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64章
元魔王様と世界最強の従魔使い 5
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昔話しはホッコが退屈そうにしていたので終わった。
レギオンハートの拠点が分かったので、また話したければ直接会いに来ればいいだけの事だ。
「それで影丸の成長だがどうするつもりだ?」
「二度説明するのは面倒だ。あの戦いが終わってから話すとするが、任せておいてくれ王よ。」
「別に疑う気持ちは無い。お前が従魔の育成に長けているのは誰もが知っている事だからな。」
数多くの従魔を訓練して強靭な軍隊を築き上げたレギオンハートの実力は本物だ。
従魔育成において昔から右に出る者はいない。
「それで王よ、ここに来たのは影丸の件だけか?」
「ん?何が言いたい?」
「俺はここに住んではいるが頼れる従魔達による諜報活動は怠っていない。そこの引き篭り共と違ってな。」
そう言ってレギオンハートが視線を向けるのはレイアとテスラの二人だ。
「誰が引きこもりですか。斬りますよ?」
「相変わらず失礼な奴ね。殴るわよ?」
二人が心外だと言わんばかりにレギオンハートを睨む。
ジルの前で心象の悪くなる様な事を言われるのが許せないのだろう。
「おー怖え、仮にもクイーンやプリンセスと呼ばれていたんだから、もう少しそれらしく出来無いのかねえ。」
「クイーン?プリンセス?」
ホッコが聞き馴染みの無い言葉に首を傾げている。
「二人の昔の呼び名の一つだ。クイーンオブバァンパイア、サキュバスプリンセスってな。」
「おー!かっこいいの!」
「そ、そうでしょうか。」
「照れるな~。」
ホッコの純粋な称賛に二人は照れくさそうにしている。
自分でその二つ名を名乗っていた訳では無いが、褒められると自分の様に嬉しくはなる。
「歳を考えろってな。」
「ジル様、この無礼者を殺す許可を。」
「ジル様、こんな奴生かしておく価値は無いですよね?」
レギオンハートの言葉にまたもや態度が急変して二人が殺気を放っている。
本当に怒っているのがよく分かる。
「お、落ち着けって目がマジ過ぎるぞ?」
「二人共、こいつの言葉選びが下手なのは昔からだ。後で半殺し程度で許してやれ。」
昔からよくこの二人を怒らせていたのでこの性格は直らないのだろう。
いつも半殺しにされていたのが懐かしい。
「止めてくれないのか王よ?」
「自業自得だ。」
殺気を向けられて少し怯えているレギオンハートだが、そもそも怒らせたの自分の責任だ。
変に庇えば飛び火する可能性があるので犠牲になってもらうとする。
「それより話しを戻せ。」
「はぁ~、まあ、いいか。諜報活動はしてるから様々な情報が手に入る。だから何か聞きたい事があれば教えてやろうかと思ってな。」
「ふむ、教えてほしい情報か。」
言われてみれば魔王時代もレギオンハートの従魔による諜報活動は有益な情報を齎してくれた。
それが今も続いているとなるとかなりの情報通だろう。
「ならばせっかくだし教えてもらおうか。」
「いいぞ。何でも聞いてみてくれ。」
「最近天使の行動が活発になっているのは知っているか?」
浮島の戦力強化をする要因の一つともなった天使族の事を聞いてみる。
ジルの事を探しているのも知っているが、それにしては数が多過ぎるので別の目的もある筈だ。
「当然知っている。理由も含めてな。」
「理由も?」
「ああ。ジルと言う人族、つまり王を探している天使族もいるにはいるが殆どは別の目的で動いている。現魔王軍が近々大きく動きを見せそうでな、その警戒をしているんだろう。」
「魔王軍か。」
