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Ⅱ章 リリア王都編
5 ただの人間〈SIDE:タクマ〉
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動けなくて暗い森の木の根元に座り込む。身体が重い。呼吸が苦しい。
痛みも汚れも空腹も、どうでも良かった。辛い心が全ての苦痛を麻痺させている。この国での、リリアでの僕の価値は「神の子」だ。ただ、それだけ。
考えてみれば、十三区基地の皆さんが優しいのも僕が「神の御使い」だったから。
もし、神の御使いじゃなくてこの国に現れていたらどうだろう? 誰かが僕に優しくしてくれただろうか? ルーカス様は僕に会いに来ただろうか? ルーカス様に、愛していると言ってもらえただろうか? 価値がない僕を、好きになってくれるだろうか?
疑問だけが心に渦巻く。
そして、全ての答えを僕は知っている。日本で生きていた永倉拓真の価値を僕は知っているから。苦しさに涙が止まらない。
きっと僕じゃない「神の御使い」や「神の子」が現れたら、僕は必要なくなる。ルーカス様は、みんなは、僕より優れた「神の子」を大切にする。
ただの人間の僕は、「永倉拓真」は、誰からも必要とされない不要物、だ。
張り裂けそうな心が悲鳴を上げる。こんな気持ちでルーカス様の横に戻れない。「神の子」という立場が苦しい。
助けを求められて助ける力のあるルーカス様。助けを求められて何もできない僕。僕は、ここで生きていていいのだろうか? 心に渦巻く思いに涙が溢れ、全身が鉛のように重く動かなくなった。
ここにじっとしていたら野生動物に食べてもらえるかもしれない。
リリアの森の生態を思い出す。狼、野犬、熊。僕を食べてくれる動物はたくさんいる。糧になるなら、役に立つよね?
現実から逃げるように土の上に横たわる。暗闇も不気味な音も、死を覚悟すると怖くなくなっていた。暗い全てが僕の味方に思えた。
寒さに目が覚める。朝日が差している。目の前の土がグラグラ歪んで見える。一晩寝てしまったのか。
ケガをしているから血の匂いもしただろうに、僕は野生動物に食べてももらえなかったのか。悲しくて涙が流れる。
身体がガタガタ震える。熱が、出ている。起き上がる気力も体力もなくて、寒さに手足を丸める。
ふと目の前に揺れる花。太陽花だ。すっと首を上に真っすぐ東を向く花。一本でも凛と前を向いて咲いている花に涙が零れた。
君は、美しいね。一輪だけでも立派に咲いている。僕は独りじゃ立つことも出来ないよ。
花が風に揺れるのか僕の視界が揺れているのか分からない。
僕を美しいと言ったルーカス様を想いうかべる。ふふっと笑いが漏れる。僕が価値のある人間なら良かったな。そう思いながら目を閉じた。
二日ほど、そのまま地面に寝ていた。どんどん調子が悪くなり、身体の感覚がなくなっていった。
時々目を開けて、また閉じる。その繰り返し。
あぁ、似ているな。昔、兄さんとお父さんに「罰」として階段につながれた時と同じか。今の方が身体的にはキツイかなぁ。ぼんやりと考えていた。
野生動物に食べられたいと思ったのに、それすら叶わない。でも、もうすぐ全て終わる。これでいい。どこか寂しくて悲しいと思う心。ふと病気の狸獣人女性を思う。助けてあげる力が無くてゴメンなさい。
「おい、生きているか?」
ふと僕に触れる手。年配女性の声? 薄っすら目を開ける。誰だろう?
