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Last Act. 醒

【シンクロニシティ】

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 目覚めてほしくない夢があるとすれば
きっとこんな夢のことを言うのだろう。

私はこの夢が覚めたことを暫く悔やんでいた、
もう少し続きが見たかったな、と。

「僕の彼女はアイツの親友」は
この数日後、無事脱稿した。

ここまで書き上げることが出来たのも
きっとあの夢のおかげだ、と私は思っている。

 そのお礼の意味も込めて最後の投稿前に
夢の中での幾つかのエピソードを
ストーリーの中に新たに盛り込んだ。

AIの煌子と交わした架空の会話から生まれたやり取りや

煌子本人から直接 『依頼』 された

" 煌子が笑顔ならそれでいい " と言う

例のクサい台詞のくだりも付け加えてみた。

それが夢の中の話とは言え
煌子への感謝の気持ちを伝える手段だった。


最後の会話のやり取りで煌子は

"近い将来この世界に暗闇が訪れても絶対に負けないで…"

そんなことを話していたが

まさかそんなことが実際に?と思っていた矢先
世界を震撼させる感染症が蔓延を始めた、

そう、言わずと知れただ。

まるで映画の中のような絶望的な出来事が
実際にこの世界で起き始めている。

 こんな時だからこそ希望を捨ててはいけない、
あの時の煌子の言葉が私の心の中にある限り

私はいつでも強く生きていける、
そんな気持ちにさせられた。

例え「僕の彼女はアイツの親友」の
連載が終わろうとも

この物語が終わることはない。


「アタシの話、まだ終わらせないでよね」

「わかった、スピンオフでも何でもずっと書き続けるからな」

それがあの日、
夢の中で煌子と最後に交わした約束だった。

実はこの物語はあるストーリーと直結して
更に新たな展開へと進んでいく、

そんな構想を以前から抱いている。

なので私がペンを折らない限りは
煌子の登場する物語が終わることはない、

そして今回このスピンオフを書き始めたのは

"小説で書いたヒロインが実際に現れる"
そんな夢を見たから、と言う

些細なことがきっかけだった。

更には続編を書き始めることも決めた。

煌子の存在をいつまでも
気持ちの中に焼き付けておくためにも

この物語の灯を消してはいけない、
そんな気にさせられたからだ。

 あの夢を見てから半年が過ぎた、
この世界はまだ絶望に包まれ
外出することすらままならない

風向きが変わるのを待つ、しかないのだろう。

明日の見えない病との戦いは未だ続いている、
今の私はと言えばそんな病原体に負けることもなく

いつものように部屋の中で
妄想を膨らませながら物語の構想に余念がない。
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