元魔王ジークルード・フィーデン、四天王、重役の魔族が抜けた新しい魔王軍の事だ。
昔に比べて遥かに弱体化したらしいが新魔王を筆頭に魔王軍は健在だ。
「実際に魔王軍の魔族が協力要請にこの島までやってきたからな。羽虫共を倒すのに協力しろってよ。」
元四天王であるレギオンハートの戦力は魔族達からすると強力な手札となる。
天使族との戦いを考えると是非協力してほしいだろう。
「それで返答は?」
「当然断った。俺はもう軍にいない。天使にも特に恨みは無いから勝手にしろってな。」
どうやら天使族との積極的な戦闘の意思は無いらしい。
強大な戦力を保有しているレギオンハートだが戦闘狂と言う訳では無い。
「ですが天使族はそうは思わないのでは?」
「見るからに魔族なんだし攻撃されそうだけど。」
レギオンハートはレイアやテスラと違って見た目を一切偽っていない。
天使族の格好の的だ。
「やられたらやり返す、それだけだ。天使族も俺に攻撃をするのがどう言う意味か分からない訳じゃ無いだろうしな。」
「一人で国取り出来る様な戦力だからな。簡単に手を出してはこないだろう。」
「そう言う事だ王よ。」
レギオンハートの二つ名は多くの種族や国に知れ渡っている。
それは天使族も分かっているだろう。
戦うとなれば相応の準備をする必要がある。
「ちなみに魔王軍は何をするつもりなんだ?」
「戦争だ。天使族を滅ぼすんだとよ。」
「種族間での全面戦争ですか。」
「うへ~、まだそんな事してるんだ。」
レイアとテスラは呆れたり嫌そうな表情をしたりしている。
戦争と言う被害ばかり生む面倒な事はジル同様したくないのだろう。
「まあ、一回ぶつかれば暫く大人しくなるだろう。魔族側に大量の死者は出るだろうけどな。」
「何故魔族側なんだ?」
「俺達を含めた多くの魔族が抜けた今の魔王軍はあの頃よりも遥かに弱い。壊滅はしなくとも敗北は確定だろうぜ。」
確信的な表情でレギオンハートがそう言い切った。
レギオンハートの拠点が分かったので、また話したければ直接会いに来ればいいだけの事だ。
「それで影丸の成長だがどうするつもりだ?」
「二度説明するのは面倒だ。あの戦いが終わってから話すとするが、任せておいてくれ王よ。」
「別に疑う気持ちは無い。お前が従魔の育成に長けているのは誰もが知っている事だからな。」
数多くの従魔を訓練して強靭な軍隊を築き上げたレギオンハートの実力は本物だ。
従魔育成において昔から右に出る者はいない。
「それで王よ、ここに来たのは影丸の件だけか?」
「ん?何が言いたい?」
「俺はここに住んではいるが頼れる従魔達による諜報活動は怠っていない。そこの引き篭り共と違ってな。」
そう言ってレギオンハートが視線を向けるのはレイアとテスラの二人だ。
「誰が引きこもりですか。斬りますよ?」
「相変わらず失礼な奴ね。殴るわよ?」
二人が心外だと言わんばかりにレギオンハートを睨む。
ジルの前で心象の悪くなる様な事を言われるのが許せないのだろう。
「おー怖え、仮にもクイーンやプリンセスと呼ばれていたんだから、もう少しそれらしく出来無いのかねえ。」
「クイーン?プリンセス?」
ホッコが聞き馴染みの無い言葉に首を傾げている。
「二人の昔の呼び名の一つだ。クイーンオブバァンパイア、サキュバスプリンセスってな。」
「おー!かっこいいの!」
「そ、そうでしょうか。」
「照れるな~。」
ホッコの純粋な称賛に二人は照れくさそうにしている。
自分でその二つ名を名乗っていた訳では無いが、褒められると自分の様に嬉しくはなる。
「歳を考えろってな。」
「ジル様、この無礼者を殺す許可を。」
「ジル様、こんな奴生かしておく価値は無いですよね?」