「生きとるな。捨てとくわけにもいかんからな。仕方ない」
誰だろう。
はっきりしない意識の中で、助けてくれているのだろうな、というのは分かった。放っておいていいですよ、そう伝えたくても声にならなかった。
身体がだいぶ楽になっている。目を開ける。どこだろう。民家、かな。
ゆっくり起き上がり、窓から外を見る。日が高い。森の中だ。誰かが助けてくれたはず。その人の家かな。そっと部屋から出る。
リリアに来て豪華な場所にばかりいたから、この平凡な様子が懐かしい。古い木造の住宅。僕が居た部屋は簡単なデスクとベッドだけ。
廊下に出るとキッチンダイニングと思われる奥から声がする。
「起きたか? ちょっと手が離せん。大丈夫そうなら、こっちにおいで」
「はい」
やっぱり年配女性だ。
久しぶりに声を出した感覚で大きな返事が出来なかった。日本の一般家屋と同じような広さ。落ち着く。
そっと声がした方に向かう。良い匂いがするから料理中なのかも。
「今、煎り豆作っとる。焦がしたくないからね」
大きな身体の初老の女性。動物耳はカバ。大型草食獣人だ。
「そこに座りなさい。調子はどうだい?」
穏やかそうな獣人。
「あの、助けてくれてありがとうございます」
「いや、いいさ。あんた、小型か?」
僕を獣人だと思っている。ちょっと悩むけど、小型獣人って事にしておく方がいいかな。
「……はい」
「耳はどうした?」
ぎくりとする。そりゃそうか。ごまかせないかな。
「切られたか?」
どう答えていいか下を向く。
「尻尾も、か?」
無言でいると、キッチンから調理を終えて食卓テーブルに座る女性。
出来立ての煎り豆とお茶を勧めてくれる。一ついただく。出来立てのコリコリした素朴な豆に頬が緩む。
「少しここで過ごすか? 家に帰るか?」
「か、帰りたく、ありません」
「何か事情があるんじゃろ? ここにしばらく居てもいい。良い暮らしはできんけどな」
「お世話になっても、良いでしょうか?」
「いいさ」
少し腰の曲がった背中。それでも体格が良く僕より屈強。ボリンボリンと煎り豆を食べている。
「僕を運んでくれたんですか?」
「子供より軽かったわ。あたしはリーナだよ。あんた名前は?」
「……トム、です」
とっさに十三区でお世話になったトムさんの名前を出してしまった。
「トム、ね。あたしはここで一人暮らししている。街に住むことが慣れなくて。子供は二人いるけれど王都の西区に住んでる。一年に一回も帰ってこんから会うこともないじゃろ。あんた、なんであんなところで倒れておった?」
「あの、覚えていません」
良い人そうなリーナさんに嘘をつくのが心苦しい。
「そうか。それなら仕方ない。あ、豆はあまり食べるんじゃないよ。しばらく食べていなかっただろ? 消化が良くないから胃の負担になる。豆を柔らかくしてスープにしてやるから待っておいで」
コクリと頷く。出来立ての美味しさに食欲が出て、二つ目をつまみお茶で流す。
「僕には、何かお手伝いできることがありますか?」
「まず体調を整えて、そうしたら手伝ってもらおうか。何しろ一人でいるからね。畑もキノコ採りも狩りも、手はいくらでも欲しいよ。手伝ってくれるかね?」
「はい」
手伝いができる。リーナさんは僕を必要としてくれるかも。神の子じゃなくても、拓真として役に立てるかもしれない。心がジワっと満たされるような感覚がした。
「あはは。トムはアリの獣人か? ひ弱だなぁ」
豪快に笑ってくれるリーナさん。
「すみません」
少しの作業に息が切れてしまう。左肩が脱臼しやすく挙上できないことを伝えると、ほぼ雑用手伝いだけ。草取りや種運び、室内の掃除。料理も出来なくて申し訳ない。全てを「わはは」と笑い飛ばしてくれるリーナさんに救われる。
「少し休んで、ここの草をとります」
