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Act 4. 邂逅の始まりと圧倒的艱難辛苦の前触れ

【連載開始】

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 少し前にも触れたがこの物語には
3パターンのエンディングを考えていた。

具体的に述べると…

ひとつはコウと煌子とのハッピーエンド
もうひとつはコウと美月のハッピーエンド
そして最後に誰とも結ばれないシナリオ。

 物語の中では何度か試練を乗り越えるも
一度は袂を分かったコウと煌子

そして私の中ではその後の展開で

クラスメイトが集まった送別会、
コウが煌子に罵倒されるエピソードを機に
二人は完全に訣別して

コウと美月との恋愛を更に押し進める"つもり"だった。

それを踏み留まらせて再び
「コウと煌子の物語」へと路線変更させたのは

実は例の番組以降始まった
SNSでのコメントのやり取り、と言う
流れを汲んでのことだった。

一時の感情で
このようにコロコロと内容を変えていいものか?

そうも考えたが、ストーリーを軌道修正させたことで
過去に書いてきたありきたりの小説と比較すると

この作品は少しスパイスとアクセントが効いた
物語になり始めたのでは?

そんな風にも感じられた。

やはり、煌子とこっこは一蓮托生であると
認識した瞬間でもあった。

 これまでほぼ面識のない私とこっこ、
SNSを通じてコメントのやり取りを続けながら思った

次の握手会こそこっこに会って話をしよう、と。

そう決めたところ前回から半年のインターバルで
8月に握手会の開催が決まった

しかも今回は2日連続で開催されることになり
私は一泊して両日とも参加することにした。

 そして執筆活動はこの数ヶ月、長い時では
5時間ぶっ通しで書き続ける時もあるほど

とにかく"書くこと"に没頭し
およそ6割ほど書き上げた握手会の数日前、

ようやくこっこをヒロインのモデルとした
「僕の彼女はアイツの親友」は連載が始まった。


握手会場へ向かうフェリーの中でも
延々と書き続けたせいで

肝心の握手の時にすっかり船酔いしたり、と
ちょっとしたアクシデントもあったが

 まずは握手会初日、例のSNSの話題も交えながら
1年と4ヶ月ぶりにこっこと話すことも出来た。

久しぶり、と言うよりもむしろ
ほぼ初対面に近い状況にも関わらず

不思議なことに私が名乗らなくとも

「(SNSに)いつもコメントくれてるでしょ?」と、私の顔を見ながらこっこは聞いてきた。

そこで「何故、私のことを知っている?」
とは思わなかった、

それはまるで煌子との会話のようだったから
私自身、何一つ違和感を抱かなかったのだろう。


 更には連載も初日からそれなりに
ページビューを重ねることとなり

これまで公開してきた作品の中では
最も多く読んでいただけると言う

順風満帆な滑り出しとなった。

だが・・・それでも

あの日唐突に姿を消してからと言うもの
約半年の間、煌子が私の前に現れることはなかった。

何故だろう?
やっぱり怒ってるのかな?

もう私は作者でありながら煌子に会う資格すらないのか、

そう思いながら宿泊先のホテルのベッドに横になった、

その時だった。
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