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Act 28. 贖い
【救世主 -メシア-】
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「いやぁぁぁぁ!」
煌子の悲鳴が店内に反響する。
美月の手には割れた瓶ビールの破片が握られていた、
そしてそれを握る美月の掌からは鮮血が
糸を引くようにポタポタと床へ流れ落ちている。
「許さない…許さないから」
美月は何かに取り憑かれたように
虚空を見上げて瓶を無気力に振り回しながら
甲斐へ向かって歩み寄る。
その度に霧のように血しぶきが宙に舞い
音もなく落ちては地面を紅に染めてゆく。
これにはさすがの甲斐もたじろぎ一歩後退した。
「返してよ…」
「な、何だ、この女、どうかしちまったのか?」
「・・・返して、私の友達を…返して」
美月は立ち止まることなく甲斐へと歩み寄って行く。
「返して、早く…返して」
「わ、わかった、今日から煌子は自由だ…」
そう言いかけた甲斐はスッときびすを返し
美月へ向かって歩き始めた。
「…とでも言うと思ったか?」
「美月!危ない!!」
「安心しろ、今とどめをさしてやる、もう、そんな減らず口が叩けないようにな」
「ヤバいよ、甲斐さん相手は女だぞ」
「うるせぇな!知ったことか!!」
甲斐がそう言って美月に近づいたその時…
ガシャーン!!
玄関のドアが壊れんばかりに開いた。
「コラぁ!うちのかわいい後輩いたぶってんの、どこのどいつだ?」
「リサさん!」
「美月から切羽詰まった声で電話がかかってきたから何事かと思って来てみたら…」
「げっ…この女は!」
「おい!クソガキども!あたしの顔知らねえモグリはここにいないだろうな?」
「ちっ、めんどくせえのが来たな」
これにはさすがの甲斐ですら
舌打ちしながら一歩後退した。
煌子の悲鳴が店内に反響する。
美月の手には割れた瓶ビールの破片が握られていた、
そしてそれを握る美月の掌からは鮮血が
糸を引くようにポタポタと床へ流れ落ちている。
「許さない…許さないから」
美月は何かに取り憑かれたように
虚空を見上げて瓶を無気力に振り回しながら
甲斐へ向かって歩み寄る。
その度に霧のように血しぶきが宙に舞い
音もなく落ちては地面を紅に染めてゆく。
これにはさすがの甲斐もたじろぎ一歩後退した。
「返してよ…」
「な、何だ、この女、どうかしちまったのか?」
「・・・返して、私の友達を…返して」
美月は立ち止まることなく甲斐へと歩み寄って行く。
「返して、早く…返して」
「わ、わかった、今日から煌子は自由だ…」
そう言いかけた甲斐はスッときびすを返し
美月へ向かって歩き始めた。
「…とでも言うと思ったか?」
「美月!危ない!!」
「安心しろ、今とどめをさしてやる、もう、そんな減らず口が叩けないようにな」
「ヤバいよ、甲斐さん相手は女だぞ」
「うるせぇな!知ったことか!!」
甲斐がそう言って美月に近づいたその時…
ガシャーン!!
玄関のドアが壊れんばかりに開いた。
「コラぁ!うちのかわいい後輩いたぶってんの、どこのどいつだ?」
「リサさん!」
「美月から切羽詰まった声で電話がかかってきたから何事かと思って来てみたら…」
「げっ…この女は!」
「おい!クソガキども!あたしの顔知らねえモグリはここにいないだろうな?」
「ちっ、めんどくせえのが来たな」
これにはさすがの甲斐ですら
舌打ちしながら一歩後退した。
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