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第二章
憧れの旅行へ
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それは前世と合わせると2度目のシエルとの婚約が決まってしばらく経った頃。
その日は王宮で仕事を終えて帰ってきたシエルと一緒に夕食取った後、ダイニングから続いている家族用の居間にある居心地の良いソファで二人並んで寛いでいた。
家令のパトリックが入れてくれたお茶の良い香りが周りに漂っている。パトリックが私にはストレートで、シエルには強めのお酒を垂らしたものを渡してくれる。
このパトリックは使用人の中では一番新しく我が家にやって来た。実家は没落した貴族の長男で、今はドルトン侯爵家の一人娘アデリーナ様と婚約中の身。将来は婿養子に入ることが決まっている。なぜ、没落貴族とはいえ仮にも貴族の子息が他家の家令として働いているかというと、まあそこは色々あったのだけど。その辺りは長くなるので省くことにする。
とにかくとても優秀なパトリックは、まだ我が家に来て日が浅いにも関わらずこの家に無くてはならない存在だ。むしろ、パトリックが居なくて今までよくこの家がスムーズに回っていたものだと思ってしまうくらい。だからこそ他の使用人からの信頼も厚い。
「そういえば、以前住んでいた屋敷で私たちの世話をしてくれていた、名前は何と言ったかしら?」
私は良い香りを楽しんだ後お茶を一口飲むと、パトリックが下がったのを確認してから、隣のシエルに尋ねた。私に前世の記憶があり前世でシエルと結婚していたという事は、この家の使用人達は知らない。知っているのは私を無理やり転生させる片棒を担いだ精霊王マティウス様と、精霊と話すことができるシエルが働く魔法省の部下のリカルドくらいだと思うけど...。たぶん。
「...。覚えていないのか?」
シエルは自分のお茶をごくりと飲むと眉間に皺を寄せて私の目を覗き込むように見た。そんなに綺麗な顔に小難しい皺を寄せて、もし跡が付いてしまったらどうするのかしらと心の中で心配する。きっとシエルに憧れている世の中のお嬢様方が嘆くに違いない。
「リリアナ?」
シエルに不思議そうに呼ばれて我に返る。どうやらシエルの顔をまじまじと見てしまっていたようだ。
少し気まずくなって目を反らす。
「ああ、ごめんなさい。前世の事はすべて覚えている訳じゃないの。こう、ところどころ断片的な記憶が集まっている感じなの。」
それでなくても前世で私は結構長生きしたはずだから、前世の若い頃の記憶はさらに曖昧だ。それは生まれ変わったからとかは関係ないのかもしれない。
「そうなのか。」
さすがにシエルも自分が生まれ変わったことは無いでしょうから、私の記憶がどんな感じなのかまでは分からなかったのだろう。
「ええ、だから彼女の姿や声は覚えているのだけど、名前が思い出せなくて。」
確か綺麗な白髪に近い銀髪、細身で儚げな印象の20代くらいの女性だった...。時々シエルが出かけて屋敷を留守にすることはあっても、屋敷に客が来ることはなかった。それでもそれなりに広さのある屋敷の管理と私たちの世話を一人で行っていたのだからそうとう優秀だったに違いない。
そこまで考えて私はふと不思議に思った。あら?確か私がシエルと森の奥深くの屋敷で暮らし始めた時からずっと彼女は居てくれたはずだけど、思い出せるのは20代くらいの若い頃の姿だけだった。
「マルグリットだ。」
シエルがボソッと呟いた。
そう、マルグリットだ!私とずっと一緒に居てくれた彼女の名前。美しい女性だった。
「確か私が死んだ時はまだ元気だったはずだけど、彼女は幾つぐらいで亡くなったの?というか、彼女が年を取った時の姿が思い出せないのですけど、いったいあの時は何歳くらいだったのかしら?」
若い頃の姿しか思い出せないなんてきっと記憶が混乱しているのね。名前だって思い出せなかったし。
「...シエル?」
シエルから何も反応がないので不思議に思って隣の彼の顔を下から覗き込む。シエルはまた眉間に皺を寄せて俯いていた。もう、その癖は止めた方が良いと思うのだけど。
