168 / 211
chapter4
step.31-3 クリスマスとお墓参り
しおりを挟む
* * *
リビングのローテーブルに先ほど買ったツリーを置く。
ニャン太さんがテキパキと七面鳥を始めとしたオードブルやケーキ、マカロンを並べ、
ソウさんと帝人さんが食器を、類さんと僕は飲み物を用意した。
ニャン太さんに半場ムリヤリ赤い帽子やトナカイのカチューシャなどを付けられてから、僕らはいつもの定位置に座った。
テーブルの上には、存在をこれでもかと主張する照り輝く七面鳥。
それからポテトサラダに唐揚げ、肉巻き、ローストビーフ、色とりどりのマカロンに、総勢10種類のケーキがズラリと並ぶさまはなかなか壮観だ。
「それでは……みんなで、ハッピーメリークリスマス! いえ~~~い!」
シャンパンが行き渡ったところで、ニャン太さんが乾杯の音頭を取った。
次いで彼は早速ピンクのマカロンを抓むと、「ちょーっとごめんね~」なんて言って、元気良く僕の上に乗り上げ、左隣に座る類さんに手を突き出す。
「はい、類ちゃん。アーン♪」
「おう」と短く頷いて、類さんはニャン太さんの差し出したマカロンを口にした。
「……って、あれれ? 寝起きでもないのに、なんだか素直じゃない? いつもだったら、自分で食えるーとか言って真っ先に拒否するのに」
「なんだよ。そっちのが良かったわけ」
「いや、そんなことはないけど、でも……なんか調子狂うっていうか……」
「わかった。もうお前にはデレねぇ」
「え! ヤダヤダ、デレてよ! もっともっ――」
言葉の途中で、類さんはニャン太さんを抱き寄せた。
「わふっ……!」
押さえつけるようにして、背中を撫でる。
「お前、また筋肉付いたんじゃね。抱き心地最悪なんだけど」
そんなことを言って、軽く髪にキスをする。
ニャン太さんは唖然として、もぐもぐと口を動かす類さんを見上げた。
「ここのマカロン、マジでうまいな。伝も食べてみ?」
「あ、はい。いただきます」
類さんが食べさせてくれる。
サクッとした食感ののち、絶妙な酸味のカシスクリームとホワイトチョコが舌の上でとろけた。
僕は眼鏡を外して、目元を抑える。
美味しいものを食べた時、よくくねくねして感動を表現する人がいるが、今、そんな気持ちだ。マカロンってひとつひとつが高いから食べたことがなかったが……こんなに贅沢な味がするのか……
舌鼓を打ちつつ、ふとニャン太さんを見れば、彼の顔は耳まで真っ赤だった。
類さんの態度が本当に予想外だったのだろう、珍しく大人しくなっていた。
「ソウ。ほら、お前も」
類さんが左隣に座るソウさんに、マカロンを抓んで差し出した。
彼は類さんの手を掴んでパクつく。
「……うん、美味しい」
「な。日本初上陸の店だって。こんだけ美味いの食うと、本場のフランスに行きたくなるな」と、箱に入っていたリーフレットを見ながら類さん。
「帝人も食ってみろよ。この辺、甘さ控えめっぽいから。これ柚子味だろ、こっちのは……ほうじ茶だってさ」
「じゃあ、貰おうかな」
帝人さんはほうじ茶のマカロンを抓み上げた。
リビングには、いつもとは少しだけ違う空気が流れていた。
類さんがじゃれついてくるニャン太さんを茶化さなかったせいだろう。
しばらく俯いていたニャン太さんは、すごすご自分の席に戻ると、忙しなく前髪を触ったり、取り皿によそったちょっとのポテトサラダを、ちょこちょこ食べたりした。
「……というか、なんだか俺たちいつもパーティーしてるね」
束の間の沈黙を破ったのは、帝人さんだった。
「えっ、そうだっけ?」とニャン太さん。
「先月も仮装パーティーしたでしょ」
「あー……確かに? でも、この前は類ちゃんいなかったから」
ニャン太さんは調子を取り戻したようにソファの上であぐらをかいた。
「そもそもの話さ、毎月パーティーしたっていいじゃん? 大好きな人とたっくさんイベント重ねて、同じ思い出作って……それってめっちゃ楽しいし幸せなことだし。毎日でもしたいくらいだよ」
「ううん、毎日はちょっと……」
「昔の貴族ってこのテンションだったんかな」と類さん。
そんなやり取りを眺めていると、ソウさんが少し離れた場所にあったチーズを僕に取り分けてくれた。
「ありがとうございます」
チーズを食べながら、僕は内心ニャン太さんの意見に全力で頷いていた。
もちろん毎日パーティーはやり過ぎだと思うし、そんなに贅沢がしたいわけでもない。
しかし、今日みたいにみんなと過ごして、心がお風呂に入ったように温かくなる日を重ねた未来を思うと、ワクワクするのだ。
「あの日、あんなことがあったね」と話せる相手がいることの喜びというか。
うまくいえないが……家族になっていくことの実感?というか。
僕にとって、家族というのは生まれながらに用意されたものだった。だから何となしに暮らす毎日の重要性に気付かなかった。
腹を割って話をしようともしなかったし、たくさんあっただろう一緒に過ごした小さな喜びも忘れてしまって、それでいて自分をわかって欲しいだなんて傲慢に過ぎるだろう。
知ろうと思うこと。
知りたいと思うこと。
知って貰おうとすること。
父も母も兄も、それらを重ねることが出来るというだけの相手でしかなかったのに。
僕は彼らとぶつかることもせず、価値観を共有することもしないで、勝手にわかり合えないのだと決めつけていた。
「お腹もいっぱいになったし、そろそろお待ちかねの時間かな~!」
惣菜の殆どを胃袋に納め、ダラダラしつつケーキをつまんだりしていると、ニャン太さんが勢いよくソファを立った。
それから、こそこそと準備をしていた風船を僕らにひとつずつ手渡した。
「はい! みんな1個ずつ膨らませてね」
「あの、一体何をするつもりですか?」
問えば、彼はよくぞ聞いてくれました!と言わんばかりに笑顔を弾けさせる。
「プレコンだよ!」
「プレゼント交換ね」
一瞬、意味を損ねた僕に帝人さんが説明してくれる。
「それでこの風船は何に使うんだ?」とソウさんが首を傾げた。
「風船の中にプレゼント番号を書いた紙を入れたんだよ。で、ダーツを投げて割れた風船の中身を貰うってわけ」
「なるほどね。でも、プレゼントより風船の方が多いみたいだけど……?」と帝人さん。
それにニャン太さんはキョトンとした。
「そりゃ、ハズレもあるから」
「ハズレ? 交換なのに、ハズレがあるんですか?」
「もちのロンロン。ハズレの景品もバッチリ用意したし!」
言うと、彼は冷蔵庫にしまってあった小さな箱を持ってくる。
中にはふたつシュークリームが入っていた。
「シュークリーム……?」
「その店、高縞屋に入ってたんかい」と、類さんがゲンナリしたように言う。
「類さん、知ってるんですか?」
「変わったシューを売ってるって、テレビで紹介されてたのを見たんだよ」
「変わった……?」
「ロシアンルーレットに使うようなやつ。中にワサビとかハバネロとか入ってんの」
「え」
ハズレというか、それはもう罰ゲームでは……?