「無理せんでもええよ。ただ、草取りはトムがしてくれ。あたしは腰が痛くなるからチマチマしたことが向かないんだ」
やや腰の曲がった大らかなリーナさん。少しでも助けになる事をしたい。
「草は、時間がかかっても僕がとります」
そう伝えると「可愛いなぁ」と撫でられる。大きな手にルーカス様を想いうかべる。途端に心がズキンとする。考えるな。そう自分に言い聞かせる。
「なぁ、トム。肩はもともと悪いわけじゃないじゃろ? どうした?」
ドキリとする。どう答えよう。
「誰かにやられたか?」
ギクリとする。確かに殴られたせいだけど、あれは故意じゃない。
「……事故、です」
そう答える僕をじっと見るリーナさん。
「そうか」
僕を見る目が悲しそうで、どう反応していいか分からなかった。
時計がないと思うような生活。王都の青宮殿ですべて用意された生活とまるで違う。
森に咲く太陽花をみて、ルーカス様はあっちに居るんだな、と寂しく空を見る。
ここは西区の先の森。東を向けば王都。太陽花が方角を教えてくれる。太陽みたいに輝くルーカス様が居る方向を。王城に居るルーカス様を想う。
ルーカス様を思うと僕の全身が悲鳴を上げようとする。この絶望に、悲しみに飲み込まれないように必死に心を抑えこむ。
僕は価値のない人間だから、望んではいけない。欲を持ったらイケナイ。
「トイレ掃除、終わりました」
「ありがとう」
「少ししたら、お風呂掃除やります」
「休み休みでええよ。全部急ぐことじゃないからな」
リーナさんの穏やかさと「ありがとう」の言葉に救われる。
これまで僕に向けられなかった感情。日本で高校生している時は変人扱いで嫌われていた。お礼なんて滅多に言われなかった。リリアに来てから崇められることばかりだった。あとはルーカス様の「愛している」という最上級の感情。
人生で一度でもあの最高な思いが貰えただけで良い。今は僕に貰える感謝の言葉で心が温まる。
室内に必ず毎日おいている太陽花。この花の向く先にルーカス様が居る。僕も太陽花になったように同じ方を向く。
新しい素晴らしい「神の御使い」に会えたかな? そっと考えてしまい、痛む心に見ないふりをする。
リーナさんの家に来て二か月が過ぎていた。心が痛くても苦しくても時間は止まらず流れていて、その流れに逆らわず淡々と生きていることが不思議だった。
痛みも汚れも空腹も、どうでも良かった。辛い心が全ての苦痛を麻痺させている。この国での、リリアでの僕の価値は「神の子」だ。ただ、それだけ。
考えてみれば、十三区基地の皆さんが優しいのも僕が「神の御使い」だったから。
もし、神の御使いじゃなくてこの国に現れていたらどうだろう? 誰かが僕に優しくしてくれただろうか? ルーカス様は僕に会いに来ただろうか? ルーカス様に、愛していると言ってもらえただろうか? 価値がない僕を、好きになってくれるだろうか?
疑問だけが心に渦巻く。
そして、全ての答えを僕は知っている。日本で生きていた永倉拓真の価値を僕は知っているから。苦しさに涙が止まらない。
きっと僕じゃない「神の御使い」や「神の子」が現れたら、僕は必要なくなる。ルーカス様は、みんなは、僕より優れた「神の子」を大切にする。
ただの人間の僕は、「永倉拓真」は、誰からも必要とされない不要物、だ。
張り裂けそうな心が悲鳴を上げる。こんな気持ちでルーカス様の横に戻れない。「神の子」という立場が苦しい。
助けを求められて助ける力のあるルーカス様。助けを求められて何もできない僕。僕は、ここで生きていていいのだろうか? 心に渦巻く思いに涙が溢れ、全身が鉛のように重く動かなくなった。
ここにじっとしていたら野生動物に食べてもらえるかもしれない。
リリアの森の生態を思い出す。狼、野犬、熊。僕を食べてくれる動物はたくさんいる。糧になるなら、役に立つよね?
