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48章
元魔王様と強制睡眠 1
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ギガントモスの討伐を終えた日にギルドに素材を持ち込むと、そんなに大きい物は急に買い取れないと言われてしまい、翌日に繰り越される事になった。
ギルドの倉庫にも入らない大きさなので、セダンの街の外で解体作業を行う事となり、ギルドの解体員や解体依頼を受けた冒険者達が沢山集まっている。
「作業人数は多いがこの巨体だし時間が掛かりそうだな。」
作業を開始してから数時間、まだ羽の一部を解体している段階だ。
皆頑張ってくれているが今日や明日では間違い無く終わらないだろう。
「それは当たり前ですね。Sランクの貴重な素材と言う事で総動員の解体作業ですが、少なく見積もっても一週間は掛かるでしょう。」
ミラが解体された素材を査定しながら答える。
ギルドの査定員も不足しているので受付嬢の手も借りている状況だ。
「まあ、我が現場にいなくても作業は進むからいいんだがな。」
ジルもエルミネルも解体は専門外だ。
なので依頼を出して冒険者に解体を任せたのだ。
「ジルさんが解体出来ればもっと早く終わると思うんですけどね。」
「面倒だから任せる。」
解体作業の様な細かい作業はいつもギルドに任せている。
素人がやるよりも確実なのと、そう言った時間は別の事に使いたい。
「解体依頼の費用も相当な値段なんですけど、お金持ちは違いますね。」
「それを払っても素材を売れば大きくプラスだからな。」
大人数を長時間雇うのは相当な出費だ。
しかしSランクの魔物の素材が大量に得られる事を考えると収支は分かり切っている。
エルミネルも解体依頼を出す事に迷わず頷いてくれた。
「羨ましい限りですね。それとジルさんに言われた通り、解体が終わった物から順番にギルドで換金させて頂きます。ですがセダンのギルドだけでは買い取れないので、近隣の町や村にも同時に流す予定です。」
Sランクの素材と言うだけでどれも一級品の値段となる。
そんな物を大量に買い取る予算は一つの街には無いので、他のギルドにも協力してもらう必要があるのだ。
貴重な素材なので本来なら全てセダンのギルドで買い取りたいのだが、一番多く仕入れられる事は確実なので妥協した。
「売れれば我はそれでいいからミラに任せる。」
「信用して頂けてる様で嬉しい限りです。」
ミラとのやり取りは転生後からずっと続いている。
買い取りに関するお金のやり取りも殆ど確認はしていないがミラを信用しているので問題無い。
ギルドとしてもジルを失う損失の方が大きいので買い取り金額を誤魔化す様な事をする度胸は無いだろう。
「いたいた、ジルちゃん探したわよ。」
「ラブリートじゃないか。お前も解体依頼を受けたのか?」
振り向くと女装をした巨漢のSランク冒険者のラブリートがいた。
「私はそんな繊細な作業に向いてないわよ。素材をどんどん駄目にしてもいいならやってあげるけど?」
「却下だ。それより何か用か?」
「ちょっとジルちゃん借りるわね?」
「はい。大丈夫ですよ。私は素材の確認作業もありますから。」
ジルにだけ話したい内容なのかラブリートがミラに断りを入れると、それを察して山の様に積まれた素材の方に歩いていった。
「トゥーリちゃんからの言伝よ。王都に向けてそろそろ出発するから準備しておく様にとの事よ。」
「もう約束の時期か。最近慌ただしくて時間が過ぎるのが早かったな。」
これは前に約束させられた王族の生誕祝いのパーティーに出席する件だ。
トレンフルのダンジョンで王族の解呪の為に手助けしたのを気に入られたのか、平民のジルも一緒に招かれたのだ。
それをトゥーリの護衛として付いていく事になっている。
「スタンピードで一騒ぎあったのにこんな魔物まで倒してるんだから納得だわ。」
ラブリートが解体されるギガントモスを見ながら呆れている。
同じSランクと言ってもラブリートでも簡単に倒せる魔物では無いだろう。
「好んで関わっている訳では無いんだがな。」
「これなら道中も退屈しなさそうね。」
「勘弁してくれ。それより具体的にはいつ頃出発するんだ?」
ジルは心底嫌そうな表情をしながら話題を切り替える。
面倒事にはこれ以上巻き込まれたくない。
「早ければ明後日、遅くても一週間後ね。」
「随分と大雑把だな。」
「これでも余裕を持って到着出来る計算よ。一貴族が王族の誘いに遅れましたじゃ話しにならないのよね。トゥーリちゃんとしてはトラブル込みでも充分な時間を確保したいのよ。」
何か予定外の事件に巻き込まれて生誕祭に間に合わなければ他の貴族に何を言われるか分かったものではない。
王家からの印象も悪くなるのでトゥーリとしては余裕を持った移動を計画している。
「成る程な、我は特に用が無いから明後日でも構わないぞ。」
今回生誕祭に招かれているのはジルなので王城に入れる者は限られる。
それを考えると長旅よりも浮島の開発の方が仲間達はしたいと言うと思う。
一応聞くつもりだがシキは残ると言うだろう。
シキが残ってくれればギガントモスの解体の件も任せられる。
何か非常事態が起こっても無限倉庫のスキルを真契約によって使えるシキがいればギガントモスを収納する事が出来る。
「それならトゥーリちゃんには私から言っておくわ。明後日領主の屋敷の前で合流にしましょうか。」
