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Ⅰ章 生きることが許されますように

3 ルーカス殿下との出会い②※ <SIDE:タクマ>

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「気持ちいいね」
超ご機嫌なルーカス殿下。風呂場に殿下の鼻歌でも響き出しそう。だけど僕は、一緒に入ってもいいかと思った自分を後悔している。

お風呂は日本の家庭風呂の十倍サイズ。すごく気持ちいい。けれど、殿下が僕の服を脱がせ「獣耳がない! 尻尾がない!」とくまなく身体を触り、撫でまわし、脇の下の匂いや首の匂いを嗅ぎまわり目が回る恥ずかしさを経験した。

さらに、全身を洗われ、陰嚢や陰茎も、どこか違いはないかとじっくり観察された。「愛らしい」「柔らかい」「可愛い」「綺麗だ」そんな言葉を浴びせながら丁寧に撫でるように触れられた。それだけでのぼせ上がってしまいそうだった。まるで汚れた子猫を洗う飼い主のよう。抵抗していいのかも分からず、されるがまま。

乱暴にされたわけじゃないのに身も心もグッタリだ。

 でも、兄さんのような恐怖を感じないだけいい。何をされても怖くないなら、それでいいと思った。

 お湯の中。殿下の膝の上。尻尾が僕の前にゆらゆら。

時々、僕の身体を撫でる。くすぐったい。そっと尻尾を撫でる。「ん」と背中からルーカス様の声。背中にルーカス様の勃起したペニスが当たっている。気づかないフリがいいのか、迷う。

コレの処理は兄さんのモノを嫌というほどしてきたから、できる。そっと後ろに手を伸ばす。硬いペニス。すごい存在感。手で触るとビクンと動く。

「タクマ、いいから」
「僕、できます」

顔を見ないまま、体の位置を変えて向き合うようにする。湯の中で揺れる茂みにそそり立つペニスを見る。陰毛、髪と同じ金色だ。ペニス太くて、大きい。兄さんの二倍はある。

これは喉の奥までは無理かな。でも、手と口でなんとかできる。今はお湯の中だし、とりあえず両手で包み込み、大きなカリと割れ目を丁寧になぞる。片手で茎をしごき、片手で先端を愛撫する。手で包み込めない大きさ。獣人は規格外サイズなんだな、とぼんやり考えた。

そっと両肩に手が置かれて身体が離される。あ、中に入れたいのかな。ちょっと処理しなきゃだけど。

「あの、入れますか? それなら、準備します、けど。こんなに大きいと、入らないかも……」

「タクマ、聞くんだ。しなくていい」

下に向けていた顔を上げる。眉毛を八の字にして困った顔のルーカス様。兄はこんな顔はしないなぁと眺めた。

「君は、どんな扱いを受けていたんだ……」
「僕、大丈夫です。平気です」
ぎゅっと抱き寄せられて、そのまま湯から上がる。

「いいかい。こういうことは、リリアではしなくていい。俺以外にも、誰にもしてはいけない。獣耳と尻尾は、触っていいのは俺のだけだ。性的なことは、口にしてもいけないよ。俺との約束だ。いいね」

「はい。でも、ルーカス様の尻尾や耳を触って良いなら、コレも僕が鎮めます。ルーカス様のだけにします。二人の秘密にします」

身体を洗うときの椅子にルーカス様を誘導して座ってもらう。なんでこんなに必死なのか、自分が分からなかった。

優しいだけの世界が怖かったのかもしれない。少し自分に苦痛が無いと、不安で仕方なかったのかもしれない。

 ルーカス様の膝の間に座り、ペニスを舐める。兄さんにしている時と同じ姿勢。少し安心する。大きさは全然違うけど、いつものように淡々と進める。

しごいて、口に入れて、舌を使って。喉奥には、大きすぎて入らない。頑張っても、えずくばかり。上あごに当てて出し入れする。


「もう、でるよ」

上から優しい声がかかる。喉で「んっ」と返事をする。僕の頭を優しく包む大きな手。口の中で、ペニスがグンと跳ねて、射精。

あまりに多くて、飲み込み切れない。口を離して、むせ込み、半分ほどこぼしてしまった。鼻にも逆流してツンとして涙が滲んだ。慣れた苦い味。

ルーカス様を見上げると、とても悲しい顔をしている。途端に不安が押し寄せる。

「あの、良くなかったでしょうか?」
「タクマは、こういうこと、したいの?」
「したくありません。でも、僕ができるのはこれしかありません」

無言のルーカス様。抱きしめられる。
「何歳からしているの?」
「……十一歳か、十二歳、です」
頭を撫でられる。

「分かった。コレも、俺とだけだよ。他の誰ともダメ。どうしても、な時は俺が相手をする。約束だよ」

「はい」
怒られなかった。良かった。僕で役に立つことがある。これで大丈夫だ。

ルーカス様が「頑張ったね。タクマは良い子だ」と褒めて抱きしめてくれた。

全ての不安が吹き飛んで、すごく満たされた気持ちになった。
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