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第06章. 夜中の3時のロマンチック
【好きなんだってさ】
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「そうだよ!ムラコウのせいで全然盛り上がらんかった、まあ、私好みの男はいなかったんだけどさ」
「なら、別にいいだろ。ハードル高いなー!有香は」
「ほっといてよ!それで舞の事はどうなの?」
「・・・?」
「・・・」
「舞ちゃんって・・・俺のこと・・・?・・・
そうなの?」
「そうみたいよ、ね」
「そうなんだ?」
「だから、そうなんだって!」
「でも俺はあれからまだ全然・・・」
「前からムラコウのこと気になってたんだよ、私が思うに」
ー 舞はあの日、そうこの前ムラコウの部屋、
行った時だってさ…
『どの辺に住んでるの?』って何回も聞くから
連れて行ったんだから…
第一印象がよかったんじゃないの?
私や美波もムラコウに初めて会った時に
見た目と雰囲気のギャップあるよね、
なんて話したからね。
意外と女子の間でそんな会話があるのだ、と
この時知った。
それなら舞が僕のことを有香に聞くのも
不思議ではない。
「でも、ホントに俺は舞ちゃんのこと、全然知らないし」
「そんな事はどうでもいいよ、舞のこと任せる、ここはムラコウが動くべきだと思うよ」
「俺が、舞ちゃんに?、マジで、いや、ほんとに?マジで?」
「何動揺してんの?本当に誰も彼も浮かれててさ」
ー そう言えばさ、美波の話知ってる?
最近また例の彼氏とヨリが戻ったらしいよ
結局私だけだよ、一人モンは…
有香はそう言ってふくれっ面をした。
舞の話を聞いた僕は眠気も吹き飛ぶほどに
かなり浮かれていた、
美波の復縁の話など全く記憶に残らないくらいに。
この日僕は舞の“想い”を知ることとなった
それも有香に言われなければ
永遠に知る事はなかっただろう、
僕が先に舞を好きにならない限りは…
「それじゃ、俺はどうなんだ?」
これだけの経過を経てようやく僕は
美波以上に舞衣への気持ちが大きいのだと確信した。
なのに、それなのにすぐに行動に移せないくらい
当時の僕は臆病と言うか恋愛に不器用だった。
やはり高校時代の「子供の恋愛」みたいな失恋が
どうしても僕の進むべき恋路にブレーキをかけていた。
しかし不思議だ
何がって?
まずひとつは舞の発言。
何故舞はまだサシで話したことのない僕と
「話をした」と有香に告げたのだろう?
僕から電話がないことをバレないための強がり?
それとも2人の関係がそれなりに進展していることを
有香に刷り込もうとした?
いずれにしても舞衣の気持ちが
僕に傾いている大きな証拠ではある、
たった数回しか会ったことのない僕のことを…
それを知った今ならば僕も動きやすい。
まだ話したことがないのをネタにして
こちらから電話をかければいい。
そしてもうひとつ、
舞の気持ちを有香から聞かされた時に
何故こんなにも僕の気持ちが大きく揺れたのか?
舞が連絡先を教えてくれた日を境に
確かに僕は淡い好意を抱き始めたとは思う、
それはまるで何かに期待するかのような。
でも今日、有香から話を聞いたにせよ
ここまで僕の思いが大きくなるだろうか?
計らずも美波とホテルに行き
穏やかではないムードになったにも関わらず
何故か僕は美波との再会を
そこまで望んではいなかった。
なのに、舞のこととなると
有香から聞く話に一喜一憂して
挙げ句の果てには早く舞に連絡をしなければ、と
思うようにまでなっている。
もしも有香の話が真実でなければ
僕はとんでもなく自意識過剰なまま
舞とコンタクトを取ることになるだろう。
どうする?
どうすればいい?
