17 / 211
chapter2
step.8-2 5つのグラスとおやすみのキス
しおりを挟む
* * *
シャワーを浴びる順番は、ジャンケンで決めた。
「お先にいただきました」
「んー」
タオルで髪を拭いながら脱衣所を出ると、入れ替わりで類さんがソファを立つ。
それと同時に、ニャン太さんがソファの背もたれに飛び乗り、手にしていたドライヤーで自分の足の間を示した。
「デンデン、ここ。ここに座って。髪の毛、乾かしてあげる」
「自分でできますよ」
「いいからいいから」
気恥ずかしく思いながらも、言われた通りにすれば、熱を帯びた風と共に髪をワシャワシャとかき混ぜられた。
帝人さんは深くソファに腰を下ろして、本を読んでいた。その手は珍しく手袋をしていない。
蒼悟さんの姿はなかった。シャワーを浴びてすぐに自室に引き払ってしまったようだった。
ニャン太さんの柔らかな手が優しく髪を梳く。
人に髪を乾かして貰ったことなんてなかったから、こんなに心地良いものだなんて知らなかったな……。
……だんだんと眠くなってきた。
うとうとして、ハッと顔を上げる。
またうとうとしてくる。
気が付けばドライヤーの音は止まっていて、いつの間にか戻ってきた類さんが楽しげにこちらを見ていた。
ワインレッドの髪はしっとりしていて、長袖のルームウェアの肩口が少し濡れている。
「あ、あの、僕……っ」
「可愛い間抜け面をごちそうさん」
類さんがクスクス笑う。
火が付いたように顔が熱くなった。
ヨダレとか垂らしてなかっただろうか……思わず口元を拭ってしまう。
「次は類ちゃん乾かしてあげるよ」
「おー、頼むわ」
電源コードをまとめていたニャン太さんが、軽い足取りで類さんの方へ移動した。
「そいやさ。伝は学校、月金?」
ニャン太さんに髪を乾かして貰いながら、類さんが口を開いた。
「はい。ほとんど午前中で終わりですけど」
「じゃあ昼には帰ってくるのか」
「いえ……そのまま学校で次の日の準備をしてバイトに行きます」
「あー、週4だっけ。塾講師」
「え。めっちゃ大変じゃん」
「社会人に比べたら、文系の学生なんて気楽なもんですよ」
僕は肩をすくめる。
博士課程の先輩方は別として、修士はそこまで切羽詰まっていない。いや、切羽詰めろという話なのかもしれないが。
「それは職種によるんじゃない? ボクなんてチャラチャラ生きてるし」
「ニャン太さんは何のお仕事してるんですか?」
問うと、彼はドライヤーの電源を一旦切って、もう片方の手で拳を作ると何かを吸う仕草をした。
それから、フゥッと宙空に息を吐く。
何の仕草だろう?
小首を傾げれば、ニャン太さんはニコリと笑って「水タバコ屋さん」と答えた。
「水タバコ……?」
耳慣れない単語に、傾げる首の角度が更に増す。
「シーシャって知らない? ダラ~ッとフレーバーのついた煙を楽しむんだけど」
「???」
「チョイ待って。……こんなの」
ニャン太さんはポケットから携帯を取り出すと、何度かタップしてからローテーブルにそれを置いた。
ディスプレイには、見覚えのない花瓶のようなものと、それを楽しんでいるらしき人が映っていた。
アラビアンなテイストの花瓶だ。いや、花瓶よりもだいぶ高さがあるか。
そのオシャレなガラスの入れ物には水が入っていて、そこから球を連ねたような形状の銀のパイプが伸びている。上部には同色の皿が設置されていて、炭が置いてあった。
パイプから伸びたチューブは、派手派手しい色合いをしている。
「写真で伝えるのは無理なんじゃねぇか」
「あー、そうかも?