帝人さんと目が合う。
たぶん僕らは同じ事を考えていた。
そんな僕らのことなど気にもせず、ニャン太さんはダーツを用意し、壁際に風船を設置すると、高らかに宣言した。
「それじゃ、プレゼント交換いってみよ~ッ!」
リビングのローテーブルに先ほど買ったツリーを置く。
ニャン太さんがテキパキと七面鳥を始めとしたオードブルやケーキ、マカロンを並べ、
ソウさんと帝人さんが食器を、類さんと僕は飲み物を用意した。
ニャン太さんに半場ムリヤリ赤い帽子やトナカイのカチューシャなどを付けられてから、僕らはいつもの定位置に座った。
テーブルの上には、存在をこれでもかと主張する照り輝く七面鳥。
それからポテトサラダに唐揚げ、肉巻き、ローストビーフ、色とりどりのマカロンに、総勢10種類のケーキがズラリと並ぶさまはなかなか壮観だ。
「それでは……みんなで、ハッピーメリークリスマス! いえ~~~い!」
シャンパンが行き渡ったところで、ニャン太さんが乾杯の音頭を取った。
次いで彼は早速ピンクのマカロンを抓むと、「ちょーっとごめんね~」なんて言って、元気良く僕の上に乗り上げ、左隣に座る類さんに手を突き出す。
「はい、類ちゃん。アーン♪」
「おう」と短く頷いて、類さんはニャン太さんの差し出したマカロンを口にした。
「……って、あれれ? 寝起きでもないのに、なんだか素直じゃない? いつもだったら、自分で食えるーとか言って真っ先に拒否するのに」
「なんだよ。そっちのが良かったわけ」
「いや、そんなことはないけど、でも……なんか調子狂うっていうか……」
「わかった。もうお前にはデレねぇ」
「え! ヤダヤダ、デレてよ! もっともっ――」
言葉の途中で、類さんはニャン太さんを抱き寄せた。
「わふっ……!」
押さえつけるようにして、背中を撫でる。
「お前、また筋肉付いたんじゃね。抱き心地最悪なんだけど」
そんなことを言って、軽く髪にキスをする。
ニャン太さんは唖然として、もぐもぐと口を動かす類さんを見上げた。
「ここのマカロン、マジでうまいな。伝も食べてみ?」
「あ、はい。いただきます」
類さんが食べさせてくれる。
サクッとした食感ののち、絶妙な酸味のカシスクリームとホワイトチョコが舌の上でとろけた。
僕は眼鏡を外して、目元を抑える。
美味しいものを食べた時、よくくねくねして感動を表現する人がいるが、今、そんな気持ちだ。マカロンってひとつひとつが高いから食べたことがなかったが……こんなに贅沢な味がするのか……
舌鼓を打ちつつ、ふとニャン太さんを見れば、彼の顔は耳まで真っ赤だった。
類さんの態度が本当に予想外だったのだろう、珍しく大人しくなっていた。
「ソウ。ほら、お前も」
類さんが左隣に座るソウさんに、マカロンを抓んで差し出した。
彼は類さんの手を掴んでパクつく。
「……うん、美味しい」
「な。日本初上陸の店だって。こんだけ美味いの食うと、本場のフランスに行きたくなるな」と、箱に入っていたリーフレットを見ながら類さん。
「帝人も食ってみろよ。この辺、甘さ控えめっぽいから。これ柚子味だろ、こっちのは……ほうじ茶だってさ」
「じゃあ、貰おうかな」
帝人さんはほうじ茶のマカロンを抓み上げた。
リビングには、いつもとは少しだけ違う空気が流れていた。
類さんがじゃれついてくるニャン太さんを茶化さなかったせいだろう。
しばらく俯いていたニャン太さんは、すごすご自分の席に戻ると、忙しなく前髪を触ったり、取り皿によそったちょっとのポテトサラダを、ちょこちょこ食べたりした。
「……というか、なんだか俺たちいつもパーティーしてるね」
束の間の沈黙を破ったのは、帝人さんだった。
「えっ、そうだっけ?」とニャン太さん。
「先月も仮装パーティーしたでしょ」
「あー……確かに? でも、この前は類ちゃんいなかったから」
ニャン太さんは調子を取り戻したようにソファの上であぐらをかいた。
「そもそもの話さ、毎月パーティーしたっていいじゃん? 大好きな人とたっくさんイベント重ねて、同じ思い出作って……それってめっちゃ楽しいし幸せなことだし。毎日でもしたいくらいだよ」
「ううん、毎日はちょっと……」
「昔の貴族ってこのテンションだったんかな」と類さん。
そんなやり取りを眺めていると、ソウさんが少し離れた場所にあったチーズを僕に取り分けてくれた。
「ありがとうございます」
チーズを食べながら、僕は内心ニャン太さんの意見に全力で頷いていた。
もちろん毎日パーティーはやり過ぎだと思うし、そんなに贅沢がしたいわけでもない。
しかし、今日みたいにみんなと過ごして、心がお風呂に入ったように温かくなる日を重ねた未来を思うと、ワクワクするのだ。
「あの日、あんなことがあったね」と話せる相手がいることの喜びというか。
うまくいえないが……家族になっていくことの実感?というか。
僕にとって、家族というのは生まれながらに用意されたものだった。だから何となしに暮らす毎日の重要性に気付かなかった。
