番なんて知りません!

桜月みやこ

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第一部

25. わたしのからだ、おかしくなっちゃった *

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「まずいな……」

散々胸をいじめられてふにゃりとしているセヴィの髪を一筋すくって、クードがそんな呟きを落とす。

「………?」

なにが?と視線だけで問いかけたセヴィの頬を撫でて、クードはもう一度まずい、と呟く。

「じっくり悦くしてやろうと思ってたんだが……セヴィが可愛すぎてあまり長くは持ちそうにない──すまない」

セヴィがその言葉の意味を理解する前に、クードの指がセヴィの足の間へと滑った。
その太い指で秘裂をなぞられて、くちゅくちゅと水音が響く。

「すぐにでも挿れられそうだが……」
「あっ……!」

つぷんっと指が埋め込まれて、セヴィの腰が小さく跳ねる。

「痛むか?」

ゆるゆると中で指を動かしながら聞いてくるクードにセヴィがふるふると首を振ると、クードはセヴィの中から抜いた指をぺろりと舐める。

「まぁ、これだけ濡れてればな」
「そ、れは……昨日、クードさまが、いっぱい……」

ごにょごにょとセヴィが言うと、クードはふぅん?と口端を上げる。

「まぁ、そういう事にしておくか」

そんな事を言いながら、クードは二本に増やした指をまたセヴィの中へと潜らせた。

「んっ……はぁ………っあっ……やぁんっ!」

ゆっくりと指を動かされて、中で指を広げられて、引っ掻くように壁を擦られる。
クードの指が動きを変える度、セヴィはどうして良いのか分からなくなって、むずむずと駆けあがる感覚から逃げたくて身体をくねらせた。

「あっ……あんっ……ま…まって……クードさま……っあ、やぁっ……!」

いつの間にか三本にまで増やされた指の動きが速度を増して、ぐちゅぐちゅと恥ずかしいくらいの水音を響かせている。

「い、や……いや……ま、て……っ!!」

だめ、と首を振っているセヴィの耳元で、クードがどうした?と囁く。
その少し掠れた声にも、セヴィは小さく身体を震わせた。

「く、どさま……おかし、の……わたしの、からだ……おかしくなっちゃ……っあぁんっ!」

抜いてくれるのかと思った指をぐちゅっと一気に挿し入れられて、セヴィの背が反った。
そうしてそのまま、また激しさを増して責め立てられる。

「やぁっ……!だめ、だめ……くーどさ……っでちゃうの……っなんか、でちゃ……っ!!」

必死にしがみついてくるセヴィと、きゅうきゅうと指を締め付けて来るセヴィの中に、クードはあぁ、と目を細める。

「おかしくなんてない──大丈夫だ」
「あ──……っ!!」

いけ、と囁かれて親指で花芽をぐりと刺激されて、
そうしてセヴィは真っ白な世界に放り出された──



ずるっとクードの指が出て行って、後を追うように自分の中から溢れ出したその感覚に身体を震わせて、セヴィはぽろぽろと涙を零す。

「くーどさま……わたしのからだ……おかしくなっちゃった………」

しくしくと泣いているセヴィを抱き寄せると、クードは苦笑を零す。

「おかしくなんてないって、言っただろう?」
「でも……」
「今のは、セヴィが気持ち良いって思ってくれたって事で……セヴィ、俺に感じてくれたか?」

嬉しそうに顔中あちこちキスをされながら聞かれて、そのキスにお腹の中がきゅうっとしたのが何だか恥ずかしくて、セヴィはクードの唇から逃げるようにその胸に顔を埋める。

「わかりません……っ今までは……こんなの全然、なかった、のに……」

すんっと鼻をすすったセヴィの髪を撫でながら、クードは少し苦い顔をする。

「それは……今までは、無理矢理だったから、で……」

ボソボソと言われて、セヴィは首を傾げる。

「だから、さっきセヴィも言ってただろう……"気持ちの問題"ってやつ──じゃないのか?」
「気持ち、の……」
「ずっと、無理ばっかりさせていたからな──セヴィが俺を受け入れて、感じてくれた……と思って良いか?」

そんな事聞かれても、"感じた"のかなんてよく分からないし、よく分からないのに「はい」と答えるのも躊躇われて、セヴィはぐりぐりとクードの胸に額を押し付ける。

「セヴィ?」

名前を呼ばれて返事を促すように頬にキスされて、セヴィはうぅ、と小さく唸る。

「か、感じた、かは、あの……よく、分かりません……でも、クードさまのこと、好き、だし……もっと……たくさんぎゅってしたい、です………」

こんな返事じゃだめかしら、とちらりとクードを見上げると、クードは何故だか片手で自分の顔を覆っていた。
しかも尻尾が揺れてふさふさとセヴィの太腿を掠めている。
くすぐったさに身を捩ってクードの名前を呼ぶと、クードははぁぁぁと息を落としてセヴィの肩口に顔を埋めた。

「こういう時は、はいって言っておけば良いだろう……」
「え?え、と……す、すみません……?」
「いや、謝る事でも……まぁ良い」

セヴィには何だかよく分からなかったけれど、クードは自分の中で何か得心したように一つ頷くと、セヴィを緩く抱き締める。

「そろそろ挿れたいんだが……良いか?」
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