泥まみれの宝石〜潔癖皇子に恋した奴隷〜

ケイはスルタンの奴隷だ。徒花達が妍を競う後宮で、スルタンの最愛として十年君臨し続けた奴隷だ。スルタンの命じるままに、男も女も体でもてなし続けた奴隷だ。美食も美酒も飽き、手に入らないものはない日々のなかで、飽き飽きと暮らしていた。しかし、ある日。

「なんて美しい髪……。我が君、私、あの者が欲しゅうございます」

美しい金の髪に目を奪われたケイは、自分の所有者であるスルタンに『ソレ』が欲しいと強請った。ところが。

「あやつは隣国の皇子だ。なかなか難しかろう。……だが、あやつが気に入ったのならば、そなたをあやつに贈ってやってもよいぞ?」
「……え?」

スルタンの気まぐれで下賜されることになったケイに、美貌の皇子は氷のような視線を寄越した。

「穢らわしい女め、私の愛を求めるな。私は皇家に穢れた血を混ぜる気はない」
「おほほ、可愛らしいお方。……もとより私は夜のための道具。ご安心なされませ。子を産みたいなど、思ったこともございません」

禁欲的で潔癖な皇子と、貢物となるためだけに存在してきた寵姫のお話。
果たして二人が心を通じ合う日は来るのか。

ムーンライトノベルズに同名の類似作(BL)を公開していますが、別物です。
24h.ポイント 7pt
0
小説 34,325 位 / 192,156件 恋愛 15,476 位 / 57,252件

あなたにおすすめの小説

隠れ御曹司の手加減なしの独占溺愛

冬野まゆ
恋愛
老舗ホテルのブライダル部門で、チーフとして働く二十七歳の香奈恵。ある日、仕事でピンチに陥った彼女は、一日だけ恋人のフリをするという条件で、有能な年上の部下・雅之に助けてもらう。ところが約束の日、香奈恵の前に現れたのは普段の冴えない彼とは似ても似つかない、甘く色気のある極上イケメン! 突如本性を露わにした彼は、なんと自分の両親の前で香奈恵にプロポーズした挙句、あれよあれよと結婚前提の恋人になってしまい――!? 「誰よりも大事にするから、俺と結婚してくれ」恋に不慣れな不器用OLと身分を隠したハイスペック御曹司の、問答無用な下克上ラブ!

ぼくたち、おとなになりましたっ!

月詠嗣苑
恋愛
 板倉遼太と李杏は、ふたごの兄妹。小さな頃から仲良しで、同じ部屋で生活をしている。  最近、遼太の身長が伸び始めたり、李杏の身体付きが丸みを帯びて来たのを、何故かふたりは気にしすぎて、溜め息ばかり。  そんなある日、風邪で学校を休んだ遼太は、兄である謙悟の部屋へ、コッソリと忍び込んである1冊の雑誌に夢中になってたところへ、いきなり謙悟が誰かと帰ってきて、クローゼットへ???  男女の話声がして、クローゼットの隙間から覗くと???

続・一途な王子の想いが重すぎる

なかな悠桃
恋愛
“一途な王子の―”のその後の話です。

女性執事は公爵に一夜の思い出を希う

石里 唯
恋愛
ある日の深夜、フォンド公爵家で女性でありながら執事を務めるアマリーは、涙を堪えながら10年以上暮らした屋敷から出ていこうとしていた。 けれども、たどり着いた出口には立ち塞がるように佇む人影があった。 それは、アマリーが逃げ出したかった相手、フォンド公爵リチャードその人だった。 本編4話、結婚式編10話です。

一途な王子の想いが重すぎる

なかな悠桃
恋愛
高校一年の中村舞衣は、『爽やかイケメン王子』こと稚日野春と小中高と一緒の幼なじみ。今はあることがきっかけで疎遠になっている。そんなある日、偶然帰り道が一緒になり.....

王子を身籠りました

青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。 王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。 再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

元遊び人の彼に狂わされた私の慎ましい人生計画

イセヤ レキ
恋愛
「先輩、私をダシに使わないで下さい」 「何のこと?俺は柚子ちゃんと話したかったから席を立ったんだよ?」 「‥‥あんな美人に言い寄られてるのに、勿体ない」 「こんなイイ男にアピールされてるのは、勿体なくないのか?」 「‥‥下(しも)が緩い男は、大嫌いです」 「やだなぁ、それって噂でしょ!」 「本当の話ではないとでも?」 「いや、去年まではホント♪」 「‥‥近づかないで下さい、ケダモノ」 ☆☆☆ 「気になってる程度なら、そのまま引き下がって下さい」 「じゃあ、好きだよ?」 「疑問系になる位の告白は要りません」 「好きだ!」 「疑問系じゃなくても要りません」 「どうしたら、信じてくれるの?」 「信じるも信じないもないんですけど‥‥そうですね、私の好きなところを400字詰め原稿用紙5枚に纏めて、1週間以内に提出したら信じます」 ☆☆☆ そんな二人が織り成す物語 ギャグ(一部シリアス)/女主人公/現代/日常/ハッピーエンド/オフィスラブ/社会人/オンラインゲーム/ヤンデレ

王が気づいたのはあれから十年後

基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。 妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。 仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。 側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。 王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。 王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。 新たな国王の誕生だった。