それでも黙り込んでいるシエルに私はとうとう心配になってきた。
「シエル?お腹でも痛いの?」
「いや。大丈夫だ。」
返事を聞いてほっとする。じゃあ、いったいその表情は何なのだろう。近頃は無表情なシエルの表情がせっかく少し和らいだように思っていたのに。
「リリアナ。昔住んでいたあの屋敷を懐かしく思えると言っていただろう?」
「ええ。」
確かにシエルに監禁されていて誰も訪れることのない深い森の中の屋敷だったけれど、長年住んでいたのだから愛着もある。今はもう荒れ果てているとは思うけど、マルグリットに手伝ってもらって作った私のかわいい庭もあった。
「旅行を兼ねて一度訪ねてみるはどうだろうか?」
「旅行?」
私は屋敷を訪れるというところよりも旅行という言葉に反応した。旅行になんて一度も行ったことは無かった。前世で結婚した時はシエルが転移魔法を使って、あっという間に森の中の屋敷に着いたのだから。それ以来屋敷から離れることはなかったし...。
「ああ、リリアナが描いた絵本の原本も残っていると...。」
「街を歩いたり?!」
私はシエルの言葉を遮って前のめりになっていたと思う。もう以前住んでいた屋敷の事は頭から飛んで行っていた。
「...ああ、そうだね。色々な街を回ったりして、少し遠回りすれば海も見ることができるよ。」
「まあ、海!」
王都のすぐ近くには湖はあっても海はない。私は今まで海を見たことがなかった。
しかも、普通の旅人たちと同じように宿に泊まって、その土地の市場を回ったり、土地の料理を食べたり?!
我が家に出入りの商人に聞いたり、本で読んだことしかない世界を見れるなんて、何て楽しそうなんだろう!
「じゃあ、決まりだね。」
よほど分かりやすい顔をしていたのだろう。私の表情から旅行に行くことの了承を取れたと判断したシエルは、興奮してシエルの胸倉を掴むように握りしめていた私に、その誰もが見惚れる整った顔を寄せた。
シエルの唇からは紅茶に溶けていた少しきつめのお酒の味と香りがした。
その日は王宮で仕事を終えて帰ってきたシエルと一緒に夕食取った後、ダイニングから続いている家族用の居間にある居心地の良いソファで二人並んで寛いでいた。
家令のパトリックが入れてくれたお茶の良い香りが周りに漂っている。パトリックが私にはストレートで、シエルには強めのお酒を垂らしたものを渡してくれる。
このパトリックは使用人の中では一番新しく我が家にやって来た。実家は没落した貴族の長男で、今はドルトン侯爵家の一人娘アデリーナ様と婚約中の身。将来は婿養子に入ることが決まっている。なぜ、没落貴族とはいえ仮にも貴族の子息が他家の家令として働いているかというと、まあそこは色々あったのだけど。その辺りは長くなるので省くことにする。
とにかくとても優秀なパトリックは、まだ我が家に来て日が浅いにも関わらずこの家に無くてはならない存在だ。むしろ、パトリックが居なくて今までよくこの家がスムーズに回っていたものだと思ってしまうくらい。だからこそ他の使用人からの信頼も厚い。
「そういえば、以前住んでいた屋敷で私たちの世話をしてくれていた、名前は何と言ったかしら?」
私は良い香りを楽しんだ後お茶を一口飲むと、パトリックが下がったのを確認してから、隣のシエルに尋ねた。私に前世の記憶があり前世でシエルと結婚していたという事は、この家の使用人達は知らない。知っているのは私を無理やり転生させる片棒を担いだ精霊王マティウス様と、精霊と話すことができるシエルが働く魔法省の部下のリカルドくらいだと思うけど...。たぶん。
「...。覚えていないのか?」
シエルは自分のお茶をごくりと飲むと眉間に皺を寄せて私の目を覗き込むように見た。そんなに綺麗な顔に小難しい皺を寄せて、もし跡が付いてしまったらどうするのかしらと心の中で心配する。きっとシエルに憧れている世の中のお嬢様方が嘆くに違いない。
「リリアナ?」
シエルに不思議そうに呼ばれて我に返る。どうやらシエルの顔をまじまじと見てしまっていたようだ。
少し気まずくなって目を反らす。
