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chapter4

step.30-8* メイドとお邪魔者

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 メリ、と肉を割り開かれる感触。
 それからずっぷりと類さんの熱が僕の中に埋まった。
 自分の重みが加わっているせいか、いつもよりも深い場所まで暴かれている。
 僕は浅い吐息を繰り返すと、類さんの肩に手を置いてゆっくり身体を上下させた。

 グチュグチュと卑猥な音が立ち、類さんの形のいい眉が切なげに歪む。

 僕は彼の唇を塞ぐと、円を描くようにお尻を揺らしたり、腰を高く持ち上げて一息に落としたりした。
 けれど、一向にうまく出来ている気がしない。

「ごめんなさい、類さん……もっと気持ちよくできたら良かったんですけど……」

「なんで……? 気持ちいいよ」

 類さんは気遣うように僕の頬に唇を寄せた。
 僕が彼を抱いた時はそんな余裕なんてなかった。あの時は、とにかくイカないように我慢するので必死だったのだ。

 彼は、僕の上でどう動いていたっけ。
 思い出して真似をしようとするが、どんどん動きがぎごちなくなっていき、更に焦る。

 と、類さんが困ったように笑った。

「なぁ、伝。……あんたは相手のことを考えすぎだよ。何事も自分からっつーだろ? もしも俺のこと、もっとよがらせたいって思ってんなら……まずは自分がとことん気持ち良くならねぇと」

「ぼ、僕がですか?」

「そう。自分のいいとこ探してみ?」

 僕は逡巡の後、小さく頷く。
 しゃがみ込む体勢で身体を上下に揺すり、中の刺激に意識を凝らした。
 類さんの傘張る先端で中を探る。
 と、一点を掠めた時、まるで雷に打たれたみたいに身体が震えた。

「ぁ……」

 舌が引きつり、呼吸が跳ねる。

「あった?」

「は、はい……ここ、これ……っ、気持ちい……っ」

 羞恥心に頬を熱くさせながら、その快楽のスイッチを刺激する。
 初めこそ類さんのためと念じていたものの、すぐに僕は情けない声を上げ始めた。

「はぁ、はぁっ、はぁ……る、類さ……」

 自分で慰めていた頃とは訳が違う。
 何度も抱かれた身体はすっかり悦楽の奴隷になっている。

「ど、うしよ……気持ちいい、ここ、すご、ぁ、あぁ」

「うん、伝わってるよ……すげー締まってる……」

 穴口がキツく締まるのが、自分でもわかった。
 痛いくらいに勃った欲望がスカートを持ち上げている。

 と、類さんが腰を突き上げた。

「はへぁっ……!」

 自分の予想していないタイミングで最奥を穿たれ、甘い吐息がこぼれる。

「あっ、あ、る、類さ……イッちゃ、イッちゃう……」

「いいよ、イッて」

「ひぁっ……」

 類さんに肉竿を握りしめられた。
 竿肌を激しく扱かれ、腰がとろけたかと思った。

「ん、んんっ、そこ、扱いたら、ぁ、すぐっ、は、あっ……!」

 類さんの上で尻が跳ねる。
 いや、彼に揺すられているのか、自ら動いているのかわからない。

 僕は自分の痴態に構うことなく、髪を振り乱してイッた。
 けれど、類さんの手は止まらない。

「ぁっ!? は、ぅ、あ、ゃっ、まだ、イッてる、の、にっ」

 彼は今さっき噴き上げた粘液を塗り込めるようにして扱き続ける。先ほどよりもずっと激しく。

「や、やめ、類さ、扱くの待っ……待っへ……くるしっ、それ……や、ぃい息できなっ、あっ、はぁっ、あっ」

 グチュグチュと酷く淫猥な音が鼓膜を震わせた。
 苦しいほどのくすぐったさに交じって、だんだんと尿意に似た感覚が湧き上がってきて僕は焦った。

「ダメ……ダメ、ダメですっ、なんか、来て……」

 無意味にダメと繰り返す。
 けれど必死で堪えようにも類さんの手は巧みで、それに抵抗できる意気地などない。
 僕の意識は呆気ないほど易々と弾け飛んだ。

「ひゃ、ぁ、あっ」

 身体がピクリと震え、

「あ、あぁあ……!」

 じわ、と生暖かな、白濁とは異なった感触が股ぐらに広がり、頭の中が真っ暗になる。

 漏らしてしまった。しかも、こんな……リビングのソファで、なんて。
 せめてもとスカートを押しつけるが、焼け石に水だ。

「はは、ビショビショ……」

「ご、ごめんなさ……ごめんなさい……」

「なんで謝んの。潮噴かせたの俺だろ?」

 しお……?

