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Act 02. NEXT GIRLS
【ネクストガール】
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きっと椅子に足を乗せることにも
何かしらの事情があるのだろう。
本当は来月から別の席に…と
智久に頼むつもりだったが
智久の話を聞いているうちに
そんな気持ちはいつしか消えていた。
「どうしたの?コウちゃん、席替えの依頼かい?」
「いや、そんなんじゃないけどちょっと気になってね」
「どっちが?」
「いや、どっちがってより田中さんてさ、普段は
全然愛想ないのに嶋村さんたちと一緒の時はあんな顔で笑うんだな、と思って」
「そんなに気になる?」
「いや別に」
「来月も隣でいい?田中さんと」
「・・・」
「ご不満なようで…」
「いやいや、なかなか大変なんだよ、身動き取れないんだから授業中」
「男子はみんな少なからず洗礼を受けてたみたいだよ、そろそろ本人に文句でも言ったら?」
「いや、やめとくよ無駄な争いは。特に女子とは、ね」
「実はさ、コウちゃん…」
「どうした?」
「この席の並びってさ…あ、この話はしない方がいいか…」
「何だよ、もったいぶらなくてもいいだろ」
「プライバシーの尊重、だよ。だから忘れてよ今の話は」
「ま、いいけどさ」
翌月、また僕の後ろには煌子がいた
相変わらずの塩対応はそのままだった。
そしてこれは
絶対に智久が仕組んでいると思った。
女子に苦言を呈さない僕に
厄介者の煌子を押し付けているのだ、と。
もはや僕の中で、煌子が後ろの席なのは
智久の意図だとしか思えなくなっていた。
こうして煌子とはこんなに近くの席ながら
ほぼ4ヶ月の間に渡り
全くもって会話が生まれることは無く
椅子の後部に足を乗せる煌子の行為だけが
唯一のコミュニケーションとなっていた。
何かしらの事情があるのだろう。
本当は来月から別の席に…と
智久に頼むつもりだったが
智久の話を聞いているうちに
そんな気持ちはいつしか消えていた。
「どうしたの?コウちゃん、席替えの依頼かい?」
「いや、そんなんじゃないけどちょっと気になってね」
「どっちが?」
「いや、どっちがってより田中さんてさ、普段は
全然愛想ないのに嶋村さんたちと一緒の時はあんな顔で笑うんだな、と思って」
「そんなに気になる?」
「いや別に」
「来月も隣でいい?田中さんと」
「・・・」
「ご不満なようで…」
「いやいや、なかなか大変なんだよ、身動き取れないんだから授業中」
「男子はみんな少なからず洗礼を受けてたみたいだよ、そろそろ本人に文句でも言ったら?」
「いや、やめとくよ無駄な争いは。特に女子とは、ね」
「実はさ、コウちゃん…」
「どうした?」
「この席の並びってさ…あ、この話はしない方がいいか…」
「何だよ、もったいぶらなくてもいいだろ」
「プライバシーの尊重、だよ。だから忘れてよ今の話は」
「ま、いいけどさ」
翌月、また僕の後ろには煌子がいた
相変わらずの塩対応はそのままだった。
そしてこれは
絶対に智久が仕組んでいると思った。
女子に苦言を呈さない僕に
厄介者の煌子を押し付けているのだ、と。
もはや僕の中で、煌子が後ろの席なのは
智久の意図だとしか思えなくなっていた。
こうして煌子とはこんなに近くの席ながら
ほぼ4ヶ月の間に渡り
全くもって会話が生まれることは無く
椅子の後部に足を乗せる煌子の行為だけが
唯一のコミュニケーションとなっていた。
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