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第二章シャーカ王国

94受勲式

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魔族の襲撃から2日がたった。

あの後ジャダ王は国民に今回の件を自ら説明した。Sランク冒険者のスポフ達が魔族だった事、ハジンとクラマが亡くなった事、この国に魔王軍が攻めて来ていた事包み隠さず公表した。

多くの国民は不安がっていたがラテスがこの国の騎士と自分を信じてほしいと力強く言った。ラテスのしていた事を多くの国民は知っていた為ラテスとジャダ王を信じることにした。

そしてハジンとクラマの葬儀が行われた。

シャーカ城の王墓。

「…………」

シャーカ城の西側のある王墓の前でラテスが一人で座っていた。

「よぉ、ラテス」

「ムゲンさん……」

俺達は今日ジャダ王から勲章を受け取るためにシャーカ城に来たんだがまだ時間があったので俺一人、ラテスのいる所にやって来た。

「ここに歴代の王族が眠っているのか」

「はい…………」

俺はラテスの隣に座った。

「…………ハジンとクラマの事は残念だったな」

「いえ…私はいつか兄さん達がこの国の事を思い、昔のように仲良くできたら良いなと願っていました。ですがその願いはもう叶わないそれが一番の後悔です」

「……」

「もっと兄さん達と話せれば良かったです」

「そうだな………」

ラテスは悔しいくてそして悲しい思いでいっぱいだった。

家族を失うことは辛いよな…………やるか。

ジャリ

「ムゲンさん?」

「~~~~」

俺は数珠を取り出しその場で正座をし手を合わせお経を唱えた。

ハジンとクラマ、一回しか会ってないが剣を交えた仲せめて安らかに眠ってくれ。

それから数分間無限はお経を唱えラテスはそれを静かに聞いていた。

数分後。

「…………これで終わりだ」

「ムゲンさん今のは」

「俺の故郷で死んだ人間を弔う行為の一つだ」

「何故それを」

「スポフ達によって命を奪われた二人がせめて安らかに眠りいつか極楽浄土に行けるよう願った。いつかお前があっちに言った時に昔のように仲良くできればいいなと思っただけだ」

「………ありがとう…………ございます」

ラテスは少し涙を流し無限にお礼を言った。

「さてと行くか」

「はい」

「…………南無阿弥陀仏」

俺達は立ち上がり王墓を後にした。

「そう言えばゾディアから聞いんだがスキルが本来の力に目覚めらしいな」

「ムゲンさんのお陰です」

俺達は歩きながらラテスのスキルについて話していた。

「なら俺の素性を知ってるよな」

「…………キリス共和国の勇者召喚で召喚された異世界人で冤罪で追放処刑されたんですよね」

「で、どうする?」

「何がですか?」

「俺をキリス共和国につき出すか?」

「そんなことしません!」

ラテスは大声でキリス共和国に俺をつき出すことを否定した。

「ムゲンさん達はこの国を魔族から救ってくれた英雄です!私は恩を仇で返しません!」

「そうか」

ラテス出会った時よりも良い顔をするようになったな。

「あっ、無限」

「無限様どこに行っていたんですか?」

「ラテスさんと一緒におられましたか」

「ムゲン殿!」

「ムゲンさん」

俺とラテスが王の間のところまで来ると蒼花達とツバキ、アリアが扉の前で待っていた。

「ちょっとラテスに用事があってな」

「そうでしたか受勲式が後数分で始まりますよ」

「了解」

「では私は先に行ってますね」

「おう」

ラテスはその場を後にして王の間に入っていった。

「無限」

「なんだ?」

「ラテスさんと何していたの?」

「ハジンとクラマにお経を唱えてた」

「……そうなんだ」

蒼花は俺の隣に来て腕を組んできた。

「なんだ急に///」

「無限は優しいね」

「…………蒼花人前だからな」

「…気にしない」

「そうか」

「…………」

無限と蒼花の様子をツバキはじっと見ていた。

「ツバキどうしたのムゲンさんとアオカさんを見て?」

「いや!何でもない」

「???」

数分後。

「皆様よろしいでしょうか」

「嗚呼頼む」

ガコン!