 そういえば、前にオモチャで攻められた時もそんなことを言われたような気が……
 すると視界が反転した。

「んぐっ……る、類さん……?」

 繋がったまま、ソファに押し倒されたのだ。

「はは……中、ゆるっゆる……」

 類さんはゆっくりと腰を動かしながら微笑んだ。それから僕の片足を肩に高々と持ち上げる。

 つ、と背中に冷や汗が伝った。

「ま、待ってくらさい……いま、この体勢はっ……」

 力の入らない身体を少し横に傾けられた。

「かはっ……!」

 かと思うと、ズンッと激しく突き上げられ唾液が唇から溢れ落ちる。

「あーっ、あっ! あぁっ、やっ、ぁっ!」

 いつもはたどり着かないような部分まで暴かれ、僕は声にならない声を上げた。
 お腹の中で快楽が爆発し続け、忘我の境地に叩き落とされる。

「なあ、伝。ココまで入ってるのわかるか」

 激しく腰を突き入れながら、類さんがヘソの上の辺りをサワサワと撫でた。
 僕は泣いて首を振った。

「やっ、やだ、そんな、奥……ぉく、はっ……」

 怖い。
 容赦の無い連続絶頂に、どうにかなってしまいそうだった。
 身体が、頭が、ズクズクにとろけていく。

「ひ、死んじゃう、類さ……だめ、だめです……息できなっ、ふぐっ、うっ、ううっ」

 エラーが起こったみたいに、キモチイイが脳裏を埋め尽くす。
 僕は酸素を求めて喘いだ。

「ひっ、ひンッ、あ、やっ、いっ、そこっ、はっ、ぁ、類さ……ん、んん、い、すご、ぁ」

 世界が裏返った。
 何度も身体がバラバラになって、飴のように蕩けて、グツグツと意識が煮立っている。

「あーっ、あっ、あっ、また、また、ぼくっ……」

 ブルリと身体が震えて、またスカートが濡れた気配。

「可愛い……舌、出てる……」

 ちゅ、と類さんが僕の足にキスをした。

「は、ぁ……俺も、そろそろ……」

「イッて……類さん、早く、早くイッてくださいっ……」

 耳を掠めた声に僕は泣いて懇願する。

「なに? 終わりにしたい?」

「ぇ、あ――」

 怒濤の突き上げがピタリと止み、僕はパクパクと唇を開閉させた。
 どうしようもない切なさに、くしゃりと顔が歪んだ。
 早く解放されたいのに、いざ取り上げられると、胸を掻きむしりたくなるくらいに、もどかしい。

「や、やだ、やだっ、抜かないでっ……」

 僕は類さんを見上げ、形振り構わず希った。

「奥、くださ……奥、おく、欲し……」

「止めてって言ったり、奥欲しいって言ったり……伝はワガママだな」

 類さんが笑う。

「ふ、ぅうう、う、だ、って、わけわかんな……」

 次いで、彼は僕の足を抱え直すと再び動き出した。

「俺、もう少し頑張れそう……」

「ひ、ぁ、あっ、や、あっ、あっ……あぁあっ!」

 弛緩しながら、足先がビクビクと何度も宙を蹴る。

 気がつけば両足を抱えられていて、類さんに唇を塞がれていた。
 僕は夢見心地で、「そろそろイクから」という声を聞いた。

 しばらく部屋には荒い呼吸が落ちた。
 僕は指先ひとつ動かせず、ぼんやりと天井を見上げる。
 ぐっしょりと濡れたスカートがまとわりついていた。

 うなじに顔を埋めていた類さんが身体を起こし、僕を覗き込んでくる。
 僕らはキスをした。
 舌を擦り合わせて、彼の唾液をすする。
 背に手を回せばシャツが汗で湿っていた。

「せっかくキレイに化粧してたのに、顔グチャグチャだな」

 ウィッグもいつの間にか床に落ちている。
 きっと類さんから見たら僕は今、とてつもなく酷い有様だろう。

 恥ずかしくて居たたまれず顔を背ければ、彼は僕の頬をそっと両手で包み込み、鼻先に口付けた。

「片付けたら風呂入るか。一緒に」

 彼は慌てたように「あんたがイヤじゃなければ、だけど」と付け足す。

「は、入ります。一緒に入りたいです」

 僕は食い気味で答える。
 すると類さんは嬉しそうに顔を綻ばせた。
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