。それはまずいと思って、とりあえず「っくしょん!」と言葉を付け足した。我ながら嘘くさい下手くそなくしゃみだった。
しばらく視線はこちらを向いていたけれど、みんなおっさんのくしゃみよりも寿退社の野瀬さんを選んだようで、視線はまた野瀬さんへと戻っていった。
そんな事実は初耳だ。有名ってなんだ、どういうことだ。俺は開いた口が塞がらず、前田さんに説明を求める視線を送り続けた。前田さんはやれやれといった風にまたヒソヒソと話し出す。
「ほら、たまに会社にも来てるしな、令嬢」
「あー……」
「来たら来たでお前にべったりだしな、令嬢」
「あー……」
「そんなお前に、女性社員が近づくと思うか?」
「……思いません」
「だよな。大変だな、我が儘令嬢の子守り」
「子守り、って……」
俺は眉尻を下げながら頭を掻いた。社内での俺の評判って、やっぱりそうなのか。そして妃芽の評判も。
「……まぁ我が儘っちゃ我が儘だし大変っすけど……」
「けど?」
妃芽は確かに我が儘で、人を散々振り回している。だが、俺の部屋がそこそこ綺麗でいるのはあいつのおかげだし、根はいい奴なんだよな。ダメダメな俺に世話を焼いたり──俺の誘拐、本気で協力しようとしたり。……とは言えるわけがない。
「……もう慣れました」
「ははは」
前田さんは白い歯を見せて笑う。
「いっそ、令嬢を口説き落として婿入すれば? 逆玉じゃん」
何を言ってんだこの人は。
「いや……いくつ歳離れてると思ってるんですか、18っすよ、18」
「なんだよそれくらい。俺の知り合いで22歳下の嫁さんいる奴いるぞ?」
「に……!?」
あんぐりと口を開けてしまう。22下ってことは、俺に当てはめたら、相手は14歳? 犯罪じゃねぇか。
「その嫁さん、いくつなんすか」
「16」
「じゅうろくぅ!? いくらなんでも、ネタでしょそれ」
「ガチなんだよなぁ、それが」
前田さんはニヤニヤと笑いながら、俺の肩をポン、と叩いた。
「ま、そういう世界もあるってことよ。でもまぁ、令嬢はいつもお前にぷりぷり怒ってるし、口説き落とすのも無理だろうな。これからも子守頑張れよ!」
「はぁ……」
これからもって、この人は何年先までを見通して言ってるつもりなのか。それすなわち、俺の婚期はいつまで経ってもやってこないと言うことではないのか。文句を言う気にもならなくて、俺はため息交じりで俯いた。
いつの間にか、野瀬さんの退社の挨拶は終わっていた。
* * *
野瀬さんから貰ったクッキーを片手に帰宅する。結婚式はやらないらしく、退社の挨拶と引き出物がわりを兼ねて、ちょっと豪勢な箱に入ったクッキーだった。クッキーの処理をどうしようかと思っていたところだったから、珍しく妃芽がうちにいて助かった、と思った。
「ヒトシさんおかえり」
「おう。これ、やるよ」
投げるように渡したクッキーをまじまじと見たあと、「何これ?」と首をかしげる。
「総務に野瀬って子いたろ。その子が寿退社するからって、これ配ってた」
「ふぅん。あ、確かにうちにもあったかも。なんか高そうなマカロン」
「社長宅にはマカロンか……」
圧倒的な差を感じたが、差し出してしまったものをやっぱり返せとは言えない。妃芽もさほど気にしていないようで、「じゃあカフェオレおかわりしよ」とむしろ上機嫌だ。飲んでいたマグカップを持って台所に向かうのを見ながら、確かにこれじゃ結婚もクソもねーよな、と思う。
「ついでに俺のコーヒーもいれてくれ」
「はーい」
カチャカチャと、マグカップを準備する音がする。妃芽はその手を動かしながら、ポツリと呟いた。
「寿退社かぁ……結婚かぁ……」
「なんだよ」
「別に。ところで、ヒトシさんはいつになったら私のこと誘拐してくれるわけ?」
なんでいまその話が出てくるんだ。聞こえなかったふりをして、返事をせずそそくさと着替えに行く。「もう!」と怒った声が聞こえた。いや、聞こえない。俺は知らん。
部屋着に着替えて居間に戻ると、コーヒーの匂いが鼻をかすめる。
「おお、サンキュー」
マグカップを持ち上げて一口飲む。うん、うまい。インスタントだから誰がいれてもうまいのは当たり前なんだけど。
「野瀬さんの相手、会社の人?」
「あぁ、そうらしいな」
妃芽はサクリ、とクッキーを噛みながら、俺の話を聞いている。
「結構近くにいたのに気づかなかったよ。あの2人がそういう仲だったなんてな。まして結婚とはな」
「ふぅん」
自分で聞いておいて、相槌は興味なさげだ。早くも2枚目のクッキーに手を伸ばしている。この細い身体のどこにその糖分が入って行くのか、全くもってわからないから不思議だ。
「……ヒトシさんの相手も、意外に近くにいるわよ」
「だといーけどな」
「……ばか」
「なんだよ?」
何故虐げられた。わけもわからぬまま、言葉を待つ。妃芽はそれ以上は何も言わず、俺もそれ以上話題を広げられる自信もなく、しばらく無言だった。
今日の野瀬さんの幸せそうな顔を思い出して、クッキーにそろりと手を伸ばす。これを食べたら、少しくらいは幸せをおすそ分けしてもらえる気がする。サクリ、と小気味いい音をさせて口の中で砕けたそれは、お高いだけあってうまい。が、やっぱり俺には甘すぎた。流し込むようにコーヒーを飲んで、ため息を一つついたのだった。
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