ニャン太さんは肩を竦めると、再びドライヤーを繰り始めた。
「デンデン、今度お店来てよ。ご馳走するからさ」
「は、はい、是非」
「ニャン太のタバコは旨いよ。凄く。他の店で吸えなくなる」
類さんが心地良さそうに目を閉じて言った。
「愛情たっぷり込めてるからね~」
よくよく話を聞けば、彼はフレーバーの買い付けに海外にも行くらしい。
「ドバイとか、イランとか、トルコとか。アメリカも行くけど中東が多いかな。安いんだもん」
僕とさして年は変わらないはずなのに、自分の店を持っている。その上、海外を飛び回っているなんて……バイタリティの高さに感心してしまう。
「買い付けついでに、面白い飴買って来てるんだ。好きに舐めていいからね」
彼はそう言って、テーブルの中央に置かれた青の缶を指さした。
得体が知れなかったが、中身は飴らしい。
「どーせなら、チョコ買って来いって言ってんだけどな」
「チョコは溶けるじゃん」
「飴だって溶けるだろ」
「まあ、そうなんだけど」
ニャン太さんは類さんの髪を手で整えてからドライヤーのコードを抜いた。
その時、ズボンとタオルを首にかけただけの姿で、帝人さんがこちらに歩いてきた。
「まだ起きてたの? 伝君は学校午後から?」
「いえ。そろそろ寝ます」
「そうした方がいいよ。ただでさえ引っ越しで疲れてるんだしね」
「帝人も髪乾かしてあげようか?」
「平気。片付けついでに、向こうで自分でやるから」
ニャン太さんからドライヤーを受け取って、帝人さんは洗面所にUターンした。
「じゃ、僕もシャワー浴びよっと。ふたりとも、また明日ね」
「はい。おやすみなさい」
ニャン太さんが帝人さんを追う。
その背を見送ってから、僕は改めて類さんに頭を下げた。
「類さんも。おやすみなさい」
「おやすみって……ちょっと待て。あんた何処で寝るつもりだ?」
顔を上げると、類さんが訝しげにしている。
「自分の部屋ですが」
「まだ片付いてないのに?」
「ベッドは使えますよ」
「却下。掃除もしてねぇし、喉痛くなったりしたら困るだろ。あんたは、しばらく俺の部屋で寝ること」
「で、ですが……」
ちらりとニャン太さんの方を見やる。
今の会話は、彼にも聞こえているはずだ。
いいのか? 本当に気にくわないとかないのか?
思えば、今日一日みんな凄く優しかった。
しかも僕は誰より類さんとくっついていた気がする。
実は、遠慮してたりするんじゃないのか。本当は、類さんと過ごしたいと思っているんじゃないのか……?
まだ、彼らの関係性を把握しきれていない僕は途端に不安になった。
「伝?」
類さんの手が頬に触れる。
僕はビクリと身体を跳ねさせると、咄嗟に口を開いた。
「ニャ……ニャン太さん!!」
「ん? なに?」
「ニャン太さんも一緒に寝ましょう!?」
振り返った彼に、僕は言っていた。
不自然な間が落ちる。
それから滑稽なほどズレたタイミングで、ニャン太さんが目を丸くした。
「ええっ!?」
自分でも意味不明だった。
身を引く気はないくせに、独り占めする気概もないなんて。
「だ……ダメ、でしょうか……?」
縋るように問えば、ニャン太さんは戸惑いながらも頷いてくれた。
「べ、別にいいけど……とりあえず、シャワー浴びたら部屋行くね」
「は、はい……!」
もう僕の幸福ゲージは限界を突破している。
オーバーした分は、ラップをかけて保存して、後で足りなくなったら取り込みたい。
……そんなことを「幸せ」で出来るかは不明だが。
ひとまず、類さんを独り占めし続けることは避けられそうだ。
僕は、肺の中が空っぽになるような安堵の溜息をついた。
と、後ろで類さんがフッと吹きだした。
「……大胆なヤツ」
「はい?」
意味が分からず類さんを見やる。
彼は僕の肩を掴むと、耳にうんと唇を寄せてきた。
「アイツ激しいぞ?」
激しい? 何のことをーー
「そっ……そんなつもりはっ……!!!」
ない。だっ、断じて、ない!!
