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第16章. 女友達
【動き始めた恋の歯車】
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これは一体・・・?どう言うことなんだ?
あの日、シンちゃんとあみるん先輩の間に
何があったのだろう?
あの日電話がかかってきて
シンちゃんがベースを受け取って帰ってくるまで
約1時間の間、彼に特別変わった様子はなかった。
さすがに1時間ではあみるん先輩も
何かアクションを起こすことはないだろう。
「こりゃ、勝手に一目惚れのパターンかぁ?」
何だか面白くなってきた、
人の恋路ほど見ていて楽しいものはない。
シンちゃんはしばらく気づかないふりをして
泳がせておこう。
それでどう転がるか恋の顛末を拝見といこうか。
「あれ、俺、性格悪くね?」
いやいや恋が生まれそうな二人を
遠巻きに優しく見守るんだからそれは逆だろう。
「いよいよあのモンスターも年貢の納め時、ってやつだな」
それはそれで僕にとっても好都合だし
シンちゃんもあみるん先輩もハッピーになる
…ただひとつ問題は
「女運のないヤツが一人…気の毒だ」
また悟志の愚痴が増えるだろうな
それだけが心配の種だった。
翌日、舞といつもの場所でコーヒーを飲みながら
その話題を切り出してみた。
「そうなんだぁ!梅女の川崎さんってガールズバンドでキーボード弾いてる人だよね」
「よく知ってるね」
「わたし、有香に連れて行かれて結構ライブ観てるから」
「しかし意外だなぁ、あの二人が、ってさ」
「川崎さん、カッコいいよね!女子に人気ありそう」
「そう言う人は可愛げな男が好きになるんだろうか?」
「え?そのシンちゃんって人は可愛い系?」
「身長がね…ははは」
「あははは!そう言うこと?」
まだ僕は半信半疑だった。
「ところで舞はもう体調よくなった?」
「うん!終わったから女の子の日、ふふっ」
「でも暫くは忙しいんだよね?実習もあるし」
「うぅん、大丈夫だよ」
「じゃ週末にでも…あ、釣り…行く?」
「行きたーい!」
「うん、ちょっと待ってね」
僕はバッグの中をごそごそと掻き回して
あるものを取り出した。
「う~ん、来週の週末が大潮だから…」
「え?何なに?それ?」
「潮時表って言ってその日の満潮や干潮の時間がわかるんだよ」
「あはっ、そんなに釣れなくてもいいよぉ、
わたしはコウイチくんと海に行けたらそれで…」
「あ…そうだよね、すぐに専門的になろうとするから、俺」
「ふふふっ」
ー さすがに2週続けて外泊申請は出来ないけど
門限までは一緒にいようね…
舞衣その言葉で全てを悟った、
次こそきっと…僕も心と体の準備をしておかなければ。
話し込んでいる間に時計は夕方6時を回っていた。
「どうする?今から…ちょっとだけうち来る?」
「うん、もしかしたら恋が芽生える場面に遭遇できるかも、だし」
舞と二人、日暮れ時の街を歩く
少し肌寒くなってきた秋風も
僕の左手と舞衣の右手、
繋いだ手の温もりが冷たさを感じさせなかった。
もうこうして二人で過ごすことが
僕の日常の一部として刻み込まれている。
「寒いね~!」
おどけた調子で腕を絡ませてくる舞の頬に
風に吹かれていた左手をそっと当ててみた。
「きゃっ!冷たい~!」
「舞のほっぺたあったかいな」
「もぅ!コウイチくん!」
二人でふざけながら川俣荘の軋んだ玄関の扉を
開いた…
その時、視界に飛び込んできたのは
玄関を入ってすぐ目の前にある進一の部屋
そのドアの前に立つ亜美留の姿だった。
あの日、シンちゃんとあみるん先輩の間に
何があったのだろう?
あの日電話がかかってきて
シンちゃんがベースを受け取って帰ってくるまで
約1時間の間、彼に特別変わった様子はなかった。
さすがに1時間ではあみるん先輩も
何かアクションを起こすことはないだろう。
「こりゃ、勝手に一目惚れのパターンかぁ?」
何だか面白くなってきた、
人の恋路ほど見ていて楽しいものはない。
シンちゃんはしばらく気づかないふりをして
泳がせておこう。
それでどう転がるか恋の顛末を拝見といこうか。
「あれ、俺、性格悪くね?」
いやいや恋が生まれそうな二人を
遠巻きに優しく見守るんだからそれは逆だろう。
「いよいよあのモンスターも年貢の納め時、ってやつだな」
それはそれで僕にとっても好都合だし
シンちゃんもあみるん先輩もハッピーになる
…ただひとつ問題は
「女運のないヤツが一人…気の毒だ」
また悟志の愚痴が増えるだろうな
それだけが心配の種だった。
翌日、舞といつもの場所でコーヒーを飲みながら
その話題を切り出してみた。
「そうなんだぁ!梅女の川崎さんってガールズバンドでキーボード弾いてる人だよね」
「よく知ってるね」
「わたし、有香に連れて行かれて結構ライブ観てるから」
「しかし意外だなぁ、あの二人が、ってさ」
「川崎さん、カッコいいよね!女子に人気ありそう」
「そう言う人は可愛げな男が好きになるんだろうか?」
「え?そのシンちゃんって人は可愛い系?」
「身長がね…ははは」
「あははは!そう言うこと?」
まだ僕は半信半疑だった。
「ところで舞はもう体調よくなった?」
「うん!終わったから女の子の日、ふふっ」
「でも暫くは忙しいんだよね?実習もあるし」
「うぅん、大丈夫だよ」
「じゃ週末にでも…あ、釣り…行く?」
「行きたーい!」
「うん、ちょっと待ってね」
僕はバッグの中をごそごそと掻き回して
あるものを取り出した。
「う~ん、来週の週末が大潮だから…」
「え?何なに?それ?」
「潮時表って言ってその日の満潮や干潮の時間がわかるんだよ」
「あはっ、そんなに釣れなくてもいいよぉ、
わたしはコウイチくんと海に行けたらそれで…」
「あ…そうだよね、すぐに専門的になろうとするから、俺」
「ふふふっ」
ー さすがに2週続けて外泊申請は出来ないけど
門限までは一緒にいようね…
舞衣その言葉で全てを悟った、
次こそきっと…僕も心と体の準備をしておかなければ。
話し込んでいる間に時計は夕方6時を回っていた。
「どうする?今から…ちょっとだけうち来る?」
「うん、もしかしたら恋が芽生える場面に遭遇できるかも、だし」
舞と二人、日暮れ時の街を歩く
少し肌寒くなってきた秋風も
僕の左手と舞衣の右手、
繋いだ手の温もりが冷たさを感じさせなかった。
もうこうして二人で過ごすことが
僕の日常の一部として刻み込まれている。
「寒いね~!」
おどけた調子で腕を絡ませてくる舞の頬に
風に吹かれていた左手をそっと当ててみた。
「きゃっ!冷たい~!」
「舞のほっぺたあったかいな」
「もぅ!コウイチくん!」
二人でふざけながら川俣荘の軋んだ玄関の扉を
開いた…
その時、視界に飛び込んできたのは
玄関を入ってすぐ目の前にある進一の部屋
そのドアの前に立つ亜美留の姿だった。
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