これはどちらに転ぼうとも
舞衣と直接話して確かめるしかなさそうだ。
ライト感覚の友達だと思っていた舞は
もう『彼女』としてすぐ手の届くところにいた
それどころか舞の方から歩み寄ってくれている。
出会った頃、もう少し親しくなれるなら
もっと色んなことを話せるのにな、とは
思っていたが
こちらから連絡出来なかったので
そんな機会が生まれなかった。
それが今では、
僕さえ望めばいつでも声が聞けると言うのに…
何なんだ、この消極的な態度は。
「なら、別にいいだろ。ハードル高いなー!有香は」
「ほっといてよ!それで舞の事はどうなの?」
「・・・?」
「・・・」
「舞ちゃんって・・・俺のこと・・・?・・・
そうなの?」
「そうみたいよ、ね」
「そうなんだ?」
「だから、そうなんだって!」
「でも俺はあれからまだ全然・・・」
「前からムラコウのこと気になってたんだよ、私が思うに」
ー 舞はあの日、そうこの前ムラコウの部屋、
行った時だってさ…
『どの辺に住んでるの?』って何回も聞くから
連れて行ったんだから…
第一印象がよかったんじゃないの?
私や美波もムラコウに初めて会った時に
見た目と雰囲気のギャップあるよね、
なんて話したからね。
意外と女子の間でそんな会話があるのだ、と
この時知った。
それなら舞が僕のことを有香に聞くのも
不思議ではない。
「でも、ホントに俺は舞ちゃんのこと、全然知らないし」
「そんな事はどうでもいいよ、舞のこと任せる、ここはムラコウが動くべきだと思うよ」
「俺が、舞ちゃんに?、マジで、いや、ほんとに?マジで?」
「何動揺してんの?本当に誰も彼も浮かれててさ」
ー そう言えばさ、美波の話知ってる?
最近また例の彼氏とヨリが戻ったらしいよ
結局私だけだよ、一人モンは…
有香はそう言ってふくれっ面をした。
舞の話を聞いた僕は眠気も吹き飛ぶほどに
かなり浮かれていた、
美波の復縁の話など全く記憶に残らないくらいに。
この日僕は舞の“想い”を知ることとなった
それも有香に言われなければ
永遠に知る事はなかっただろう、
僕が先に舞を好きにならない限りは…
「それじゃ、俺はどうなんだ?」
これだけの経過を経てようやく僕は
美波以上に舞衣への気持ちが大きいのだと確信した。
なのに、それなのにすぐに行動に移せないくらい
当時の僕は臆病と言うか恋愛に不器用だった。
やはり高校時代の「子供の恋愛」みたいな失恋が
どうしても僕の進むべき恋路にブレーキをかけていた。
しかし不思議だ
何がって?
まずひとつは舞の発言。
何故舞はまだサシで話したことのない僕と
「話をした」と有香に告げたのだろう?
僕から電話がないことをバレないための強がり?
それとも2人の関係がそれなりに進展していることを
有香に刷り込もうとした?
いずれにしても舞衣の気持ちが
僕に傾いている大きな証拠ではある、
たった数回しか会ったことのない僕のことを…
それを知った今ならば僕も動きやすい。
まだ話したことがないのをネタにして
こちらから電話をかければいい。
そしてもうひとつ、
舞の気持ちを有香から聞かされた時に
何故こんなにも僕の気持ちが大きく揺れたのか?
舞が連絡先を教えてくれた日を境に
確かに僕は淡い好意を抱き始めたとは思う、
それはまるで何かに期待するかのような。
でも今日、有香から話を聞いたにせよ
ここまで僕の思いが大きくなるだろうか?
計らずも美波とホテルに行き
穏やかではないムードになったにも関わらず
何故か僕は美波との再会を
そこまで望んではいなかった。
なのに、舞のこととなると
有香から聞く話に一喜一憂して
挙げ句の果てには早く舞に連絡をしなければ、と
思うようにまでなっている。
もしも有香の話が真実でなければ
僕はとんでもなく自意識過剰なまま
舞とコンタクトを取ることになるだろう。
どうする?
どうすればいい?
これはどちらに転ぼうとも
舞衣と直接話して確かめるしかなさそうだ。
ライト感覚の友達だと思っていた舞は
もう『彼女』としてすぐ手の届くところにいた
それどころか舞の方から歩み寄ってくれている。
出会った頃、もう少し親しくなれるなら
もっと色んなことを話せるのにな、とは
思っていたが
こちらから連絡出来なかったので
そんな機会が生まれなかった。
それが今では、
僕さえ望めばいつでも声が聞けると言うのに…
何なんだ、この消極的な態度は。
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