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第一章:兄との日々 ついてくる差

魔法の基礎①

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 「へぇ~、リンちゃん。この学校の聖女さんに勉強を教えてもらえるんですわね。羨ましいですわ。中々そんな機会ないんですもの。」学食で、私はお弁当、エトラちゃんは学食のサンドイッチで、お昼を食べていた。
 エトラちゃんはそう言って、羨ましがってるが、私は不安しかなかった。
 「いや、でもあの人、本当に聖女なのかな。聖女だとしても、もしかしたら、神の掟に違反しているかも・・・・・・。」私がそういうと、エトラちゃんはビックリした顔でこっちを見た。
 「えぇ?なんでそう思うの?私はあの聖女さんとは、一回しか会ったことがないけど、とても良い人よ?」
 「え?そうなの?でも、見た目というか、雰囲気がチャラいから、聖女には見えないんだけど」
 「それは、黒曜石のサングラスのせいですわよ。リンちゃんも一緒に勉強したらわかるわよ。とっても丁寧で優しい聖女さんなんだから」エトラちゃんはそう言っていた。まあ、そこまで言うんだったら、魔法の勉強を頑張るか。


 そして、次の日、私は今頃合宿に行っているので、クラスメイトは誰もいないであろう教室の扉を開けた。
 クラスメイトは誰もいなかったが、あの聖女さんがいた。
 「おう。よく来たな。」
 「え・・・・・・なんでわかるんですか?」   「ん?それはドアを開ける音が聞こえたから、えーと、リン・・・・・・だったか?俺の向かいの席に座りな。おっと、自己紹介がまだだな。俺の名前はレル。ちょうどお前くらいの歳に主に選ばれて聖女になったんだ。」
 「あ、よらしくお願いします・・・・・・。」
 私は恐る恐る座った。
 「ふふ、そんなに恐縮しなくて大丈夫だぞ。まあ、最初は実戦じゃなく、魔法の基礎を教えるからな。もちろん、「マナ」のことは知ってるよな?」いきなり、知らない単語を言われて、私はドギマギした。
 「え?マナ?なんですかそれ。」レルさんはむちゃくちゃビックリした顔をした。
 「・・・・・・嘘だろ?そこから教えないといけないのか?」どうやらマナというのは、基本中の基本らしい。
 「本当に魔法が苦手なもので・・・・・・。」
 「そうなのか。いいか、マナというのは絶対に魔法において必要だから、よく覚えとけよ。」そう言って、聖女レルさんは魔法の基礎を教えてくれた。


 「いいか。まず、生物は魔法を使うには、「マナ」が必要なんだ。それは、魔法の世界では呼吸と同じくらい、なくてはならないものだ。それは人だけじゃなく、魔法を使うモンスターも同じだ。人もモンスターも「マナなしで魔法を唱えたぜ。」と言うやつは、この世には存在しない。そんなマナはもう一つ重要なことがある。それは、「無意識では絶対に使えない」ことだ。絶対に「マナを使用する」という意思が必要になる。マナという存在を意識するだけで、ほぼ全部の魔法の基礎は大体が終了する。そして、魔法の種類だ。魔法には、「エナジー魔法」「炎魔法」「水分魔法」「愛の魔法」「錯乱魔法」「斬撃魔法」「精霊魔法」魔法ではないが、魔法が必要になる「薬学」なんてものもあるな。」
 (結構数が多いな。多分だけど、これ全部を覚えないといけないよな。だって、一年生の時のテストは覚える範囲がとてつもなく、広かったから、2年生だと、もっと広いだろうな)
 「この中で一番強力な魔法は「精霊魔法」だ。「精霊」は人間に協力的な戦闘民族で、大きさは手乗りサイズだが、ほとんどのモンスターは精霊に怯えてるほど、マナの質量が桁違いだ。だが、精霊は気まぐれで、気に入った人間にしか、姿を表さないので、大半は精霊のマナを借りて、攻撃するスタイルの人が多いな。」
 「なるほど、他の魔法の詳細はどんな感じなんですか?」
 「お、やる気が出てきたか?いいぜ、全種類の魔法の基礎を簡潔に教えてやる。」そうやって、レルさんは厚めの紙を取り出し、魔法の内容を詳しく書いてくれた。


精霊魔法:一番協力な魔法。精霊とは主(神)の次に神聖な自然を司る存在。この魔法は精霊を呼び出せなくても、精霊にマナを授けて、それを使用できるだけで、強力な魔法を撃つことができる。しかし、欲を言えば精霊を呼び出した方がさらに強力だが、精霊は本当に気まぐれなので、余りそれにこだわらないように。
エナジー魔法:比較的便利な魔法。この魔法はエナジー(元気)を1~100として、どの数字のエナジーもプラスすることができる。100のエナジーが出るハーブを「薬学」で作ることができるが、それは副作用が大きい場合がある。それに比べて、この魔法で100のエナジーをプラスしても、マナを消費するくらいなので、とても便利な魔法である。
炎魔法:攻撃力特化の魔法。炎魔法の一番微弱なものでも、70度と高温なので、注意が必要である。炎なので、周りを巻き込むと思われがちだが、対象の敵を倒したら、炎はすぐに消える仕様になっている。
水分魔法:水だけじゃなく、液体全般を使用する魔法。魔法の攻撃力や利便性は、その使用する液体による。しかし、水分を多く含む、スライムには全く効かない魔法なので、大型スライムと戦う時はあまり使わない方が良い。
愛の魔法:モンスターを50%の割合で手なづけることができる魔法。一昔前はかなり謙遜されていた。だが、モンスターを味方にするのは何かと便利なのと、モンスターの価値観が時代によって、変わったので、最近だと使う人は増えている。人には使用不可。
錯乱魔法:対象の敵の思考を鈍らせる魔法。勘違いしている人が多いが、幻覚を見せる魔法ではない。敵の勘や思考を鈍感にさせて、勝つ確率を上げる。強力なものだと、敵の思考が鈍りすぎて、敵が戦闘不能になる場合がある。絶対に人に使ってはダメ。使った途端、刑務所に入れられるので、人間には使用しないでおこう。
斬撃魔法:扱いが難しい魔法。剣とセットで使う魔法だが、剣技が素人だと、斬撃が全く当たらないので、剣自体で攻撃した方が楽。この魔法に関しては修行しないと使いこなせない。
薬学:魔法ではないが、魔法を使う学問。医学的な薬を作るために魔法を使用する。大昔から魔法が発見されてから存在している。歴史ある学問。だが、これを一般人がやってはダメで、薬学専属の役職が決まっている。役職は医者、魔女、聖女(この役職は薬学以外にも精通している場合が多い。予言や礼拝など)のこの三つであるが、国によって違う。


 「なるほど、わかりやすいです。」今まで、魔法のことをよくわからなかったが、今になってどんな魔法があるかをやっと理解した。
 「そうか。じゃあこれから、実践で覚えていこうな。」
 「はい!お願いします!聖女様」
 「いや、聖女様は堅苦しすぎるぞ。名前でいいじゃないか。いや、名前に先生を付け足して、「レル先生」でどうだ。その方が親しみやすいだろ」そう言って、聖女さんは笑みを浮かべた。エトラちゃんのいう通り、本当に良い人だった。
 「はい!レル先生、魔法のことを教えてください!」
 「よろしい。これからよろしくな。」私はなぜだか、わからないけど、今まで以上に意気込んでいた。そして、この体験を通して、私は人並み以上に魔法が上手くなるのを、未来の自分は実感することになる。
 
 
 
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