腹を割って話をしようともしなかったし、たくさんあっただろう一緒に過ごした小さな喜びも忘れてしまって、それでいて自分をわかって欲しいだなんて傲慢に過ぎるだろう。
知ろうと思うこと。
知りたいと思うこと。
知って貰おうとすること。
父も母も兄も、それらを重ねることが出来るというだけの相手でしかなかったのに。
僕は彼らとぶつかることもせず、価値観を共有することもしないで、勝手にわかり合えないのだと決めつけていた。
「お腹もいっぱいになったし、そろそろお待ちかねの時間かな~!」
惣菜の殆どを胃袋に納め、ダラダラしつつケーキをつまんだりしていると、ニャン太さんが勢いよくソファを立った。
それから、こそこそと準備をしていた風船を僕らにひとつずつ手渡した。
「はい! みんな1個ずつ膨らませてね」
「あの、一体何をするつもりですか?」
問えば、彼はよくぞ聞いてくれました!と言わんばかりに笑顔を弾けさせる。
「プレコンだよ!」
「プレゼント交換ね」
一瞬、意味を損ねた僕に帝人さんが説明してくれる。
「それでこの風船は何に使うんだ?」とソウさんが首を傾げた。
「風船の中にプレゼント番号を書いた紙を入れたんだよ。で、ダーツを投げて割れた風船の中身を貰うってわけ」
「なるほどね。でも、プレゼントより風船の方が多いみたいだけど……?」と帝人さん。
それにニャン太さんはキョトンとした。
「そりゃ、ハズレもあるから」
「ハズレ? 交換なのに、ハズレがあるんですか?」
「もちのロンロン。ハズレの景品もバッチリ用意したし!」
言うと、彼は冷蔵庫にしまってあった小さな箱を持ってくる。
中にはふたつシュークリームが入っていた。
「シュークリーム……?」
「その店、高縞屋に入ってたんかい」と、類さんがゲンナリしたように言う。
「類さん、知ってるんですか?」
「変わったシューを売ってるって、テレビで紹介されてたのを見たんだよ」
「変わった……?」
「ロシアンルーレットに使うようなやつ。中にワサビとかハバネロとか入ってんの」
「え」
ハズレというか、それはもう罰ゲームでは……?
帝人さんと目が合う。
たぶん僕らは同じ事を考えていた。
そんな僕らのことなど気にもせず、ニャン太さんはダーツを用意し、壁際に風船を設置すると、高らかに宣言した。
「それじゃ、プレゼント交換いってみよ~ッ!」
0
お気に入りに追加
360
あなたにおすすめの小説
挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました
結城芙由奈
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】
今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。
「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」
そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。
そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。
けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。
その真意を知った時、私は―。
※暫く鬱展開が続きます
※他サイトでも投稿中
虐げられ聖女(男)なので辺境に逃げたら溺愛系イケメン辺境伯が待ち構えていました【本編完結】(異世界恋愛オメガバース)
美咲アリス
BL
虐待を受けていたオメガ聖女のアレクシアは必死で辺境の地に逃げた。そこで出会ったのは逞しくてイケメンのアルファ辺境伯。「身バレしたら大変だ」と思ったアレクシアは芝居小屋で見た『悪役令息キャラ』の真似をしてみるが、どうやらそれが辺境伯の心を掴んでしまったようで、ものすごい溺愛がスタートしてしまう。けれども実は、辺境伯にはある考えがあるらしくて⋯⋯? オメガ聖女とアルファ辺境伯のキュンキュン異世界恋愛です、よろしくお願いします^_^ 本編完結しました、特別編を連載中です!
35歳からの楽しいホストクラブ
綺沙きさき(きさきさき)
BL
『35歳、職業ホスト。指名はまだ、ありません――』
35歳で会社を辞めさせられた青葉幸助は、学生時代の後輩の紹介でホストクラブで働くことになったが……――。
慣れないホスト業界や若者たちに戸惑いつつも、35歳のおじさんが新米ホストとして奮闘する物語。
・売れっ子ホスト(22)×リストラされた元リーマン(35)
・のんびり平凡総受け
・攻めは俺様ホストやエリート親友、変人コック、オタク王子、溺愛兄など
※本編では性描写はありません。
(総受けのため、番外編のパラレル設定で性描写ありの小話をのせる予定です)
エロゲ世界のモブに転生したオレの一生のお願い!
