29 / 116
第一章始まりと星の古代迷宮
28信じる事
しおりを挟む「モォォォォォォ!!」
「いきなりか!水、海王断絶(かいおうだんぜつ)!」
ギーーーーーーーーーン ジュバァァァァン
マグマを纏った牛は無限に向かって突撃し、無限はそれを対抗するため真っ正面から剣を振るうと海水が現れマグマと海水がぶつかり合う。
「突進の力は一階層の羊と同じくらいか」
ピュウン!!
「!!」
ダッ!!
「射手座か」
海水とマグマがぶつかり合う中、矢が飛んでくると無限は直ぐ様後ろに下がる。すると、弓矢を持ったケンタウロスが話しかけてきた。
「貴様…名を何と言う」
「普通は自分から名乗るもんだぞ」
「…………我に名はない」
「そうかよ、不動無限だ」
「そうか、貴様を殺す!」
ピュウン!! ピュウン!! ピュウン!!
「風、魔天疾風」
ビュウゥゥゥゥゥ
「弾くか」
無限は風魔法でケンタウロスが放った矢を全て弾き飛ばす。
ザシ
「土、地嶐撲滅(ちりゅうぼくめつ)」
ドゴゴゴゴーーーーーーン!!
「モォォ!!」
「ぐぅお!」
無限は剣を地面に刺すと、ケンタウロスと牛がいる地面が山となり牛とケンタウロスを呑み込む。
「これでどうだ」
ドゴーーーーーーーーーン!!!!
「やはりな」
「モォォォォォォ!!」
「貴様、なかなかやるな」
「お前らに褒められてもうれしくねぇよ」
牛は無限が魔法で作り上げた山を突き破りその後ろからケンタウロスもやってきた。
「はぁ…………はぁ…………」
熱い…ただでさえ氷のエンチャントしているからって火山地帯での戦闘は流石にキツイ。
「氷、ブリザード」
ビュウゥゥゥゥゥ!!!!
「ブリザード?…………あの少女の魔法か」
「蒼花ナイス」
「モォォォォォォ!!」
「氷、残氷闘閃(ざんひょうとうせん)」
「一弓!!」
ザーーーーーン!! カチカチカチカチ ヒュウゥゥ!!!! バリン
「相討ちか」
無限は氷を剣に集中させ激しい斬撃をとばす。飛ばされた斬撃の通った所は、全て凍りつき、ケンタウロスと牛に向かうが、ケンタウロスは風の矢を放ち相殺してしまう。
「モォォォォォォ!!」
「一弓五連!」
ドドドドド ピュウンピュウンピュウンピュウン
「ちっ!」
キン キン キン
「モォォォォ!!」
「ヤバイ」
無限がケンタウロスの矢を剣で弾いていると、牛が無限に向かって突進、無限は矢に意識が集中していた為、牛の突進の対処が間に合なかった。
「終わりだ」
「鉄、アイアン・ウォール」
ヅドッ!!
「モォォォ!!!!」
ドゴーーーーーーーーーン!!!!
「モォ…………」
「流石」
突如として無限と牛の間に鉄の壁が現れ牛はそのまま鉄の壁に突撃してしまい混乱していた。
「やはりあの女厄介」
「おい、牛、ケンタウロス」
「そろそろお前達の力量がわかってきた」
「フッ!ならば先にあの女を殺るだけだ!」
「はぁ"」
俺はケンタウロスの言葉に心の底から怒りが溢れでた。
「死ね。サイクロン・アロー」
ビュウゥゥゥゥゥ!!!!!!!
「お前…………蒼花をなめすぎだ」
「なに?」
その頃蒼花はケンタウロスが放った嵐の矢をどうするか考えていた。
「…………」
「蒼花様あれは流石に当たれば不味い事になりますよ」
「うん…………でも大丈夫」
「どうしてですか?」
「無限は私を信じてくれた。だから私にサポーターをお願いしてくれた。だって、無限いつも一人でやろうとするから」
あの時もそうだった。あれからいつも一人で抱え込んで、一人で行動している事が多かったから。
「そうですね確かに私達を危険な目に合わせたくないと一人で行動しますから」
「でも、ここの迷宮に来て私達を頼ってくれる。だから私は………自分のできることをする!」
蒼花は手に持っていた杖を嵐の矢に向けた。
「鋼、ダイヤモンド・アロー!」
「私も少しばかり加勢しますよ。風、暴風波!」
バッン!!!! ビュウゥゥゥゥゥ!!!!
蒼花は、ダイヤモンドの矢を放ちキュンは、その威力を上げようと後ろから暴風の波動を矢に上乗せし攻撃力を格段に上げた。
ピキーーーーーン ドーーーーーーン!!
二つの矢の先端がぶつかるとその場に衝撃が生まれ周りを巻き込み爆発した。
「流石、蒼花とキュンだな…威力すげぇ」
「相殺しただと…………」
無限はその場で爆発を少し眺め再度ケンタウロスと牛に剣を構えた。
「さて、そろそろお前を倒さないと勝利を信じている二人に申し訳ないからな。」
「なんだ貴様あの二人が我の矢を相殺するのがわかっていたのか」
「当たり前だろ。俺はあいつらを信じているからな。」
「モォォォォォォ!!」
「「!!」」
ドン!! ドン!! ドン!!
「あの牛は!」
ダッ!!
「…………全身からマグマが溢れてきたか」
大きな足音が近づき音の方向を見ると、さっきまで混乱していた牛が全身からマグマが溢れ出させ、俺のところに一歩ずつ近づいてきた。それを見たケンタウロスは直ぐ様その場から逃げた。
「すぅーーーーはぁーーーー」
ザッ!!
「モォォォォォォ!!」
「不動流剣術格闘、格闘技」
無限は牛に向かって剣をしまい、両拳を構え待っていると、牛はそのまま突撃してきた。
「モォォォォォォ!!!!!」
「はぁ!」
ドゴン!
「モォォ!」
ドゴン! ドゴン!
「モォ!!」
「はぁぁぁぁぁ!!」
ドドドドドドドドドドドドドドドドド
無限は牛が突撃を右に避け、牛の胴体に右拳を当てる。当てられた牛は動が止まり、無限は牛の周りを動きながら、一撃、また一撃と全身に打撃を喰らしていく。
「はぁ!」
ドゴン!
「モォォ………ォォ………」
バタン!!
「西、大威徳明王、乱」
無限は最後の一撃を正面から放ち、牛はその場に倒れた。
「ふぅーーー。流石に魔力を纏った手甲。マグマも軽くしのぐ頑丈さと耐久度だ」
俺は牛を殴る前に手甲と全身に魔力を纏わせておりマグマに触っても影響を受けないようにしていたのだ。
ピュウン!!
「!」
キン!
「最後はお前だケンタウロス」
俺は剣で矢を弾き約一キロ離れているケンタウロスに向けて殺気を放つ。
距離が結構あるな…だが、あの技を使えば距離を詰められる。
「貴様など、我が矢の雨によって息絶えさせてやる」
ドドドドドドドドドドドド
ケンタウロスは無限に向かって何千何万の矢を放つ。
「不動流剣術格闘、剣技」
ダッ!!
「!!」
無限はケンタウロスが放った矢の雨の中走り出した。
「ふん!無謀…………なっ!?」
ダッダッダッダッダッダッダッダッダッダッ
「何故当たらない!?」
「…………」
無限はケンタウロスが放つ矢の雨が降り注ぐ中、一つも矢に当たることなく、矢と矢の僅かな間を走り続ける。それはまるで蛇のような柔軟な動きである。
(何故だ。何故!何故当たらない!この我の矢が何故当たらない!?)
ザッ!!
「終わりだ」
「なっ!」
シュルルル ザキン!!
「ぐはぁぁぁぁ!!」
「南、軍茶利明王」
ケンタウロスは無限が目の前に現れ慌てて矢を構えるが、無限は流れるようにケンタウロスの全身を斬り伏せた。
「お前の負けだ」
「そうだな…………」
バタン
ケンタウロスはその場に倒れ仰向けになってしまう。
「お前に良いことを教えてやる」
「なんだ?」
「……………………」
「はぁ!?」
「去らばだ」
マグマの牛とケンタウロスは光だし消えてしまった。
「…………これで前半は攻略できたか…………南無阿弥陀仏……行くか」
俺は地面に剣を刺し、ケンタウロスに念仏を唱えた。その後、蒼花達の元に向かった。
星の古代迷宮第三階層クリア
続く
66
お気に入りに追加
496
あなたにおすすめの小説
誰一人帰らない『奈落』に落とされたおっさん、うっかり暗号を解読したら、未知の遺物の使い手になりました!