現実から逃げるように土の上に横たわる。暗闇も不気味な音も、死を覚悟すると怖くなくなっていた。暗い全てが僕の味方に思えた。
寒さに目が覚める。朝日が差している。目の前の土がグラグラ歪んで見える。一晩寝てしまったのか。
ケガをしているから血の匂いもしただろうに、僕は野生動物に食べてももらえなかったのか。悲しくて涙が流れる。
身体がガタガタ震える。熱が、出ている。起き上がる気力も体力もなくて、寒さに手足を丸める。
ふと目の前に揺れる花。太陽花だ。すっと首を上に真っすぐ東を向く花。一本でも凛と前を向いて咲いている花に涙が零れた。
君は、美しいね。一輪だけでも立派に咲いている。僕は独りじゃ立つことも出来ないよ。
花が風に揺れるのか僕の視界が揺れているのか分からない。
僕を美しいと言ったルーカス様を想いうかべる。ふふっと笑いが漏れる。僕が価値のある人間なら良かったな。そう思いながら目を閉じた。
二日ほど、そのまま地面に寝ていた。どんどん調子が悪くなり、身体の感覚がなくなっていった。
時々目を開けて、また閉じる。その繰り返し。
あぁ、似ているな。昔、兄さんとお父さんに「罰」として階段につながれた時と同じか。今の方が身体的にはキツイかなぁ。ぼんやりと考えていた。
野生動物に食べられたいと思ったのに、それすら叶わない。でも、もうすぐ全て終わる。これでいい。どこか寂しくて悲しいと思う心。ふと病気の狸獣人女性を思う。助けてあげる力が無くてゴメンなさい。
「おい、生きているか?」
ふと僕に触れる手。年配女性の声? 薄っすら目を開ける。誰だろう?
「生きとるな。捨てとくわけにもいかんからな。仕方ない」
誰だろう。
はっきりしない意識の中で、助けてくれているのだろうな、というのは分かった。放っておいていいですよ、そう伝えたくても声にならなかった。
身体がだいぶ楽になっている。目を開ける。どこだろう。民家、かな。
ゆっくり起き上がり、窓から外を見る。日が高い。森の中だ。誰かが助けてくれたはず。その人の家かな。そっと部屋から出る。
リリアに来て豪華な場所にばかりいたから、この平凡な様子が懐かしい。古い木造の住宅。僕が居た部屋は簡単なデスクとベッドだけ。
廊下に出るとキッチンダイニングと思われる奥から声がする。
「起きたか? ちょっと手が離せん。大丈夫そうなら、こっちにおいで」
「はい」
やっぱり年配女性だ。
久しぶりに声を出した感覚で大きな返事が出来なかった。日本の一般家屋と同じような広さ。落ち着く。
そっと声がした方に向かう。良い匂いがするから料理中なのかも。
「今、煎り豆作っとる。焦がしたくないからね」
大きな身体の初老の女性。動物耳はカバ。大型草食獣人だ。
「そこに座りなさい。調子はどうだい?」
穏やかそうな獣人。
「あの、助けてくれてありがとうございます」
「いや、いいさ。あんた、小型か?」
僕を獣人だと思っている。ちょっと悩むけど、小型獣人って事にしておく方がいいかな。
「……はい」
「耳はどうした?」
ぎくりとする。そりゃそうか。ごまかせないかな。
「切られたか?」
どう答えていいか下を向く。
「尻尾も、か?」
無言でいると、キッチンから調理を終えて食卓テーブルに座る女性。
出来立ての煎り豆とお茶を勧めてくれる。一ついただく。出来立てのコリコリした素朴な豆に頬が緩む。
「少しここで過ごすか? 家に帰るか?」
「か、帰りたく、ありません」
「何か事情があるんじゃろ? ここにしばらく居てもいい。良い暮らしはできんけどな」
「お世話になっても、良いでしょうか?」
「いいさ」
少し腰の曲がった背中。それでも体格が良く僕より屈強。ボリンボリンと煎り豆を食べている。
「僕を運んでくれたんですか?」
「子供より軽かったわ。あたしはリーナだよ。あんた名前は?」
「……トム、です」
とっさに十三区でお世話になったトムさんの名前を出してしまった。