「ああ、ごめんなさい。前世の事はすべて覚えている訳じゃないの。こう、ところどころ断片的な記憶が集まっている感じなの。」
それでなくても前世で私は結構長生きしたはずだから、前世の若い頃の記憶はさらに曖昧だ。それは生まれ変わったからとかは関係ないのかもしれない。
「そうなのか。」
さすがにシエルも自分が生まれ変わったことは無いでしょうから、私の記憶がどんな感じなのかまでは分からなかったのだろう。
「ええ、だから彼女の姿や声は覚えているのだけど、名前が思い出せなくて。」
確か綺麗な白髪に近い銀髪、細身で儚げな印象の20代くらいの女性だった...。時々シエルが出かけて屋敷を留守にすることはあっても、屋敷に客が来ることはなかった。それでもそれなりに広さのある屋敷の管理と私たちの世話を一人で行っていたのだからそうとう優秀だったに違いない。
そこまで考えて私はふと不思議に思った。あら?確か私がシエルと森の奥深くの屋敷で暮らし始めた時からずっと彼女は居てくれたはずだけど、思い出せるのは20代くらいの若い頃の姿だけだった。
「マルグリットだ。」
シエルがボソッと呟いた。
そう、マルグリットだ!私とずっと一緒に居てくれた彼女の名前。美しい女性だった。
「確か私が死んだ時はまだ元気だったはずだけど、彼女は幾つぐらいで亡くなったの?というか、彼女が年を取った時の姿が思い出せないのですけど、いったいあの時は何歳くらいだったのかしら?」
若い頃の姿しか思い出せないなんてきっと記憶が混乱しているのね。名前だって思い出せなかったし。
「...シエル?」
シエルから何も反応がないので不思議に思って隣の彼の顔を下から覗き込む。シエルはまた眉間に皺を寄せて俯いていた。もう、その癖は止めた方が良いと思うのだけど。
それでも黙り込んでいるシエルに私はとうとう心配になってきた。
「シエル?お腹でも痛いの?」
「いや。大丈夫だ。」
返事を聞いてほっとする。じゃあ、いったいその表情は何なのだろう。近頃は無表情なシエルの表情がせっかく少し和らいだように思っていたのに。
「リリアナ。昔住んでいたあの屋敷を懐かしく思えると言っていただろう?」
「ええ。」
確かにシエルに監禁されていて誰も訪れることのない深い森の中の屋敷だったけれど、長年住んでいたのだから愛着もある。今はもう荒れ果てているとは思うけど、マルグリットに手伝ってもらって作った私のかわいい庭もあった。
「旅行を兼ねて一度訪ねてみるはどうだろうか?」
「旅行?」
私は屋敷を訪れるというところよりも旅行という言葉に反応した。旅行になんて一度も行ったことは無かった。前世で結婚した時はシエルが転移魔法を使って、あっという間に森の中の屋敷に着いたのだから。それ以来屋敷から離れることはなかったし...。
「ああ、リリアナが描いた絵本の原本も残っていると...。」
「街を歩いたり?!」
私はシエルの言葉を遮って前のめりになっていたと思う。もう以前住んでいた屋敷の事は頭から飛んで行っていた。
「...ああ、そうだね。色々な街を回ったりして、少し遠回りすれば海も見ることができるよ。」
「まあ、海!」
王都のすぐ近くには湖はあっても海はない。私は今まで海を見たことがなかった。
しかも、普通の旅人たちと同じように宿に泊まって、その土地の市場を回ったり、土地の料理を食べたり?!
我が家に出入りの商人に聞いたり、本で読んだことしかない世界を見れるなんて、何て楽しそうなんだろう!
「じゃあ、決まりだね。」
よほど分かりやすい顔をしていたのだろう。私の表情から旅行に行くことの了承を取れたと判断したシエルは、興奮してシエルの胸倉を掴むように握りしめていた私に、その誰もが見惚れる整った顔を寄せた。
シエルの唇からは紅茶に溶けていた少しきつめのお酒の味と香りがした。
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※感想の取り扱いは近況ボードを参照してください。
※小説家になろう様でも掲載予定です。
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