レギオンハートの言葉にまたもや態度が急変して二人が殺気を放っている。
本当に怒っているのがよく分かる。
「お、落ち着けって目がマジ過ぎるぞ?」
「二人共、こいつの言葉選びが下手なのは昔からだ。後で半殺し程度で許してやれ。」
昔からよくこの二人を怒らせていたのでこの性格は直らないのだろう。
いつも半殺しにされていたのが懐かしい。
「止めてくれないのか王よ?」
「自業自得だ。」
殺気を向けられて少し怯えているレギオンハートだが、そもそも怒らせたの自分の責任だ。
変に庇えば飛び火する可能性があるので犠牲になってもらうとする。
「それより話しを戻せ。」
「はぁ~、まあ、いいか。諜報活動はしてるから様々な情報が手に入る。だから何か聞きたい事があれば教えてやろうかと思ってな。」
「ふむ、教えてほしい情報か。」
言われてみれば魔王時代もレギオンハートの従魔による諜報活動は有益な情報を齎してくれた。
それが今も続いているとなるとかなりの情報通だろう。
「ならばせっかくだし教えてもらおうか。」
「いいぞ。何でも聞いてみてくれ。」
「最近天使の行動が活発になっているのは知っているか?」
浮島の戦力強化をする要因の一つともなった天使族の事を聞いてみる。
ジルの事を探しているのも知っているが、それにしては数が多過ぎるので別の目的もある筈だ。
「当然知っている。理由も含めてな。」
「理由も?」
「ああ。ジルと言う人族、つまり王を探している天使族もいるにはいるが殆どは別の目的で動いている。現魔王軍が近々大きく動きを見せそうでな、その警戒をしているんだろう。」
「魔王軍か。」
元魔王ジークルード・フィーデン、四天王、重役の魔族が抜けた新しい魔王軍の事だ。
昔に比べて遥かに弱体化したらしいが新魔王を筆頭に魔王軍は健在だ。
「実際に魔王軍の魔族が協力要請にこの島までやってきたからな。羽虫共を倒すのに協力しろってよ。」
元四天王であるレギオンハートの戦力は魔族達からすると強力な手札となる。
天使族との戦いを考えると是非協力してほしいだろう。
「それで返答は?」
「当然断った。俺はもう軍にいない。天使にも特に恨みは無いから勝手にしろってな。」
どうやら天使族との積極的な戦闘の意思は無いらしい。
強大な戦力を保有しているレギオンハートだが戦闘狂と言う訳では無い。
「ですが天使族はそうは思わないのでは?」
「見るからに魔族なんだし攻撃されそうだけど。」
レギオンハートはレイアやテスラと違って見た目を一切偽っていない。
天使族の格好の的だ。
「やられたらやり返す、それだけだ。天使族も俺に攻撃をするのがどう言う意味か分からない訳じゃ無いだろうしな。」
「一人で国取り出来る様な戦力だからな。簡単に手を出してはこないだろう。」
「そう言う事だ王よ。」
レギオンハートの二つ名は多くの種族や国に知れ渡っている。
それは天使族も分かっているだろう。
戦うとなれば相応の準備をする必要がある。
「ちなみに魔王軍は何をするつもりなんだ?」
「戦争だ。天使族を滅ぼすんだとよ。」
「種族間での全面戦争ですか。」
「うへ~、まだそんな事してるんだ。」
レイアとテスラは呆れたり嫌そうな表情をしたりしている。
戦争と言う被害ばかり生む面倒な事はジル同様したくないのだろう。
「まあ、一回ぶつかれば暫く大人しくなるだろう。魔族側に大量の死者は出るだろうけどな。」
「何故魔族側なんだ?」
「俺達を含めた多くの魔族が抜けた今の魔王軍はあの頃よりも遥かに弱い。壊滅はしなくとも敗北は確定だろうぜ。」
確信的な表情でレギオンハートがそう言い切った。
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