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27章
元魔王様とダンジョン探索 2
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「そうです。一刻も早く冒険者ギルドとしては対処したいのですが、Bランクの魔物である事と場所が厄介でして。」
「確かに海となると冒険者を選ぶ依頼になるな。」
依頼書の場所は海となっている。
冒険者の殆どが陸での依頼が基本であり、ランク通りの力を発揮出来る場所も陸となる。
しかし場所が水の中に変わるだけで本来の実力を発揮する事は難しくなってしまう。
クラーケンはBランクに分類される魔物ではあるが、海を得意としない冒険者にとっては難易度が上がる事にもなるだろう。
「既に依頼書を出してから何組かの冒険者が向かわれたのですが、成果は上がっていません。このままでは騎士団の助けを借りる事になるでしょう。」
「協力を求めればいいんじゃないか?」
ブリジットは高ランク冒険者と並ぶ実力がある。
他の騎士の実力も高いので騎士団に任せればクラーケンも倒せそうだ。
「何でもかんでも騎士の方々に頼るのは良くありません。騎士は有事の際の街の貴重な戦力なのですから、対処出来る事は冒険者で対処したいのです。この前も頼ったばかりですし。」
この前と言うのは盗賊の件だ。
ミラに事前に話しを聞いていたが、あの盗賊の討伐はトレンフルのギルドで受け持つ事になっていた。
しかし盗賊に奴隷が加わった事による戦力の向上で冒険者には厳しい相手となってしまい、騎士団に頼む形となった。
結果的にはジル達がいなければ騎士団も負けていたかもしれないのだが、一度騎士団を頼ったギルドとしては面子を保ちたいのだろう。
「高ランクの冒険者はいないのか?」
騎士団に頼らないならばブリジットに並ぶ強者を向かわせればいい。
しかしそうなるとAランク相当の冒険者が必要となる。
ランクが高い程冒険者の数は減っていくので、トレンフルのギルドが高ランク冒険者をどれだけ抱え込んでいるかと言う話しにもなる。
「クラーケンが居着いてしまった近くで皆潜っているので、出て来てくれれば対処してくれると思うのですが、現状では連絡が取れません。そして外にいる戦力では対処が難しいのです。」
高ランクの冒険者はいるにはいるが取り込み中らしい。
「潜るって海にか?と言うかこの場所に何かあるのか?」
「おや?ご存知ありませんでしたか?その場所にはダンジョンがあるのですよ。」
潜るとは海では無くダンジョンにと言う意味だった。
「ダンジョンか。成る程な、ギルドが早く対処したい訳だ。」
ダンジョンは魔物が蔓延る迷宮の様な場所だ。
素材やお宝に溢れており、冒険者が一攫千金を夢見る場所でもある。
そんな場所が一時的でも封鎖されるとギルドとしては困るのだろう。
「クラーケンがいるせいで新たに冒険者達が入れず困っています。高ランク冒険者達もいつ戻ってくるか分からないので、外で対処出来る方を探しているのです。」
「そこで我に目を付けたと言う事か。」
ブリジット以上の強さを持つジルであれば、クラーケンも倒す事が出来ると思われたのだ。
「はい、ダンジョンの資源はギルドにとってもトレンフルにとっても貴重な財源です。一刻も早く解放して冒険者が入れる様にしたいのです。」
ダンジョン間の流通はトレンフルの財政に関わってくる。
早く対処出来るに越した事は無い。
「ふむ、ダンジョンか。それは良い事を聞いた。」
「っ!?もしかして受けて下さるのですか?」
ジルのランク的に強制力の働かない指名依頼だったので一か八かでサザナギは頼んだ。
そんなジルの反応は意外と悪く無い。
「ああ、良いだろう。その依頼引き受けてやる。ただし条件次第でだけどな。」
「私に可能な範囲であればお聞きします。」
ジルが条件を言うとサザナギは心良く承諾してくれた。
条件を聞いてくれたので早速クラーケン討伐の為にダンジョンの近くに向かう事にする。
先ずはそれを知らせる為に屋敷に戻って、ブリジット達にサザナギから頼まれた依頼内容についての説明をする。
「成る程、そんな事になっていたのですか。」
「騎士団に連絡はきていなかったのか?」
「その様ですね。救援依頼が届けば休暇中とは言え私の耳にも届く筈です。」
現在ブリジットは休暇中ではあるが、トレンフルの騎士団員として有事の際には直ぐに出られる様にしてある。
なのでクラーケン問題はギルドだけで解決する様に動いている事になる。
「まあ、クラーケン程度簡単に排除出来るから騎士団の出番は無いだろう。」
高ランクの魔物で戦闘場所が海であってもジルにとっては些細な事だ。
それくらいで苦戦する様な事態にはならない。
「依頼とは言えトレンフルの為にありがとうございます。」
「気にするな。頼んだ条件も引き受けてくれたからな。」
ジルとしては提示した条件をのんでくれれば、それでどんな指名依頼も引き受けるつもりだ。
「条件?何か頼んだの?」