「トム、ね。あたしはここで一人暮らししている。街に住むことが慣れなくて。子供は二人いるけれど王都の西区に住んでる。一年に一回も帰ってこんから会うこともないじゃろ。あんた、なんであんなところで倒れておった?」
「あの、覚えていません」
良い人そうなリーナさんに嘘をつくのが心苦しい。
「そうか。それなら仕方ない。あ、豆はあまり食べるんじゃないよ。しばらく食べていなかっただろ? 消化が良くないから胃の負担になる。豆を柔らかくしてスープにしてやるから待っておいで」
コクリと頷く。出来立ての美味しさに食欲が出て、二つ目をつまみお茶で流す。
「僕には、何かお手伝いできることがありますか?」
「まず体調を整えて、そうしたら手伝ってもらおうか。何しろ一人でいるからね。畑もキノコ採りも狩りも、手はいくらでも欲しいよ。手伝ってくれるかね?」
「はい」
手伝いができる。リーナさんは僕を必要としてくれるかも。神の子じゃなくても、拓真として役に立てるかもしれない。心がジワっと満たされるような感覚がした。
「あはは。トムはアリの獣人か? ひ弱だなぁ」
豪快に笑ってくれるリーナさん。
「すみません」
少しの作業に息が切れてしまう。左肩が脱臼しやすく挙上できないことを伝えると、ほぼ雑用手伝いだけ。草取りや種運び、室内の掃除。料理も出来なくて申し訳ない。全てを「わはは」と笑い飛ばしてくれるリーナさんに救われる。
「少し休んで、ここの草をとります」
「無理せんでもええよ。ただ、草取りはトムがしてくれ。あたしは腰が痛くなるからチマチマしたことが向かないんだ」
やや腰の曲がった大らかなリーナさん。少しでも助けになる事をしたい。
「草は、時間がかかっても僕がとります」
そう伝えると「可愛いなぁ」と撫でられる。大きな手にルーカス様を想いうかべる。途端に心がズキンとする。考えるな。そう自分に言い聞かせる。
「なぁ、トム。肩はもともと悪いわけじゃないじゃろ? どうした?」
ドキリとする。どう答えよう。
「誰かにやられたか?」
ギクリとする。確かに殴られたせいだけど、あれは故意じゃない。
「……事故、です」
そう答える僕をじっと見るリーナさん。
「そうか」
僕を見る目が悲しそうで、どう反応していいか分からなかった。
時計がないと思うような生活。王都の青宮殿ですべて用意された生活とまるで違う。
森に咲く太陽花をみて、ルーカス様はあっちに居るんだな、と寂しく空を見る。
ここは西区の先の森。東を向けば王都。太陽花が方角を教えてくれる。太陽みたいに輝くルーカス様が居る方向を。王城に居るルーカス様を想う。
ルーカス様を思うと僕の全身が悲鳴を上げようとする。この絶望に、悲しみに飲み込まれないように必死に心を抑えこむ。
僕は価値のない人間だから、望んではいけない。欲を持ったらイケナイ。
「トイレ掃除、終わりました」
「ありがとう」
「少ししたら、お風呂掃除やります」
「休み休みでええよ。全部急ぐことじゃないからな」
リーナさんの穏やかさと「ありがとう」の言葉に救われる。
これまで僕に向けられなかった感情。日本で高校生している時は変人扱いで嫌われていた。お礼なんて滅多に言われなかった。リリアに来てから崇められることばかりだった。あとはルーカス様の「愛している」という最上級の感情。
人生で一度でもあの最高な思いが貰えただけで良い。今は僕に貰える感謝の言葉で心が温まる。
室内に必ず毎日おいている太陽花。この花の向く先にルーカス様が居る。僕も太陽花になったように同じ方を向く。
新しい素晴らしい「神の御使い」に会えたかな? そっと考えてしまい、痛む心に見ないふりをする。
リーナさんの家に来て二か月が過ぎていた。心が痛くても苦しくても時間は止まらず流れていて、その流れに逆らわず淡々と生きていることが不思議だった。
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