くっくっと声を出して類さんが肩を揺らす。
僕は青くなったり、赤くなったりしながらその場に立ち尽くした。
シャワーを浴びる順番は、ジャンケンで決めた。
「お先にいただきました」
「んー」
タオルで髪を拭いながら脱衣所を出ると、入れ替わりで類さんがソファを立つ。
それと同時に、ニャン太さんがソファの背もたれに飛び乗り、手にしていたドライヤーで自分の足の間を示した。
「デンデン、ここ。ここに座って。髪の毛、乾かしてあげる」
「自分でできますよ」
「いいからいいから」
気恥ずかしく思いながらも、言われた通りにすれば、熱を帯びた風と共に髪をワシャワシャとかき混ぜられた。
帝人さんは深くソファに腰を下ろして、本を読んでいた。その手は珍しく手袋をしていない。
蒼悟さんの姿はなかった。シャワーを浴びてすぐに自室に引き払ってしまったようだった。
ニャン太さんの柔らかな手が優しく髪を梳く。
人に髪を乾かして貰ったことなんてなかったから、こんなに心地良いものだなんて知らなかったな……。
……だんだんと眠くなってきた。
うとうとして、ハッと顔を上げる。
またうとうとしてくる。
気が付けばドライヤーの音は止まっていて、いつの間にか戻ってきた類さんが楽しげにこちらを見ていた。
ワインレッドの髪はしっとりしていて、長袖のルームウェアの肩口が少し濡れている。
「あ、あの、僕……っ」
「可愛い間抜け面をごちそうさん」
類さんがクスクス笑う。
火が付いたように顔が熱くなった。
ヨダレとか垂らしてなかっただろうか……思わず口元を拭ってしまう。
「次は類ちゃん乾かしてあげるよ」
「おー、頼むわ」
電源コードをまとめていたニャン太さんが、軽い足取りで類さんの方へ移動した。
「そいやさ。伝は学校、月金?」
ニャン太さんに髪を乾かして貰いながら、類さんが口を開いた。
「はい。ほとんど午前中で終わりですけど」
「じゃあ昼には帰ってくるのか」
「いえ……そのまま学校で次の日の準備をしてバイトに行きます」
「あー、週4だっけ。塾講師」
「え。めっちゃ大変じゃん」
「社会人に比べたら、文系の学生なんて気楽なもんですよ」
僕は肩をすくめる。
博士課程の先輩方は別として、修士はそこまで切羽詰まっていない。いや、切羽詰めろという話なのかもしれないが。
「それは職種によるんじゃない? ボクなんてチャラチャラ生きてるし」
「ニャン太さんは何のお仕事してるんですか?」
問うと、彼はドライヤーの電源を一旦切って、もう片方の手で拳を作ると何かを吸う仕草をした。
それから、フゥッと宙空に息を吐く。
何の仕草だろう?
小首を傾げれば、ニャン太さんはニコリと笑って「水タバコ屋さん」と答えた。
「水タバコ……?」
耳慣れない単語に、傾げる首の角度が更に増す。
「シーシャって知らない? ダラ~ッとフレーバーのついた煙を楽しむんだけど」
「???」
「チョイ待って。……こんなの」
ニャン太さんはポケットから携帯を取り出すと、何度かタップしてからローテーブルにそれを置いた。
ディスプレイには、見覚えのない花瓶のようなものと、それを楽しんでいるらしき人が映っていた。
アラビアンなテイストの花瓶だ。いや、花瓶よりもだいぶ高さがあるか。
そのオシャレなガラスの入れ物には水が入っていて、そこから球を連ねたような形状の銀のパイプが伸びている。上部には同色の皿が設置されていて、炭が置いてあった。
パイプから伸びたチューブは、派手派手しい色合いをしている。
「写真で伝えるのは無理なんじゃねぇか」
「あー、そうかも?
ニャン太さんは肩を竦めると、再びドライヤーを繰り始めた。
「デンデン、今度お店来てよ。ご馳走するからさ」
「は、はい、是非」
「ニャン太のタバコは旨いよ。凄く。他の店で吸えなくなる」
類さんが心地良さそうに目を閉じて言った。
「愛情たっぷり込めてるからね~」
よくよく話を聞けば、彼はフレーバーの買い付けに海外にも行くらしい。
「ドバイとか、イランとか、トルコとか。アメリカも行くけど中東が多いかな。安いんだもん」
僕とさして年は変わらないはずなのに、自分の店を持っている。その上、海外を飛び回っているなんて……バイタリティの高さに感心してしまう。
「買い付けついでに、面白い飴買って来てるんだ。好きに舐めていいからね」
彼はそう言って、テーブルの中央に置かれた青の缶を指さした。
得体が知れなかったが、中身は飴らしい。
「どーせなら、チョコ買って来いって言ってんだけどな」
「チョコは溶けるじゃん」
「飴だって溶けるだろ」
「まあ、そうなんだけど」
ニャン太さんは類さんの髪を手で整えてからドライヤーのコードを抜いた。
その時、ズボンとタオルを首にかけただけの姿で、帝人さんがこちらに歩いてきた。
「まだ起きてたの? 伝君は学校午後から?」
「いえ。そろそろ寝ます」
「そうした方がいいよ。ただでさえ引っ越しで疲れてるんだしね」
「帝人も髪乾かしてあげようか?」
「平気。片付けついでに、向こうで自分でやるから」
ニャン太さんからドライヤーを受け取って、帝人さんは洗面所にUターンした。
「じゃ、僕もシャワー浴びよっと。ふたりとも、また明日ね」
「はい。おやすみなさい」
ニャン太さんが帝人さんを追う。
その背を見送ってから、僕は改めて類さんに頭を下げた。
「類さんも。おやすみなさい」
「おやすみって……ちょっと待て。あんた何処で寝るつもりだ?」
顔を上げると、類さんが訝しげにしている。
「自分の部屋ですが」
「まだ片付いてないのに?」
「ベッドは使えますよ」
「却下。掃除もしてねぇし、喉痛くなったりしたら困るだろ。あんたは、しばらく俺の部屋で寝ること」
「で、ですが……」
ちらりとニャン太さんの方を見やる。
今の会話は、彼にも聞こえているはずだ。
いいのか? 本当に気にくわないとかないのか?