たまむし
BL
大学受験に失敗して引きこもりニートになっていた湯島秋央は、二階の自室から転落して死んだ……はずが、直前までプレイしていたR18ゲームの世界に転移してしまった!
せっかくの異世界なのに、アキオは主人公のイケメン騎士でもヒロインでもなく、ゲーム序盤で退場するモブになっていて、いきなり投獄されてしまう。
失意の中、アキオは自分の身体から大事なもの(ち●ちん)がなくなっていることに気付く。
「オレは大事なものを取り戻して、エロゲの世界で女の子とエッチなことをする!」
アキオは固い決意を胸に、獄中で知り合った男と協力して牢を抜け出し、冒険の旅に出る。
でも、なぜかお色気イベントは全部男相手に発生するし、モブのはずが世界の命運を変えるアイテムを手にしてしまう。
ちん●んと世界、男と女、どっちを選ぶ? どうする、アキオ!?
完結済み番外編、連載中続編があります。「ファタリタ物語」でタグ検索していただければ出てきますので、そちらもどうぞ!
※同一内容をムーンライトノベルズにも投稿しています※
pixivリクエストボックスでイメージイラストを依頼して描いていただきました。
https://www.pixiv.net/artworks/105819552
公爵様、契約通り、跡継ぎを身籠りました!-もう契約は満了ですわよ・・・ね?ちょっと待って、どうして契約が終わらないんでしょうかぁぁ?!-
猫まんじゅう
恋愛
そう、没落寸前の実家を助けて頂く代わりに、跡継ぎを産む事を条件にした契約結婚だったのです。
無事跡継ぎを妊娠したフィリス。夫であるバルモント公爵との契約達成は出産までの約9か月となった。
筈だったのです······が?
◆◇◆
「この結婚は契約結婚だ。貴女の実家の財の工面はする。代わりに、貴女には私の跡継ぎを産んでもらおう」
拝啓、公爵様。財政に悩んでいた私の家を助ける代わりに、跡継ぎを産むという一時的な契約結婚でございましたよね・・・?ええ、跡継ぎは産みました。なぜ、まだ契約が完了しないんでしょうか?
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいませええ!この契約!あと・・・、一体あと、何人子供を産めば契約が満了になるのですッ!!?」
溺愛と、悪阻(ツワリ)ルートは二人がお互いに想いを通じ合わせても終わらない?
◆◇◆
安心保障のR15設定。
描写の直接的な表現はありませんが、”匂わせ”も気になる吐き悪阻体質の方はご注意ください。
ゆるゆる設定のコメディ要素あり。
つわりに付随する嘔吐表現などが多く含まれます。
※妊娠に関する内容を含みます。
【2023/07/15/9:00〜07/17/15:00, HOTランキング1位ありがとうございます!】
こちらは小説家になろうでも完結掲載しております(詳細はあとがきにて、)
獅子帝の宦官長
ごいち
BL
皇帝ラシッドは体格も精力も人並外れているせいで、夜伽に呼ばれた側女たちが怯えて奉仕にならない。
苛立った皇帝に、宦官長のイルハリムは後宮の管理を怠った罰として閨の相手を命じられてしまう。
強面巨根で情愛深い攻×一途で大人しそうだけど隠れ淫乱な受
R18:レイプ・モブレ・SM的表現・暴力表現多少あります。
2022/12/23 エクレア文庫様より電子版・紙版の単行本発売されました
電子版 https://www.cmoa.jp/title/1101371573/
紙版 https://comicomi-studio.com/goods/detail?goodsCd=G0100914003000140675
単行本発売記念として、12/23に番外編SS2本を投稿しております
良かったら獅子帝の世界をお楽しみください
ありがとうございました!
魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました
タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。
クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。
死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。
「ここは天国ではなく魔界です」
天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。
「至上様、私に接吻を」
「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」
何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる