9 / 14
OK
しおりを挟む
部屋に行ってみたい。と言われたが、やんわりと断った。
初対面で付き合い始めて、突然部屋に来られて……って、俺の常識の許容範囲を超えていた。
こう見えて、ワンナイトラブは苦手なんだ……
帰り着いてからスマホを見ると、ラインにメッセージが届いていた。
『次の休み博物館に行かない?』
デート?
そうしてようやく、俺はデートなるものをしたことがないと気づいた。
いつだって相手の都合に合わせて、結局体だけの関係しか……
涙があふれそうになって、思考を停止する。
博物館……一度も訪れたことのない場所だった。
美術館なら高校時代、先輩に誘われて……あの先輩は美大に進んだっけ。
興味があったわけじゃない。チケットがあるから一緒に。と誘われたのだ。
他の友達を誘いもしたらしいが、皆に断られて俺にお鉢が回ってきた。
一度行ってみたかったんです~。
なんて調子のいいこと言って、夏休みに二人だけで国立西洋美術館に行った。
俺の気持ちの中ではデートだった……
先輩は、俺のために絵や画家の説明をしてくれて……
本気で涙が出てきた……
思えばあれが、俺にとって一番きれいな思い出だった……
先輩は一昨年、大学の後輩だったイラストレーターと結婚したって聞いた……人伝に……
ラインの返事は……
『OK』
初対面で付き合い始めて、突然部屋に来られて……って、俺の常識の許容範囲を超えていた。
こう見えて、ワンナイトラブは苦手なんだ……
帰り着いてからスマホを見ると、ラインにメッセージが届いていた。
『次の休み博物館に行かない?』
デート?
そうしてようやく、俺はデートなるものをしたことがないと気づいた。
いつだって相手の都合に合わせて、結局体だけの関係しか……
涙があふれそうになって、思考を停止する。
博物館……一度も訪れたことのない場所だった。
美術館なら高校時代、先輩に誘われて……あの先輩は美大に進んだっけ。
興味があったわけじゃない。チケットがあるから一緒に。と誘われたのだ。
他の友達を誘いもしたらしいが、皆に断られて俺にお鉢が回ってきた。
一度行ってみたかったんです~。
なんて調子のいいこと言って、夏休みに二人だけで国立西洋美術館に行った。
俺の気持ちの中ではデートだった……
先輩は、俺のために絵や画家の説明をしてくれて……
本気で涙が出てきた……
思えばあれが、俺にとって一番きれいな思い出だった……
先輩は一昨年、大学の後輩だったイラストレーターと結婚したって聞いた……人伝に……
ラインの返事は……
『OK』
10
お気に入りに追加
2
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる