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フェリーチェ女学院
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「ねえ、ねえ、あの話って本当なのかしら」
「あの話ってなんですの?」
「あら、ご存じありませんの」
「ええ、噂話は余り嗜みませんわ」
「たわいの無い噂話ならそれでもよろしいでしょうけど、本当にご存じありませんの?
殿方がフェリーチェに転校してくるという噂を?」
「ええっ、冗談ですよね」
「それが、冗談では無いらしいんです」
いつもは静かな教室が今日はあちらこちらで交わされる会話のせいでざわめいている。
でも、それも仕方の無いことかもしれない。
なにしろお嬢様方の花園に男が紛れ込むという話なのだから。
「でも、なんで殿方がフェリーチェに転校できるのでしょうか?
流石にありえませんわよね」
「それがなんでもとても優秀なスポーツトレーナーとして有名な方らしいですわよ」
「それで転校が認められたのですか??」
「あら、それではスポーツ特待性の皆様のクラスに入られるのですね」
「なら、少しは安心ですわね」
「ええ、殿方と一緒に学ぶなんて想像もできませんもの」
そんな会話を咎めるような声が教室に響き渡る.
「どうしました、今日は少し教室が騒ついてますね」
「キャ、先生、おはようございます」
男が転校してくるという噂話に興じていた生徒達は担任の山崎恵子が教室に入ってきたことにさえ気づいていなかったようだ。
「はい、おはようございます。
みなさん、少し静かになりましょうか」
恵子の言葉で教室に静けさが戻る。
「今日はみなさんのクラスに新しいお友達が加わりますよ」
「ええっ、転校生ってスポーツ特待性のクラスじゃないんですの」
「うそ、なんで」
恵子が入ってきたことで静かになった教室が再び騒めき出す。
「みなさん、私語は慎んでください。
大和誠くん、入ってきてください」
恵子の声に応えて扉を開けて入ってくる転校生。
「ええええ」
「うそ、うそでしょ、本当に男なんだ」
なんで男子が入ってくるのか?
あまりの衝撃にフェリーチェ女学院の生徒としてはあるまじき悲鳴のような声が上がる。
「はい、みなさん静かにしてください。
常に淑女たれという我が校の校風を思い出してくださいね。
それに大和くんもみなさんの淑女らしからぬ態度に驚いてますよ」
先生の言葉で我に帰る女生徒達。
でも、驚きは収まらない。
「先生、フェリーチェの学び舎になんで男が入り込むんですか」
顔を引きつらせながらも抗議の声を上げるのはクラス委員の天道葵だ。
「そうですね。
いきなりでしたから、少し驚かせすぎたかもしれませんね」
恵子はクラスを見渡して言葉を続ける。
「確かに今まではフェリーチェ女学院には男子生徒はいませんでした。
でも、何事にも初めてはあるのです。
その初めてとして、これからはみなさんは大和くんという男子生徒と机を並べて学ぶこととなります。
大きな変化ですよね。
でも、皆様は何時いかなる時でも淑女としての恥ずかしくない振る舞いをできるよう教育を受けています。
ですから大和くんを問題なく受け入れられるはずです」
そう、ここは淑女の花園。
普通の女子高のように男の目が無いからといってはしたない格好をするような生徒はひとりもいないのだ。
少なくとも恵子はそう考えている。
「先生、論点をずらさないでください!
フェリーチェは女学院です。
なんで男子生徒がクラスメートになるのですか?」
「葵さん、少し急ぎすぎですわ。
これからその話をしますから少し静かにしてください」
恵子は葵の暴走を抑えるように強い眼差しで葵を見つめる。
「さて、大和くんは高校生でありながら類い稀な能力を持つスポーツトレーナーとして有名な存在なのです。
その能力を持ってフェリーチェの幾多のタレントを世界に羽ばたかせる。
そのために当院唯一の男子生徒として編入が認められたのです」
「で、でも、それならばスポーツ特待生クラスに編入するのではないでしょうか?」
「普通であれば、そうなのですが、大和くんは頭脳明晰で一流大学への進学を望まれているのです。
ですから、この特進クラスに編入することになったのです」
そう、お嬢様学校として有名なフェリーチェ女学院も最近は淑女教育に加えて文武両面でも力を入れており、知に優れる生徒を集めた特進クラスがあるのだ
「で、でも、先生、私、殿方と一緒なんて……」
ざわざわ、ざわざわ。
騒めきの中、恵子と生徒達のやりとりは続いている。
そんな様子を面白そうに眺めている大和誠。
そろそろ落ち着かせるかな。
誠が能力を発揮する。
そうするとさっきまでの女生徒達の反発が徐々に弱まり始める。
このぐらいかな、俺に対する敵意を少しだけ抑えてみる。完全に従順にしてしまったら今までと変わり無いしな
自分に跪き、なんでも言いなりになる女達に飽きて始めた遊びだからな。
俺のことを睨むぐらいでちょうどいいよな。
「先生、納得は出来ませんが受け入れざるえないことは承知しました」
俺のことを睨みながら言うなよ!
でも美少女に睨まれるのも悪く無いな。
葵を眺めながら誠は思う。
腰まで届きそうな黒髪とスレンダーな体つき。
女として開花する前の蕾のような体には成熟した女とは別の色気を感じるな。
そして俺を睨む目には強い意志が込められている。
特筆すべき目力だな。
和弓を引き絞り俺を射殺そうとしているかのように感じさせる殺気をみなぎらせている。
良い、凄く良いよ!
そんな女を時間を掛けて落として行く。
あ~、楽しみだ。
思いつきで始めた若返りだが思った以上に楽しめそうだな。
女子高に唯一の男子生徒として転入するというアイデアも当たりだな.
大和は自分に向けられる戸惑いと敵意が入り混じったクラスメート達からの視線を感じながらそう思う。
青い果実も良いものだな。
控えめな胸も新鮮だしな。
はたして制服を脱がせたらどんな裸体が現れるのだろうか。
今の敵意が残ったままで裸に剥くのも面白いかもな。
こうしてフェリーチェ女学院はこの日、大和誠という怪物を向かい入れてしまう。
深窓のお嬢様達はこうして大和という怪物に狩られる獲物となったのだ。
能力で自分の思うままになることには飽きた。
その思いとは裏腹に誠は好きなように能力を使っている。
そうでなければ、天下のフェリーチェ女学院に男が転校できるわけなど無いのだから。
そして誠の手でフェリーチェ女学院は変質への道を歩みだすのだ。
「あの話ってなんですの?」
「あら、ご存じありませんの」
「ええ、噂話は余り嗜みませんわ」
「たわいの無い噂話ならそれでもよろしいでしょうけど、本当にご存じありませんの?
殿方がフェリーチェに転校してくるという噂を?」
「ええっ、冗談ですよね」
「それが、冗談では無いらしいんです」
いつもは静かな教室が今日はあちらこちらで交わされる会話のせいでざわめいている。
でも、それも仕方の無いことかもしれない。
なにしろお嬢様方の花園に男が紛れ込むという話なのだから。
「でも、なんで殿方がフェリーチェに転校できるのでしょうか?
流石にありえませんわよね」
「それがなんでもとても優秀なスポーツトレーナーとして有名な方らしいですわよ」
「それで転校が認められたのですか??」
「あら、それではスポーツ特待性の皆様のクラスに入られるのですね」
「なら、少しは安心ですわね」
「ええ、殿方と一緒に学ぶなんて想像もできませんもの」
そんな会話を咎めるような声が教室に響き渡る.
「どうしました、今日は少し教室が騒ついてますね」
「キャ、先生、おはようございます」
男が転校してくるという噂話に興じていた生徒達は担任の山崎恵子が教室に入ってきたことにさえ気づいていなかったようだ。
「はい、おはようございます。
みなさん、少し静かになりましょうか」
恵子の言葉で教室に静けさが戻る。
「今日はみなさんのクラスに新しいお友達が加わりますよ」
「ええっ、転校生ってスポーツ特待性のクラスじゃないんですの」
「うそ、なんで」
恵子が入ってきたことで静かになった教室が再び騒めき出す。
「みなさん、私語は慎んでください。
大和誠くん、入ってきてください」
恵子の声に応えて扉を開けて入ってくる転校生。
「ええええ」
「うそ、うそでしょ、本当に男なんだ」
なんで男子が入ってくるのか?
あまりの衝撃にフェリーチェ女学院の生徒としてはあるまじき悲鳴のような声が上がる。
「はい、みなさん静かにしてください。
常に淑女たれという我が校の校風を思い出してくださいね。
それに大和くんもみなさんの淑女らしからぬ態度に驚いてますよ」
先生の言葉で我に帰る女生徒達。
でも、驚きは収まらない。
「先生、フェリーチェの学び舎になんで男が入り込むんですか」
顔を引きつらせながらも抗議の声を上げるのはクラス委員の天道葵だ。
「そうですね。
いきなりでしたから、少し驚かせすぎたかもしれませんね」
恵子はクラスを見渡して言葉を続ける。
「確かに今まではフェリーチェ女学院には男子生徒はいませんでした。
でも、何事にも初めてはあるのです。
その初めてとして、これからはみなさんは大和くんという男子生徒と机を並べて学ぶこととなります。
大きな変化ですよね。
でも、皆様は何時いかなる時でも淑女としての恥ずかしくない振る舞いをできるよう教育を受けています。
ですから大和くんを問題なく受け入れられるはずです」
そう、ここは淑女の花園。
普通の女子高のように男の目が無いからといってはしたない格好をするような生徒はひとりもいないのだ。
少なくとも恵子はそう考えている。
「先生、論点をずらさないでください!
フェリーチェは女学院です。
なんで男子生徒がクラスメートになるのですか?」
「葵さん、少し急ぎすぎですわ。
これからその話をしますから少し静かにしてください」
恵子は葵の暴走を抑えるように強い眼差しで葵を見つめる。
「さて、大和くんは高校生でありながら類い稀な能力を持つスポーツトレーナーとして有名な存在なのです。
その能力を持ってフェリーチェの幾多のタレントを世界に羽ばたかせる。
そのために当院唯一の男子生徒として編入が認められたのです」
「で、でも、それならばスポーツ特待生クラスに編入するのではないでしょうか?」
「普通であれば、そうなのですが、大和くんは頭脳明晰で一流大学への進学を望まれているのです。
ですから、この特進クラスに編入することになったのです」
そう、お嬢様学校として有名なフェリーチェ女学院も最近は淑女教育に加えて文武両面でも力を入れており、知に優れる生徒を集めた特進クラスがあるのだ
「で、でも、先生、私、殿方と一緒なんて……」
ざわざわ、ざわざわ。
騒めきの中、恵子と生徒達のやりとりは続いている。
そんな様子を面白そうに眺めている大和誠。
そろそろ落ち着かせるかな。
誠が能力を発揮する。
そうするとさっきまでの女生徒達の反発が徐々に弱まり始める。
このぐらいかな、俺に対する敵意を少しだけ抑えてみる。完全に従順にしてしまったら今までと変わり無いしな
自分に跪き、なんでも言いなりになる女達に飽きて始めた遊びだからな。
俺のことを睨むぐらいでちょうどいいよな。
「先生、納得は出来ませんが受け入れざるえないことは承知しました」
俺のことを睨みながら言うなよ!
でも美少女に睨まれるのも悪く無いな。
葵を眺めながら誠は思う。
腰まで届きそうな黒髪とスレンダーな体つき。
女として開花する前の蕾のような体には成熟した女とは別の色気を感じるな。
そして俺を睨む目には強い意志が込められている。
特筆すべき目力だな。
和弓を引き絞り俺を射殺そうとしているかのように感じさせる殺気をみなぎらせている。
良い、凄く良いよ!
そんな女を時間を掛けて落として行く。
あ~、楽しみだ。
思いつきで始めた若返りだが思った以上に楽しめそうだな。
女子高に唯一の男子生徒として転入するというアイデアも当たりだな.
大和は自分に向けられる戸惑いと敵意が入り混じったクラスメート達からの視線を感じながらそう思う。
青い果実も良いものだな。
控えめな胸も新鮮だしな。
はたして制服を脱がせたらどんな裸体が現れるのだろうか。
今の敵意が残ったままで裸に剥くのも面白いかもな。
こうしてフェリーチェ女学院はこの日、大和誠という怪物を向かい入れてしまう。
深窓のお嬢様達はこうして大和という怪物に狩られる獲物となったのだ。
能力で自分の思うままになることには飽きた。
その思いとは裏腹に誠は好きなように能力を使っている。
そうでなければ、天下のフェリーチェ女学院に男が転校できるわけなど無いのだから。
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