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誤解
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この前、弟を浮気相手と勘違いして詰め寄る俺を、樹はカラカラと笑った。
今は立場は逆だが、俺は笑えない。何しろ、不本意だとは言え、そうなる可能性があったわけだし……。
樹は項垂れたまま、どうなの? と、責めるような、泣き出しそうな声を出した。
「浮気じゃない……浮気じゃないんだけど……」
逃げ道を失って、俺は正直に話す以外になかった。嘘を吐いたなら、樹との関係が終わりそうな気がしたのだ。
樹と初体験をしたいがために、ホテル代を稼ごうとしたこと、ヒロキさんがホテルに連れ込もうとしたこと。全てを話した上で、ごめん。と、頭を下げた。
千里。と、カワイイ声が頭上からした。
「そんなに僕とシタイ?」
当然、シタイに決まってる。ってか、樹はシタクないのかな?
顔を上げた俺の顎に、樹の細い指が当てられて、更に顔を上げる。樹のカワイイ顔が迫っていた。
思わず目を閉じる。すぐに柔らかな樹の唇が唇に触れた。
どちらからともなく腕を背中に回して、抱き合う。さらに唇は強く重なる。
気持ち良い~。
が、気持ち良すぎてムスコが、存在を誇示し始めていた。
ん?? って言いながら樹が体を離して、下を向く。やたら不自然に突っ張ったズボンを見て、意地悪な子ネコみたいな笑みを見せた。
は、恥ずかし~~~!! ちょっと落ち着けよ!
考えれば考えるほど、息子はムクムクと……。
「元気だね」
樹は笑いながら手を伸ばした。ウソ、ホント? ちょっと、ハズイけど、ウレシイかも……。
期待に膨らみ続ける俺……。目元を赤く染めた色っぽい樹。
おぉ!! あと一ミリ!!
「たっだいま~!! エリちゃんも一緒だよ~!!」
最悪のタイミングだ……⤵
今は立場は逆だが、俺は笑えない。何しろ、不本意だとは言え、そうなる可能性があったわけだし……。
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逃げ道を失って、俺は正直に話す以外になかった。嘘を吐いたなら、樹との関係が終わりそうな気がしたのだ。
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当然、シタイに決まってる。ってか、樹はシタクないのかな?
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どちらからともなく腕を背中に回して、抱き合う。さらに唇は強く重なる。
気持ち良い~。
が、気持ち良すぎてムスコが、存在を誇示し始めていた。
ん?? って言いながら樹が体を離して、下を向く。やたら不自然に突っ張ったズボンを見て、意地悪な子ネコみたいな笑みを見せた。
は、恥ずかし~~~!! ちょっと落ち着けよ!
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「元気だね」
樹は笑いながら手を伸ばした。ウソ、ホント? ちょっと、ハズイけど、ウレシイかも……。
期待に膨らみ続ける俺……。目元を赤く染めた色っぽい樹。
おぉ!! あと一ミリ!!
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最悪のタイミングだ……⤵
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