思えば、今日一日みんな凄く優しかった。
しかも僕は誰より類さんとくっついていた気がする。
実は、遠慮してたりするんじゃないのか。本当は、類さんと過ごしたいと思っているんじゃないのか……?
まだ、彼らの関係性を把握しきれていない僕は途端に不安になった。
「伝?」
類さんの手が頬に触れる。
僕はビクリと身体を跳ねさせると、咄嗟に口を開いた。
「ニャ……ニャン太さん!!」
「ん? なに?」
「ニャン太さんも一緒に寝ましょう!?」
振り返った彼に、僕は言っていた。
不自然な間が落ちる。
それから滑稽なほどズレたタイミングで、ニャン太さんが目を丸くした。
「ええっ!?」
自分でも意味不明だった。
身を引く気はないくせに、独り占めする気概もないなんて。
「だ……ダメ、でしょうか……?」
縋るように問えば、ニャン太さんは戸惑いながらも頷いてくれた。
「べ、別にいいけど……とりあえず、シャワー浴びたら部屋行くね」
「は、はい……!」
もう僕の幸福ゲージは限界を突破している。
オーバーした分は、ラップをかけて保存して、後で足りなくなったら取り込みたい。
……そんなことを「幸せ」で出来るかは不明だが。
ひとまず、類さんを独り占めし続けることは避けられそうだ。
僕は、肺の中が空っぽになるような安堵の溜息をついた。
と、後ろで類さんがフッと吹きだした。
「……大胆なヤツ」
「はい?」
意味が分からず類さんを見やる。
彼は僕の肩を掴むと、耳にうんと唇を寄せてきた。
「アイツ激しいぞ?」
激しい? 何のことをーー
「そっ……そんなつもりはっ……!!!」
ない。だっ、断じて、ない!!
くっくっと声を出して類さんが肩を揺らす。
僕は青くなったり、赤くなったりしながらその場に立ち尽くした。
0
お気に入りに追加
360
あなたにおすすめの小説
挙式後すぐに離婚届を手渡された私は、この結婚は予め捨てられることが確定していた事実を知らされました
結城芙由奈
恋愛
【結婚した日に、「君にこれを預けておく」と離婚届を手渡されました】
今日、私は子供の頃からずっと大好きだった人と結婚した。しかし、式の後に絶望的な事を彼に言われた。
「ごめん、本当は君とは結婚したくなかったんだ。これを預けておくから、その気になったら提出してくれ」
そう言って手渡されたのは何と離婚届けだった。
そしてどこまでも冷たい態度の夫の行動に傷つけられていく私。
けれどその裏には私の知らない、ある深い事情が隠されていた。
その真意を知った時、私は―。
※暫く鬱展開が続きます
※他サイトでも投稿中
くまさんのマッサージ♡
はやしかわともえ
BL
ほのぼの日常。ちょっとえっちめ。
2024.03.06
閲覧、お気に入りありがとうございます。
m(_ _)m
もう一本書く予定です。時間が掛かりそうなのでお気に入りして頂けると便利かと思います。よろしくお願い致します。
2024.03.10
完結しました!読んで頂きありがとうございます。m(_ _)m
今月25日(3/25)のピクトスクエア様のwebイベントにてこの作品のスピンオフを頒布致します。詳細はまたお知らせ致します。
2024.03.19
https://pictsquare.net/skaojqhx7lcbwqxp8i5ul7eqkorx4foy
イベントページになります。
25日0時より開始です!
※補足
サークルスペースが確定いたしました。
一次創作2: え5
にて出展させていただいてます!
2024.10.28
11/1から開催されるwebイベントにて、新作スピンオフを書いています。改めてお知らせいたします。
2024.11.01
https://pictsquare.net/4g1gw20b5ptpi85w5fmm3rsw729ifyn2
本日22時より、イベントが開催されます。
よろしければ遊びに来てください。
虐げられ聖女(男)なので辺境に逃げたら溺愛系イケメン辺境伯が待ち構えていました【本編完結】(異世界恋愛オメガバース)
美咲アリス
BL
虐待を受けていたオメガ聖女のアレクシアは必死で辺境の地に逃げた。そこで出会ったのは逞しくてイケメンのアルファ辺境伯。「身バレしたら大変だ」と思ったアレクシアは芝居小屋で見た『悪役令息キャラ』の真似をしてみるが、どうやらそれが辺境伯の心を掴んでしまったようで、ものすごい溺愛がスタートしてしまう。けれども実は、辺境伯にはある考えがあるらしくて⋯⋯? オメガ聖女とアルファ辺境伯のキュンキュン異世界恋愛です、よろしくお願いします^_^ 本編完結しました、特別編を連載中です!
