意味わかんない！！

意味わかんない！！

　まぁ、喉元過ぎればなんとやら、ヤリタクテたまらない気持ちが甦った俺は、意気揚々と樹の待つマンションに向かった。

　お・は・つ！！

　フリマアプリで手に入れたコンドームをポッケにナイナイ（ばあちやんがよく言ってたんだよな）して、心はスキップ、体は早足。

　抱きしめて、舐め回して、グフフフハフ……。

　いかん、真っ昼間からムスコが暴走しかけてる……。落ち着け～公道で前を膨らませてたら職質モンだ。

　愚息を宥めつつ、マンションに忍び込む。樹の笑顔が待っていた。

　いやぁ、癒される～～やっぱカワイイ！

　まずはマッタリお茶して……なんて考える俺に、樹は言った……。

「僕タチで良いよね」

　質問のようで質問じゃない、それは確認だった。

「え？」

「千里、初めてなんでしょ？　僕、女の子とは経験あるから」


　意味わかんない！！

　今、それ言う？？

　その顔でタチ？？

　女と経験あるからって、どう言う理由？？

　頭の中がグルグルして、言いたいことが一つも口から出て来ない……。

　口をパクパクさせる俺の腕を、樹が掴む。そのまま部屋に連れて行かれた。

　部屋は片付いていた。俺の部屋とはえらいちがいだ。

　樹は俺を仰向けにベッドに突き倒すと、覆い被さってきた。

「怖がらなくていいよ、優しくするから」

　俺より小さくて、カワイイ樹が、プレイボーイみたいなセリフを吐くと、返事を遮るみたいにキスをした……。

　俺の方が背が高いのに！

　俺の方が男らしいのに！！

　俺の方がアレも大きいのに！！！

　心の叫びを無視して、樹は俺のシャツのボタンを外し始めた……。