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第4章. ウィークポイント
【遂行前夜】
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電話のベルが鳴り、今宵"再開"した再会の時
俺とレイナの"45分の逢瀬"は終焉を迎えようとしていた。
前と同じように扉の前で別れを惜しむ。
「今日、レイナがいてくれてよかったよ」
「あ、私、言ってなかったかな?火・木がおやすみだから、それ以外なら出勤してるよ…この時間なら」
「うん、わかった、じゃその日を狙って」
「もしもその時、接客してたら…」
しばしの沈黙の後…
「帰る!」
「帰ってね!」
2人同時に同じ言葉が出てきたことに爆笑した。
「他の女の子、指名しちゃダメだよ」
「わかった」
そしてその後
「いや…やっぱり」
「待つ!」
「待ってて!」
「さすがぁ!」
「…相性バッチリだね」
そして
帰り際、唇が触れる程度のフレンチキスは
今日から“また今度ね”の約束となった。
レイナに見送られながら俺は笑顔で階段を降りていった。
「はぁ・・・」
そんな藤谷の背中を見送った後
レイナは深いため息をついた
「どうしよう、このままじゃホントに…」
プルプルプル…
内線のベルに遮られ
レイナの小さな独り言はかき消された。
「好きに…なっちゃうよ…」
この日を境に俺は月に2回ほどの頻度で
レイナに会いに行くようになった。
幸い、接客中であったり不在の日はなく
会う度にレイナには新しい発見があり
共にエクスタシーに達したり
また、色んな話題で会話も弾んだ。
むしろプレイのみならず
会うこと、話すことに重きを置いている
そんな感じだった。
それでも、俺の中で熱が上がっていくのとは裏腹に
レイナはやはりお店の「人気ランキング」においては
それほど芳しいポジションではなく
指名件数もそれなりだったようではあるが
初めて会った頃と比べるとどことなく"素の表情"を
見せてくれるようになったのでは?そう感じ始めた。
さすがの俺もこのシチュエーションから
本当に恋愛に発展するのでは?などと
甘い幻想は抱かなかったものの
いくら社交辞令やビジネスだからとは言え
これだけ気の合う相手は男女問わず
これまでなかなか出会う機会はなかった。
半ば本気でレイナがお店を辞めたら
正式に交際するのもありなのでは?
などと浮かれた気持ちで日々を過ごしていた。
それくらい2人の心の距離は縮まっている、
そんな気がしていた。
よくあるベタな話で男同士が拳を交えて
戦うことによって友情が芽生える、なんてのがあるが
俺とレイナは肌を合わせることによって
何かを分かり合えたのではないだろうか?
レイナの気持ちが知りたかった。
俺はもちろん、
まだ「お得意様」の1人には違いないのだろうが…
そんな思いもあって俺は次回の来店の際、
“ある手段”でレイナの気持ちを確かめてみることにした。
俺とレイナの"45分の逢瀬"は終焉を迎えようとしていた。
前と同じように扉の前で別れを惜しむ。
「今日、レイナがいてくれてよかったよ」
「あ、私、言ってなかったかな?火・木がおやすみだから、それ以外なら出勤してるよ…この時間なら」
「うん、わかった、じゃその日を狙って」
「もしもその時、接客してたら…」
しばしの沈黙の後…
「帰る!」
「帰ってね!」
2人同時に同じ言葉が出てきたことに爆笑した。
「他の女の子、指名しちゃダメだよ」
「わかった」
そしてその後
「いや…やっぱり」
「待つ!」
「待ってて!」
「さすがぁ!」
「…相性バッチリだね」
そして
帰り際、唇が触れる程度のフレンチキスは
今日から“また今度ね”の約束となった。
レイナに見送られながら俺は笑顔で階段を降りていった。
「はぁ・・・」
そんな藤谷の背中を見送った後
レイナは深いため息をついた
「どうしよう、このままじゃホントに…」
プルプルプル…
内線のベルに遮られ
レイナの小さな独り言はかき消された。
「好きに…なっちゃうよ…」
この日を境に俺は月に2回ほどの頻度で
レイナに会いに行くようになった。
幸い、接客中であったり不在の日はなく
会う度にレイナには新しい発見があり
共にエクスタシーに達したり
また、色んな話題で会話も弾んだ。
むしろプレイのみならず
会うこと、話すことに重きを置いている
そんな感じだった。
それでも、俺の中で熱が上がっていくのとは裏腹に
レイナはやはりお店の「人気ランキング」においては
それほど芳しいポジションではなく
指名件数もそれなりだったようではあるが
初めて会った頃と比べるとどことなく"素の表情"を
見せてくれるようになったのでは?そう感じ始めた。
さすがの俺もこのシチュエーションから
本当に恋愛に発展するのでは?などと
甘い幻想は抱かなかったものの
いくら社交辞令やビジネスだからとは言え
これだけ気の合う相手は男女問わず
これまでなかなか出会う機会はなかった。
半ば本気でレイナがお店を辞めたら
正式に交際するのもありなのでは?
などと浮かれた気持ちで日々を過ごしていた。
それくらい2人の心の距離は縮まっている、
そんな気がしていた。
よくあるベタな話で男同士が拳を交えて
戦うことによって友情が芽生える、なんてのがあるが
俺とレイナは肌を合わせることによって
何かを分かり合えたのではないだろうか?
レイナの気持ちが知りたかった。
俺はもちろん、
まだ「お得意様」の1人には違いないのだろうが…
そんな思いもあって俺は次回の来店の際、
“ある手段”でレイナの気持ちを確かめてみることにした。
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