『シャーカ王国の危機を救ってくれた英雄不動無限様、中野蒼花様、キュン様、ゾディア様そして多くの国民を守ったシスターアリアとツバキ様のご入場!!』

パチパチパチ

俺達は扉が開き中から声が聞こえたと同時に王の間に入った。

王の間にはジャダ王、ラテス、騎士団長シィー、妹のミナ、国の大臣、冒険者ギルドの長ヤクザそして多くの貴族達が勢揃いしていた。

「凄い人の数だな」

「迫力が凄い」

「それぐらい大きな事を成し遂げたて事ですよ」

「大袈裟すぎますけどね」

「き緊張してきました」

「これ程とは凄い!」

俺達はその前ジャダ王とラテスのいる所まで歩いた。

「ん?」

「どうしました無限様」

「あの人誰だ?」

「ジャダ王の隣に座っている人ですよね」

「綺麗な人」

ジャダ王が座っている王座の隣に紫髪のロングヘアに水色のドレスを着ていてるスタイル抜群の女性が座っていた。

「皆さんあれはこの国の現王妃のマヤ・シャーカ様ですよ」

「ラテスの母親か」

アリアさんが小声でジャダ王の隣にいる女性について教えてくれた。

ラテスの母親初めて見るが一体何処に行っていたんだ?。

そんなことを考えているといつの間にかジャダ王の前についた。

ザッ!

「英雄、冒険者ムゲンいや不動無限、中野蒼花、キュン、ゾディアそして無限達が来るまで騎士団の代わりに多くの悪魔達と魔族から国民を守ったシスターアリア、ツバキ、この場にはいないが魔族に勇気を振り絞り立ち向かった少年カイ、この国を救ってくれてた事この国の王として感謝する」

ジャダ王とこの場にいる全員が頭を下げた。

「お前達に英雄勲章を授けSランク冒険者として認める」

「「「「謹んでお受けいたします」」」」

俺達は勲章を受け取っりアイテムボックスへ大事に入れた。

「そして不動無限よお前にこの国を救ってくれた者達の代表として褒美を授けたい何か望みの物はあるか」

「では二つほど私の望みを聞いては貰えませんでしょうか」

「なんだ?」

「一つはラテス王子が個人的にしている教会への支援を国の支援にしてほしいのです」

「えっ…………」

「ムゲンさん!?」

「理由を聞こうか」

「教会には魔族や魔物によって親を亡くした子供が多くのいます。神聖キリス共和国は魔王が現れ教会の資金を本国に全て回収し現在食料等で子供達が苦しんでいます」

「うむ」

「現在はラテス王子と個人的に私が支援していますが私共は数日したら別なところに行く予定………ですので国からの支援をしてはいただけないでしょうか」

「よかろう教会は神聖キリス共和国の管轄から外し我が国の教会として我が国の庇護かにあると宣言する…………シスターアリアよ」

「はい!」

「これからも子供達の為、神を信じる者として頑張ってほしい」

「ありがとうございますジャダ王様、ムゲンさん!」

「それで二つ目は」

「二つ目はこの場にはいませんがカイを騎士団の皆様に鍛えさせては貰えないでしょうか」

「カイ少年をか」

「はい、今は私が鍛えておりますが先程言った通り次の所に行くので鍛えることが出来ません。彼は強くなり冒険者になっていっぱい稼いで教会の子供達を養い守ったと言っておりました」

「…………」

「冒険者になるにはまだ幼いですので冒険者になれる年齢まで鍛えては貰えないでしょうか」

(自分の望みではなく他の者の望みを優先するか…………やはりお前は素晴らしい人間だな)

「よかろうその願い叶えてやる」

「ありがとうございます」

ふぅ~良かったこれで断られてたら色々面倒な口論大会になりそうだったぜ。

「これにて受勲式を終了とする!」

続く。
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