「ダンジョンへの探索許可証だ。それが無ければダンジョンには入れないと聞いたんでな。」
クラーケンを倒した後にダンジョンに入る事を伝えたら探索許可証が無いと入れないと言われ、報酬にサザナギが用意してくれる事になったのだ。
「確かに海となると冒険者を選ぶ依頼になるな。」
依頼書の場所は海となっている。
冒険者の殆どが陸での依頼が基本であり、ランク通りの力を発揮出来る場所も陸となる。
しかし場所が水の中に変わるだけで本来の実力を発揮する事は難しくなってしまう。
クラーケンはBランクに分類される魔物ではあるが、海を得意としない冒険者にとっては難易度が上がる事にもなるだろう。
「既に依頼書を出してから何組かの冒険者が向かわれたのですが、成果は上がっていません。このままでは騎士団の助けを借りる事になるでしょう。」
「協力を求めればいいんじゃないか?」
ブリジットは高ランク冒険者と並ぶ実力がある。
他の騎士の実力も高いので騎士団に任せればクラーケンも倒せそうだ。
「何でもかんでも騎士の方々に頼るのは良くありません。騎士は有事の際の街の貴重な戦力なのですから、対処出来る事は冒険者で対処したいのです。この前も頼ったばかりですし。」
この前と言うのは盗賊の件だ。
ミラに事前に話しを聞いていたが、あの盗賊の討伐はトレンフルのギルドで受け持つ事になっていた。
しかし盗賊に奴隷が加わった事による戦力の向上で冒険者には厳しい相手となってしまい、騎士団に頼む形となった。
結果的にはジル達がいなければ騎士団も負けていたかもしれないのだが、一度騎士団を頼ったギルドとしては面子を保ちたいのだろう。
「高ランクの冒険者はいないのか?」
騎士団に頼らないならばブリジットに並ぶ強者を向かわせればいい。
しかしそうなるとAランク相当の冒険者が必要となる。
ランクが高い程冒険者の数は減っていくので、トレンフルのギルドが高ランク冒険者をどれだけ抱え込んでいるかと言う話しにもなる。
「クラーケンが居着いてしまった近くで皆潜っているので、出て来てくれれば対処してくれると思うのですが、現状では連絡が取れません。そして外にいる戦力では対処が難しいのです。」
高ランクの冒険者はいるにはいるが取り込み中らしい。
「潜るって海にか?と言うかこの場所に何かあるのか?」
「おや?ご存知ありませんでしたか?その場所にはダンジョンがあるのですよ。」
潜るとは海では無くダンジョンにと言う意味だった。
「ダンジョンか。成る程な、ギルドが早く対処したい訳だ。」
ダンジョンは魔物が蔓延る迷宮の様な場所だ。
素材やお宝に溢れており、冒険者が一攫千金を夢見る場所でもある。
そんな場所が一時的でも封鎖されるとギルドとしては困るのだろう。
「クラーケンがいるせいで新たに冒険者達が入れず困っています。高ランク冒険者達もいつ戻ってくるか分からないので、外で対処出来る方を探しているのです。」
「そこで我に目を付けたと言う事か。」
ブリジット以上の強さを持つジルであれば、クラーケンも倒す事が出来ると思われたのだ。
「はい、ダンジョンの資源はギルドにとってもトレンフルにとっても貴重な財源です。一刻も早く解放して冒険者が入れる様にしたいのです。」
ダンジョン間の流通はトレンフルの財政に関わってくる。
早く対処出来るに越した事は無い。
「ふむ、ダンジョンか。それは良い事を聞いた。」
「っ!?もしかして受けて下さるのですか?」
ジルのランク的に強制力の働かない指名依頼だったので一か八かでサザナギは頼んだ。
そんなジルの反応は意外と悪く無い。
「ああ、良いだろう。その依頼引き受けてやる。ただし条件次第でだけどな。」
「私に可能な範囲であればお聞きします。」
ジルが条件を言うとサザナギは心良く承諾してくれた。
条件を聞いてくれたので早速クラーケン討伐の為にダンジョンの近くに向かう事にする。
先ずはそれを知らせる為に屋敷に戻って、ブリジット達にサザナギから頼まれた依頼内容についての説明をする。
「成る程、そんな事になっていたのですか。」
「騎士団に連絡はきていなかったのか?」
「その様ですね。救援依頼が届けば休暇中とは言え私の耳にも届く筈です。」
現在ブリジットは休暇中ではあるが、トレンフルの騎士団員として有事の際には直ぐに出られる様にしてある。
なのでクラーケン問題はギルドだけで解決する様に動いている事になる。
「まあ、クラーケン程度簡単に排除出来るから騎士団の出番は無いだろう。」
高ランクの魔物で戦闘場所が海であってもジルにとっては些細な事だ。
それくらいで苦戦する様な事態にはならない。
「依頼とは言えトレンフルの為にありがとうございます。」
「気にするな。頼んだ条件も引き受けてくれたからな。」
ジルとしては提示した条件をのんでくれれば、それでどんな指名依頼も引き受けるつもりだ。
「条件?何か頼んだの?」
「ダンジョンへの探索許可証だ。それが無ければダンジョンには入れないと聞いたんでな。」
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