エロゲ世界のモブに転生したオレの一生のお願い!
たまむし
BL
大学受験に失敗して引きこもりニートになっていた湯島秋央は、二階の自室から転落して死んだ……はずが、直前までプレイしていたR18ゲームの世界に転移してしまった!
せっかくの異世界なのに、アキオは主人公のイケメン騎士でもヒロインでもなく、ゲーム序盤で退場するモブになっていて、いきなり投獄されてしまう。
失意の中、アキオは自分の身体から大事なもの(ち●ちん)がなくなっていることに気付く。
「オレは大事なものを取り戻して、エロゲの世界で女の子とエッチなことをする!」
アキオは固い決意を胸に、獄中で知り合った男と協力して牢を抜け出し、冒険の旅に出る。
でも、なぜかお色気イベントは全部男相手に発生するし、モブのはずが世界の命運を変えるアイテムを手にしてしまう。
ちん●んと世界、男と女、どっちを選ぶ? どうする、アキオ!?
完結済み番外編、連載中続編があります。「ファタリタ物語」でタグ検索していただければ出てきますので、そちらもどうぞ!
※同一内容をムーンライトノベルズにも投稿しています※
pixivリクエストボックスでイメージイラストを依頼して描いていただきました。
https://www.pixiv.net/artworks/105819552
公爵様、契約通り、跡継ぎを身籠りました!-もう契約は満了ですわよ・・・ね?ちょっと待って、どうして契約が終わらないんでしょうかぁぁ?!-
猫まんじゅう
恋愛
そう、没落寸前の実家を助けて頂く代わりに、跡継ぎを産む事を条件にした契約結婚だったのです。
無事跡継ぎを妊娠したフィリス。夫であるバルモント公爵との契約達成は出産までの約9か月となった。
筈だったのです······が?
◆◇◆
「この結婚は契約結婚だ。貴女の実家の財の工面はする。代わりに、貴女には私の跡継ぎを産んでもらおう」
拝啓、公爵様。財政に悩んでいた私の家を助ける代わりに、跡継ぎを産むという一時的な契約結婚でございましたよね・・・?ええ、跡継ぎは産みました。なぜ、まだ契約が完了しないんでしょうか?
「ちょ、ちょ、ちょっと待ってくださいませええ!この契約!あと・・・、一体あと、何人子供を産めば契約が満了になるのですッ!!?」
溺愛と、悪阻(ツワリ)ルートは二人がお互いに想いを通じ合わせても終わらない?
◆◇◆
安心保障のR15設定。
描写の直接的な表現はありませんが、”匂わせ”も気になる吐き悪阻体質の方はご注意ください。
ゆるゆる設定のコメディ要素あり。
つわりに付随する嘔吐表現などが多く含まれます。
※妊娠に関する内容を含みます。
【2023/07/15/9:00〜07/17/15:00, HOTランキング1位ありがとうございます!】
こちらは小説家になろうでも完結掲載しております(詳細はあとがきにて、)
手切れ金
のらねことすていぬ
BL
貧乏貴族の息子、ジゼルはある日恋人であるアルバートに振られてしまう。手切れ金を渡されて完全に捨てられたと思っていたが、なぜかアルバートは彼のもとを再び訪れてきて……。
貴族×貧乏貴族
獅子帝の宦官長
ごいち
BL
皇帝ラシッドは体格も精力も人並外れているせいで、夜伽に呼ばれた側女たちが怯えて奉仕にならない。
苛立った皇帝に、宦官長のイルハリムは後宮の管理を怠った罰として閨の相手を命じられてしまう。
強面巨根で情愛深い攻×一途で大人しそうだけど隠れ淫乱な受
R18:レイプ・モブレ・SM的表現・暴力表現多少あります。
2022/12/23 エクレア文庫様より電子版・紙版の単行本発売されました
電子版 https://www.cmoa.jp/title/1101371573/
紙版 https://comicomi-studio.com/goods/detail?goodsCd=G0100914003000140675
単行本発売記念として、12/23に番外編SS2本を投稿しております
良かったら獅子帝の世界をお楽しみください
ありがとうございました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる