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俺の武器!
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辺りが騒がしい。身体に妙な浮遊感を感じる。
──これは一体…?
閉じていた瞼を開ける。するとそこには──
「うおおおお!!」
ザシュッ
「ギャッ」
「ニンゲン、シネ!」
ガンッ
「ぐぅっ!?」
「ゴブリンが!この野郎よくも!」
バキッ
「ギィッ!」
まさしく戦場と呼ぶに相応しい光景が広がっていた。緑の奴も人間もお互いがお互いの血を被って戦いを繰り広げていた。そのなかには既に身体に重傷を負っている者も少なくなかった。
「味方から離れるな!なるべく多対一で当たれるようにするんだ!」
上から聞いたことのある声が降り注ぐ。ふと顔をあげてみると──目があった。
「おお、気が付いたか!身体に異常はないか?」
「いや、別にないが…」
「それなら手短になるが、今の状況を説明させてもらう!ピンチだ!以上!!」
「みじかっ!?え、それだけ!?」
「それだけだ!今から早速参加してもらうぞ!もう皆覚悟しているんだ!後戻りはもうできない、行くぞ!」
「え、あ?マジですか!?」
ホントに手短に俺に伝えると同時に俺の腹部にあった太い腕の感触が消え、身体の浮遊感が消えた。
「え!?うわ、とっとぉ!」
慌てて倒れないように両腕を振り回して、何とかバランスをとる。だが俺の正面には既に緑の化け物がスタンバイしていた。息をつく暇もなく慌てて迎撃しようとするが──
「は!?武器がない!え、マジかヤバくね!?どうしよう!?」
急いで周囲を見渡して武器になるものを探す。すると足元にコツンと当たる感触があった。
──武器だ!
思わず顔をにやけさせながらソレを手に取って構える。
「よっしゃいくぞぉぉぉ!!」
俺はソレを振りかぶって突撃し、緑の化け物の頭上から一直線に振り下ろす。
パキャァッ
大分脆そうな音と共に己の手にあった武器がくだけ散る。
──デスヨネーw
そりゃそうだ!だってゴボウだもん、殴り付けたら折れるよね絶対!こんなときに何でボケてんだよ俺ぇ!!
「おい、なにやっているんだ!武器ならそこらじゅうにあるだろう!」
すぐそばで他の緑の化け物と戦っていた男がそう叫ぶ。
──んなこと言われても!
生憎とほとんどの武器は現在戦いがヒートアップしている辺りに固まっている。丸腰で突っ込めば容易くその命を散らすことになるだろう。流石にそれが分かっていて特攻を仕掛けるほど俺はバカではない。
──どうする、どうする!?
焦りがつのる。いつの間にか人間勢が劣勢に立たされていた。
──くそっ!武器、武器!武器をくれぇ!
そう心の中で強く願った瞬間──あのときの無機質な声が頭の中に響いてきた。
『渇望の感情を確認。弐の力、具現刀を解除します』
すると右腕の紋様が赤く、強く輝き出した。そしてそのまま紋様は段々と形を変えていく。周りで戦っていた者は何事かと行動を止め、こちらへと視線を集中させる。
紋様はどんどん姿を変えていき、遂に剣の形をなしてようやく変化が止まった──かにみえたその時、剣の形をした紋様から刀の柄がせり出してくる。俺は無意識のうちにその柄を左手で掴み、鞘から解き放つように柄を引き抜いた。
その刀の刀身があるはずの箇所に目を向けると、そこには若干赤みを帯びた殆ど透明な西洋風の両刃の剣が存在していた。
「ぶ、武器だ!」
──やった!これで何とかなるかも!
あまりにも衝撃的な光景から素早く目を覚ました大柄な男と俺は近くで呆然としていた緑の化け物に斬りかかる。
「ゲァッ!」
再び戦いが始まったのをようやく理解したのか、あちらこちらで再び鋼の打ち合いが始まる。
──この剣、まるで重さを感じない!
まるで己の手足のように俺は剣を振り続ける。切った感触さえも感じなかった。だからなのか化け物の命を刈り取ったという意識が俺にはなかった。
俺が武器を振る度に一匹、二匹と化け物の数が減っていく。仕留めきれなかった化け物共は他の人たちによって止めを刺されていく。
やがて化け物共の声も聞こえなくなった頃には、辺りには文字通り血の海が広がっていた。
──終わった、のか?
辺りの人間が荒い息を整えつつその場に座り込む。どうやら終わったらしいと意識した俺は、ようやく気づいた辺りに充満する血の臭いに耐えきれず嘔吐した。
「おい、大丈夫か?」
「オエ…ハァ、ハァ……、だ、大丈夫…」
それに気付いた近くにいた大柄な男が心配そうに話しかけてくる。何とか吐き気を押さえようと、少し移動して深呼吸をする。
──俺が、あの光景をつくったのか。
再び吐き気が襲ってくる。しかしそれを俺は何とかこらえた。
「フゥゥゥ……」
一度大きく息を吐いたあと、皆の集まっているところに再び戻る。
「では皆、そろそろ移動するぞ。いつ追手が来るか分からないからな」
大柄な男が皆に一声かける。すると少し緩みかけていたその場の雰囲気がピンと張った細い糸のように引き締まった。続々と皆がやる気を入れつつ立ち上がる。俺もそれにつられて己の武器を握る手に力が入る。
「やる気は十分みたいだな!」
大柄な男がこちらに話しかけてくる。
「ああ、そういえば自己紹介がまだだったな、私はダールと言う。今さらだが、よろしくな」
ふっと笑みを浮かべ、こちらに手を差し出してきた。
「ああ、はい、こちらこそよろしくお願いします」
俺は少し戸惑いながらもダールと握手を交わす。
──さっきは俺を見捨てたくせに。
と、俺が連れていかれたときの事を思い出した。今思い出してもあれは確実に俺のトラウマになったと思う。
──マジで生きた心地しなかったもんなぁ…
と、過去の回想に浸っていると──
「…あのときはすまなかったな。俺も、やはり自分の命は惜しかったようだ。……俺は大盾士だというのに君を見捨ててしまった。本当にすまなかった!」
ビッと腰を曲げ、礼儀正しくこちらに腰を折って謝ってきた。大の男が頭を下げている光景はこちらの良心がかなり痛む。
──ここまでされるとまるでこちらが悪いみたいじゃないか!
「あ、頭を上げて下さい、だ、ダールさん!俺も立場が逆ならきっと同じことをしていたと思うので!お互い様ですから!頭を上げて下さい!」
必死になってダールの頭をあげさせようとする。しかし──
「いや、同じではない!まず年も違えば体格も違う。職業だって違うんだ!特に私は大盾士なんだ!なのに守るべき者が守られるべき者が犠牲になるのを止めなかった。むしろ荷担してしまったんだ!………私は自身のしたことが許せないんだ。」
ダールはこちらに頭を下げたまま悔しさに顔を歪ませ涙を流していた。
「……確かに、俺は少なからずとも貴方に見捨てられたお陰でそう簡単には忘れることのできない恐怖を味わいました。でも!そのお陰で私は自身の力を知ることができました!そして皆牢から出ることができました。正直私はいつの間にかここにいたので何が何やら分かりません……。それでも、俺がぶっ飛ばしたあの怪物が壁にぶち当たってその壁が崩壊したのは覚えています!もし、貴方が俺を庇っていたらそんなことは起きなかったでしょう。そして少なからずここに来ることが叶わない方もいたでしょう。でも!今こうして皆ここにいます!自分の命が惜しくなったって良いじゃないですか!誰だって死にたくないんですから。貴方は正しいことをしたんです!正しいことをするのは悪いことなんですか?さぁ、分かったら早く頭を上げて皆で脱出しましょうよ!」
──ナニ語ってんだ俺は!
随分と偉そうな事をいった自分が恥ずかしすぎる。だが、それでも語った価値はあったらしい。ダールは──
「そう…だな、まずは脱出が先か。だが、やはり私にはそれなりの罰が必要だだから──」
「あーもう!分かりました!じゃあこれからは貴方が本当に守りたいと思う人を命を懸けて守ってあげて下さい!はい、この話はこれでおしまいです!ほらとっとといきましょう!」
早口にそう述べて出発を促す。
──…よし、大丈夫みたいだな。
かなり緊張した。結構語気を強くして話したので、気分を損ねないかひやひやとしていた。
しかしそれは杞憂に終わったようだ。顔をあげたダールの顔は強い想いを秘めた顔へと変わっていた。そして──
「分かった。その言葉、胸に深く刻み込むとしよう」
そう俺に告げ、堂々とした足取りで皆の先陣を歩き始めた。その様はまさしく戦士と呼ぶに相応しい貫禄であった。もう、何も見捨てないことを人知れず心に決めたその戦士は皆に号令をかける。
「皆、私はこれから私が私であるために私の為に闘う!だから、皆、私についてきてくれ!一緒にここから脱出しよう!」
これを聞いて皆は何を思ったのだろうか。誰一人欠けることなく皆ダールに追従した。勿論そこには俺も含まれている。今のダールにはさっきまでの情けなさは微塵も感じられなかった。その代わり妙な安心感がダールからは感じられた。恐らく皆もそうなのだろう。命の危険を感じている者は敵地なのにも関わらず誰一人いなかった。
そしてそのうち、あちこちから声が上がる。
「脱出するぞ!」
「ああ!」
「絶対に家に帰るんだ!」
「ええ!」
「ダールさんがいればきっと脱出できるさ!」
「そうだ!」
「よし皆、頑張ろう!」
『『おう!!!』』
互いに互いを激励しあう。今、ここにはネガティブな想像、思考を抱えているものはいない。皆が皆、希望を胸に満ちさせていた。
そして歩き出す。己の目指す希望へと辿り着くために──!
──これは一体…?
閉じていた瞼を開ける。するとそこには──
「うおおおお!!」
ザシュッ
「ギャッ」
「ニンゲン、シネ!」
ガンッ
「ぐぅっ!?」
「ゴブリンが!この野郎よくも!」
バキッ
「ギィッ!」
まさしく戦場と呼ぶに相応しい光景が広がっていた。緑の奴も人間もお互いがお互いの血を被って戦いを繰り広げていた。そのなかには既に身体に重傷を負っている者も少なくなかった。
「味方から離れるな!なるべく多対一で当たれるようにするんだ!」
上から聞いたことのある声が降り注ぐ。ふと顔をあげてみると──目があった。
「おお、気が付いたか!身体に異常はないか?」
「いや、別にないが…」
「それなら手短になるが、今の状況を説明させてもらう!ピンチだ!以上!!」
「みじかっ!?え、それだけ!?」
「それだけだ!今から早速参加してもらうぞ!もう皆覚悟しているんだ!後戻りはもうできない、行くぞ!」
「え、あ?マジですか!?」
ホントに手短に俺に伝えると同時に俺の腹部にあった太い腕の感触が消え、身体の浮遊感が消えた。
「え!?うわ、とっとぉ!」
慌てて倒れないように両腕を振り回して、何とかバランスをとる。だが俺の正面には既に緑の化け物がスタンバイしていた。息をつく暇もなく慌てて迎撃しようとするが──
「は!?武器がない!え、マジかヤバくね!?どうしよう!?」
急いで周囲を見渡して武器になるものを探す。すると足元にコツンと当たる感触があった。
──武器だ!
思わず顔をにやけさせながらソレを手に取って構える。
「よっしゃいくぞぉぉぉ!!」
俺はソレを振りかぶって突撃し、緑の化け物の頭上から一直線に振り下ろす。
パキャァッ
大分脆そうな音と共に己の手にあった武器がくだけ散る。
──デスヨネーw
そりゃそうだ!だってゴボウだもん、殴り付けたら折れるよね絶対!こんなときに何でボケてんだよ俺ぇ!!
