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chapter4

step.27* おまけ(1)

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『今夜は久々に3人で寝よっか♪』

 ニャン太さんとの約束通り、僕はお風呂に入ると類さんの部屋を訪れた。
 類さんはデスクにかじりついていて、ベッドに座ったニャン太さんは……不機嫌そうに類さんの背中を睨みつけていた。

「類ちゃん。デンデン来たよ」

「ちょっと待ってろ。今、書き出しうまくいったからザラッと書いちまいたい」

 こちらを見ずに類さんが答える。
 それにニャン太さんは枕を抱きしめると、勢いよく寝転がった。

「それ朝までコースじゃん!」

 ベッドが軋む。

「書けたら書けたでいいんだよ」

「不規則な生活はやめましょう、って病院でも言われてるのに……」

「いいんじゃないですか? 毎日ってわけじゃありませんし」

 そう言って、僕はニャン太さんの横に座る。

「デンデンはすぐそうやって甘やかす」と、頬を膨らませて、ニャン太さん。

 彼も大概だと思うけどな、なんて思いつつ類さんの背中を見つめる。

 暖房の空調音に、キーボードを叩く軽妙な音が重なった。
 寝る予定がなくなったのなら、僕は部屋に帰るべきかもしれない。せっかくノッているのに邪魔をしたら悪いだろう。

「あの、僕ーー」

 口を開いたのと、ニャン太さんに腕を引かれたのは同時だった。
 マットに寝転がれば、ニャン太さんに抱きつかれる。

「ニャン太さん? どうしました?」

「類ちゃん抜きで楽しもーと思って」

「えっ!?」

 唇を塞がれた。かと思えば、ザラついた舌が口の中に忍び込んでくる。

「んっ、ちょ、ニャン太さっ……ぼ、僕はそんなつもりはっ……」

 熱い舌に翻弄されながら首を振ると、下腹部をやさしくなぞり上げられた。

「……とか言って、ここすぐ固くなっちゃったね?」

「……っ」

 必死でニャン太さんの手を掴みながら、チラリと類さんの方を見やる。
 彼はとても集中しているようで、僕らの様子に気付いた気配はない。

「だ、ダメですよニャン太さん。類さん、今、お仕事中ですから……」

「一緒に寝るって約束の方が先だったでしょ」

「でも……」

「……わかった。デンデンがイかないで我慢できたら、触るのやめる。でも、イッちゃったら……」

「い、イッてしまったら……?」

 ゴクリと喉を鳴らせば、ニャン太さんはニコリと笑った。

「類ちゃんの後ろで、こっそりエッチなことしちゃう」

「こ、こっそりって……」

 ニャン太さんが上掛けを頭までかぶり、覆いかぶさってきた。
 シャツの下に熱い手が触れる。

 指先が脇腹をくすぐり、ゆっくりと上へ移動した。次いで、ぎゅむっと胸の中心をつままれる。

「はぁうっ」

 思わず声が漏れて、僕は慌てて手で唇を覆った。

「声我慢しないと、類ちゃんに気付かれちゃうよ?」

 シャツを持ち上げられて、上半身が晒される。
 ニャン太さんは勿体付けたように唇を開き舌を突き出すと、指で抓んだ突起をレロリと舐め上げた。

「ん、んんっ」

 吸って、唇で扱いて、甘噛みされる。
 久々の快感に頬が熱くなって、知れず腰が揺れた。

「可愛いねぇ、デンデン。乳首、ホント弱いんだから……」

「ニャン太さ……っ」

「知ってる? おちんち×だけでイクのって、年齢重ねるときつくなってくんだって。それが原因で男って性欲衰えちゃったりするらしいんだけど……デンデンは平気そうだね。乳首でこんなに気持ち良くなれるし、それに……お尻でもいっぱいイけるもんね?」

 胸を弄っていた手がお尻の割れ目を撫でたかと思うと、ツプ、と指先が中に入り込んでくる。

「ひゃっ……ぁ、だ、ダメですよ、ホントに、そこはっ……」

「なんでダメ? こんなに気持ち良さそうにキュンキュンしてるのに?」

 鼻先に熱い吐息が吹き掛かる。
 ニャン太さんの瞳の奥で情欲の炎が揺らめいている。僕は瞼をギュッと閉じた。

「あっ、あぁっ! 指、抜いて、ニャン太さっ……ん、んんっ、そこ、押さないで……」

 的確に快楽のスイッチをぐにぐに押されて、身体が強張った。
 イキたくなってしまう。
 でも、イッたら仕事する類さんの後ろでエッチなことを……って、もうしてないかこれ!?

「ニャン太さ……」

「大好きだよ、デンデン」

 唇が重なる。くちゅくちゅと舌を絡める淫らな音が耳に侵入してくる。
 下着の中で肉竿が痛いくらいに隆起して、ビクビクと震えている。

「んー、んっ、んんっ……」

 グリグリと熱く固い欲情が太股に押し付けられた。
 片方の手で下着を引っ張られ、屹立を握りしめられる。

「はぁ、ぁ、あ、ニャン太しゃ……」

 絶妙な強さで扱かれて、腰が砕けた。
 中を弄り回す指が2本から3本へと増え、奥が切なくなってくる。

「ダメです……ダメ……」

「欲しくなったら、言っていいんだからね?」

 バサッと上掛けが剥ぎ取られたのはその時だ。

「……ニャーンー太ーー」

「あ、あれっ!? 類ちゃんもう終わったの? お疲れ~」

「終わるかよっ!」

 ニャン太さんが押しやられる。
 お尻が喪失感を覚えて、穴口がヒクヒク震えた。

「人がマジメに仕事してりゃ、後ろでイチャつきやがって……」

「類ちゃんきたらすぐに仲良くできるように、準備してたんだよ。ね、デンデン?」

 僕は否定も肯定もせず、身体を丸めた。
 あまりに恥ずかしくて声が出ない。
 あ……危なかった。もう少しで挿れて欲しいって言いそうになってた。本当に僕は快楽に弱すぎる……

「……ちょっと待ってろ」

 類さんが鼻を鳴らしてデスクに向かい、引き出しから何か手にして戻ってきた。

「ニャン太、手、出して」

「わぁお。今日の類ちゃん大胆だね」

 ガチャンと音がする。
 驚いて見れば、ニャン太さんの手首には鈍色に輝く手錠がはまっていて、その鎖の部分はベッドに取り付けられていた。

「ちょ、類さ……手錠って……!?」

「それでそれで? これからどうするの?」

 驚く僕とは裏腹に、ニャン太さんは楽しそうに目を輝かせる。
 と、類さんは彼を跨いで移動し、僕の上に覆いかぶさってきた。

「んっ……ふぁ、あっ、はぁ……」

 口付けられる。
 うっとりと彼の整った顔を見上げれば、彼は再び僕にキスをした。ザラついた舌を擦り合わせ、ふたつの唾液が混ざり合う。

「……類ちゃん?」

 ニャン太さんの戸惑う声。
 それに、類さんは僕から唇を離すとニヤリと笑って彼を見た。

「お前はそこで放置プレイ」

 言って、彼は手錠の鍵をクルリと手の内で回すと僕の枕の下に忍ばせた。
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