「分かった。」
ジルは早速仲間達に報告する為に浮島へ向かった。
ギルドの倉庫にも入らない大きさなので、セダンの街の外で解体作業を行う事となり、ギルドの解体員や解体依頼を受けた冒険者達が沢山集まっている。
「作業人数は多いがこの巨体だし時間が掛かりそうだな。」
作業を開始してから数時間、まだ羽の一部を解体している段階だ。
皆頑張ってくれているが今日や明日では間違い無く終わらないだろう。
「それは当たり前ですね。Sランクの貴重な素材と言う事で総動員の解体作業ですが、少なく見積もっても一週間は掛かるでしょう。」
ミラが解体された素材を査定しながら答える。
ギルドの査定員も不足しているので受付嬢の手も借りている状況だ。
「まあ、我が現場にいなくても作業は進むからいいんだがな。」
ジルもエルミネルも解体は専門外だ。
なので依頼を出して冒険者に解体を任せたのだ。
「ジルさんが解体出来ればもっと早く終わると思うんですけどね。」
「面倒だから任せる。」
解体作業の様な細かい作業はいつもギルドに任せている。
素人がやるよりも確実なのと、そう言った時間は別の事に使いたい。
「解体依頼の費用も相当な値段なんですけど、お金持ちは違いますね。」
「それを払っても素材を売れば大きくプラスだからな。」
大人数を長時間雇うのは相当な出費だ。
しかしSランクの魔物の素材が大量に得られる事を考えると収支は分かり切っている。
エルミネルも解体依頼を出す事に迷わず頷いてくれた。
「羨ましい限りですね。それとジルさんに言われた通り、解体が終わった物から順番にギルドで換金させて頂きます。ですがセダンのギルドだけでは買い取れないので、近隣の町や村にも同時に流す予定です。」
Sランクの素材と言うだけでどれも一級品の値段となる。
そんな物を大量に買い取る予算は一つの街には無いので、他のギルドにも協力してもらう必要があるのだ。
貴重な素材なので本来なら全てセダンのギルドで買い取りたいのだが、一番多く仕入れられる事は確実なので妥協した。
「売れれば我はそれでいいからミラに任せる。」
「信用して頂けてる様で嬉しい限りです。」
ミラとのやり取りは転生後からずっと続いている。
買い取りに関するお金のやり取りも殆ど確認はしていないがミラを信用しているので問題無い。
ギルドとしてもジルを失う損失の方が大きいので買い取り金額を誤魔化す様な事をする度胸は無いだろう。
「いたいた、ジルちゃん探したわよ。」
「ラブリートじゃないか。お前も解体依頼を受けたのか?」
振り向くと女装をした巨漢のSランク冒険者のラブリートがいた。
「私はそんな繊細な作業に向いてないわよ。素材をどんどん駄目にしてもいいならやってあげるけど?」
「却下だ。それより何か用か?」
「ちょっとジルちゃん借りるわね?」
「はい。大丈夫ですよ。私は素材の確認作業もありますから。」
ジルにだけ話したい内容なのかラブリートがミラに断りを入れると、それを察して山の様に積まれた素材の方に歩いていった。
「トゥーリちゃんからの言伝よ。王都に向けてそろそろ出発するから準備しておく様にとの事よ。」
「もう約束の時期か。最近慌ただしくて時間が過ぎるのが早かったな。」
これは前に約束させられた王族の生誕祝いのパーティーに出席する件だ。
トレンフルのダンジョンで王族の解呪の為に手助けしたのを気に入られたのか、平民のジルも一緒に招かれたのだ。
それをトゥーリの護衛として付いていく事になっている。
「スタンピードで一騒ぎあったのにこんな魔物まで倒してるんだから納得だわ。」
ラブリートが解体されるギガントモスを見ながら呆れている。
同じSランクと言ってもラブリートでも簡単に倒せる魔物では無いだろう。
「好んで関わっている訳では無いんだがな。」
「これなら道中も退屈しなさそうね。」
「勘弁してくれ。それより具体的にはいつ頃出発するんだ?」
ジルは心底嫌そうな表情をしながら話題を切り替える。
面倒事にはこれ以上巻き込まれたくない。
「早ければ明後日、遅くても一週間後ね。」
「随分と大雑把だな。」
「これでも余裕を持って到着出来る計算よ。一貴族が王族の誘いに遅れましたじゃ話しにならないのよね。トゥーリちゃんとしてはトラブル込みでも充分な時間を確保したいのよ。」
何か予定外の事件に巻き込まれて生誕祭に間に合わなければ他の貴族に何を言われるか分かったものではない。
王家からの印象も悪くなるのでトゥーリとしては余裕を持った移動を計画している。
「成る程な、我は特に用が無いから明後日でも構わないぞ。」
今回生誕祭に招かれているのはジルなので王城に入れる者は限られる。
それを考えると長旅よりも浮島の開発の方が仲間達はしたいと言うと思う。
一応聞くつもりだがシキは残ると言うだろう。
シキが残ってくれればギガントモスの解体の件も任せられる。
何か非常事態が起こっても無限倉庫のスキルを真契約によって使えるシキがいればギガントモスを収納する事が出来る。
「それならトゥーリちゃんには私から言っておくわ。明後日領主の屋敷の前で合流にしましょうか。」
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ジルは早速仲間達に報告する為に浮島へ向かった。
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