「おい、なにやっているんだ!武器ならそこらじゅうにあるだろう!」
すぐそばで他の緑の化け物と戦っていた男がそう叫ぶ。
──んなこと言われても!
生憎とほとんどの武器は現在戦いがヒートアップしている辺りに固まっている。丸腰で突っ込めば容易くその命を散らすことになるだろう。流石にそれが分かっていて特攻を仕掛けるほど俺はバカではない。
──どうする、どうする!?
焦りがつのる。いつの間にか人間勢が劣勢に立たされていた。
──くそっ!武器、武器!武器をくれぇ!
そう心の中で強く願った瞬間──あのときの無機質な声が頭の中に響いてきた。
『渇望の感情を確認。弐の力、具現刀を解除します』
すると右腕の紋様が赤く、強く輝き出した。そしてそのまま紋様は段々と形を変えていく。周りで戦っていた者は何事かと行動を止め、こちらへと視線を集中させる。
紋様はどんどん姿を変えていき、遂に剣の形をなしてようやく変化が止まった──かにみえたその時、剣の形をした紋様から刀の柄がせり出してくる。俺は無意識のうちにその柄を左手で掴み、鞘から解き放つように柄を引き抜いた。
その刀の刀身があるはずの箇所に目を向けると、そこには若干赤みを帯びた殆ど透明な西洋風の両刃の剣が存在していた。
「ぶ、武器だ!」
──やった!これで何とかなるかも!
あまりにも衝撃的な光景から素早く目を覚ました大柄な男と俺は近くで呆然としていた緑の化け物に斬りかかる。
「ゲァッ!」
再び戦いが始まったのをようやく理解したのか、あちらこちらで再び鋼の打ち合いが始まる。
──この剣、まるで重さを感じない!
まるで己の手足のように俺は剣を振り続ける。切った感触さえも感じなかった。だからなのか化け物の命を刈り取ったという意識が俺にはなかった。
俺が武器を振る度に一匹、二匹と化け物の数が減っていく。仕留めきれなかった化け物共は他の人たちによって止めを刺されていく。
やがて化け物共の声も聞こえなくなった頃には、辺りには文字通り血の海が広がっていた。
──終わった、のか?
辺りの人間が荒い息を整えつつその場に座り込む。どうやら終わったらしいと意識した俺は、ようやく気づいた辺りに充満する血の臭いに耐えきれず嘔吐した。
「おい、大丈夫か?」
「オエ…ハァ、ハァ……、だ、大丈夫…」
それに気付いた近くにいた大柄な男が心配そうに話しかけてくる。何とか吐き気を押さえようと、少し移動して深呼吸をする。
──俺が、あの光景をつくったのか。
再び吐き気が襲ってくる。しかしそれを俺は何とかこらえた。
「フゥゥゥ……」
一度大きく息を吐いたあと、皆の集まっているところに再び戻る。
「では皆、そろそろ移動するぞ。いつ追手が来るか分からないからな」
大柄な男が皆に一声かける。すると少し緩みかけていたその場の雰囲気がピンと張った細い糸のように引き締まった。続々と皆がやる気を入れつつ立ち上がる。俺もそれにつられて己の武器を握る手に力が入る。
「やる気は十分みたいだな!」
大柄な男がこちらに話しかけてくる。
「ああ、そういえば自己紹介がまだだったな、私はダールと言う。今さらだが、よろしくな」
ふっと笑みを浮かべ、こちらに手を差し出してきた。
「ああ、はい、こちらこそよろしくお願いします」
俺は少し戸惑いながらもダールと握手を交わす。
──さっきは俺を見捨てたくせに。
と、俺が連れていかれたときの事を思い出した。今思い出してもあれは確実に俺のトラウマになったと思う。
──マジで生きた心地しなかったもんなぁ…
と、過去の回想に浸っていると──
「…あのときはすまなかったな。俺も、やはり自分の命は惜しかったようだ。……俺は大盾士だというのに君を見捨ててしまった。本当にすまなかった!」
ビッと腰を曲げ、礼儀正しくこちらに腰を折って謝ってきた。大の男が頭を下げている光景はこちらの良心がかなり痛む。
──ここまでされるとまるでこちらが悪いみたいじゃないか!
「あ、頭を上げて下さい、だ、ダールさん!俺も立場が逆ならきっと同じことをしていたと思うので!お互い様ですから!頭を上げて下さい!」
必死になってダールの頭をあげさせようとする。しかし──
「いや、同じではない!まず年も違えば体格も違う。職業だって違うんだ!特に私は大盾士なんだ!なのに守るべき者が守られるべき者が犠牲になるのを止めなかった。むしろ荷担してしまったんだ!………私は自身のしたことが許せないんだ。」
ダールはこちらに頭を下げたまま悔しさに顔を歪ませ涙を流していた。
「……確かに、俺は少なからずとも貴方に見捨てられたお陰でそう簡単には忘れることのできない恐怖を味わいました。でも!そのお陰で私は自身の力を知ることができました!そして皆牢から出ることができました。正直私はいつの間にかここにいたので何が何やら分かりません……。それでも、俺がぶっ飛ばしたあの怪物が壁にぶち当たってその壁が崩壊したのは覚えています!もし、貴方が俺を庇っていたらそんなことは起きなかったでしょう。そして少なからずここに来ることが叶わない方もいたでしょう。でも!今こうして皆ここにいます!自分の命が惜しくなったって良いじゃないですか!誰だって死にたくないんですから。貴方は正しいことをしたんです!正しいことをするのは悪いことなんですか?さぁ、分かったら早く頭を上げて皆で脱出しましょうよ!」
──ナニ語ってんだ俺は!
随分と偉そうな事をいった自分が恥ずかしすぎる。だが、それでも語った価値はあったらしい。ダールは──
「そう…だな、まずは脱出が先か。だが、やはり私にはそれなりの罰が必要だだから──」
「あーもう!分かりました!じゃあこれからは貴方が本当に守りたいと思う人を命を懸けて守ってあげて下さい!はい、この話はこれでおしまいです!ほらとっとといきましょう!」
早口にそう述べて出発を促す。
──…よし、大丈夫みたいだな。
かなり緊張した。結構語気を強くして話したので、気分を損ねないかひやひやとしていた。
しかしそれは杞憂に終わったようだ。顔をあげたダールの顔は強い想いを秘めた顔へと変わっていた。そして──
「分かった。その言葉、胸に深く刻み込むとしよう」
そう俺に告げ、堂々とした足取りで皆の先陣を歩き始めた。その様はまさしく戦士と呼ぶに相応しい貫禄であった。もう、何も見捨てないことを人知れず心に決めたその戦士は皆に号令をかける。
「皆、私はこれから私が私であるために私の為に闘う!だから、皆、私についてきてくれ!一緒にここから脱出しよう!」
これを聞いて皆は何を思ったのだろうか。誰一人欠けることなく皆ダールに追従した。勿論そこには俺も含まれている。今のダールにはさっきまでの情けなさは微塵も感じられなかった。その代わり妙な安心感がダールからは感じられた。恐らく皆もそうなのだろう。命の危険を感じている者は敵地なのにも関わらず誰一人いなかった。
そしてそのうち、あちこちから声が上がる。
「脱出するぞ!」
「ああ!」
「絶対に家に帰るんだ!」
「ええ!」
「ダールさんがいればきっと脱出できるさ!」
「そうだ!」
「よし皆、頑張ろう!」
『『おう!!!』』
互いに互いを激励しあう。今、ここにはネガティブな想像、思考を抱えているものはいない。皆が皆、希望を胸に満ちさせていた。
そして歩き出す。己の目指す希望へと辿り着くために──!
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