ミポリオン
ファンタジー
旧題:巻き込まれ召喚されたおっさん、無能で誰一人帰らない場所に追放されるも、超古代文明の暗号を解いて力を手にいれ、楽しく生きていく
高校生達が勇者として召喚される中、1人のただのサラリーマンのおっさんである福菅健吾が巻き込まれて異世界に召喚された。
高校生達は強力なステータスとスキルを獲得したが、おっさんは一般人未満のステータスしかない上に、異世界人の誰もが持っている言語理解しかなかったため、転移装置で誰一人帰ってこない『奈落』に追放されてしまう。
しかし、そこに刻まれた見たこともない文字を、健吾には全て理解する事ができ、強大な超古代文明のアイテムを手に入れる。
召喚者達は気づかなかった。健吾以外の高校生達の通常スキル欄に言語スキルがあり、健吾だけは固有スキルの欄に言語スキルがあった事を。そしてそのスキルが恐るべき力を秘めていることを。
※カクヨムでも連載しています
スキル喰らい(スキルイーター)がヤバすぎた 他人のスキルを食らって底辺から最強に駆け上がる
けんたん
ファンタジー
レイ・ユーグナイト 貴族の三男で産まれたおれは、12の成人の儀を受けたら家を出ないと行けなかった だが俺には誰にも言ってない秘密があった 前世の記憶があることだ
俺は10才になったら現代知識と貴族の子供が受ける継承の義で受け継ぐであろうスキルでスローライフの夢をみる
だが本来受け継ぐであろう親のスキルを何一つ受け継ぐことなく能無しとされひどい扱いを受けることになる だが実はスキルは受け継がなかったが俺にだけ見えるユニークスキル スキル喰らいで俺は密かに強くなり 俺に対してひどい扱いをしたやつを見返すことを心に誓った
最強の職業は解体屋です! ゴミだと思っていたエクストラスキル『解体』が実は超有能でした
服田 晃和
ファンタジー
旧題:最強の職業は『解体屋』です!〜ゴミスキルだと思ってたエクストラスキル『解体』が実は最強のスキルでした〜
大学を卒業後建築会社に就職した普通の男。しかし待っていたのは設計や現場監督なんてカッコいい職業ではなく「解体作業」だった。来る日も来る日も使わなくなった廃ビルや、人が居なくなった廃屋を解体する日々。そんなある日いつものように廃屋を解体していた男は、大量のゴミに押しつぶされてしまい突然の死を迎える。
目が覚めるとそこには自称神様の金髪美少女が立っていた。その神様からは自分の世界に戻り輪廻転生を繰り返すか、できれば剣と魔法の世界に転生して欲しいとお願いされた俺。だったら、せめてサービスしてくれないとな。それと『魔法』は絶対に使えるようにしてくれよ!なんたってファンタジーの世界なんだから!
そうして俺が転生した世界は『職業』が全ての世界。それなのに俺の職業はよく分からない『解体屋』だって?貴族の子に生まれたのに、『魔導士』じゃなきゃ追放らしい。優秀な兄は勿論『魔導士』だってさ。
まぁでもそんな俺にだって、魔法が使えるんだ!えっ?神様の不手際で魔法が使えない?嘘だろ?家族に見放され悲しい人生が待っていると思った矢先。まさかの魔法も剣も極められる最強のチート職業でした!!
魔法を使えると思って転生したのに魔法を使う為にはモンスター討伐が必須!まずはスライムから行ってみよう!そんな男の楽しい冒険ファンタジー!
42歳メジャーリーガー、異世界に転生。チートは無いけど、魔法と元日本最高級の豪速球で無双したいと思います。
町島航太
ファンタジー
かつて日本最強投手と持て囃され、MLBでも大活躍した佐久間隼人。
しかし、老化による衰えと3度の靭帯損傷により、引退を余儀なくされてしまう。
失意の中、歩いていると球団の熱狂的ファンからポストシーズンに行けなかった理由と決めつけられ、刺し殺されてしまう。
だが、目を再び開くと、魔法が存在する世界『異世界』に転生していた。
無能スキルと言われ追放されたが実は防御無視の最強スキルだった
さくらはい
ファンタジー
主人公の不動颯太は勇者としてクラスメイト達と共に異世界に召喚された。だが、【アスポート】という使えないスキルを獲得してしまったばかりに、一人だけ城を追放されてしまった。この【アスポート】は対象物を1mだけ瞬間移動させるという単純な効果を持つが、実はどんな物質でも一撃で破壊できる攻撃特化超火力スキルだったのだ――
【不定期更新】
1話あたり2000~3000文字くらいで短めです。
性的な表現はありませんが、ややグロテスクな表現や過激な思想が含まれます。
良ければ感想ください。誤字脱字誤用報告も歓迎です。
『収納』は異世界最強です 正直すまんかったと思ってる
農民ヤズ―
ファンタジー
「ようこそおいでくださいました。勇者さま」
そんな言葉から始まった異世界召喚。
呼び出された他の勇者は複数の<スキル>を持っているはずなのに俺は収納スキル一つだけ!?
そんなふざけた事になったうえ俺たちを呼び出した国はなんだか色々とヤバそう!
このままじゃ俺は殺されてしまう。そうなる前にこの国から逃げ出さないといけない。
勇者なら全員が使える収納スキルのみしか使うことのできない勇者の出来損ないと呼ばれた男が収納スキルで無双して世界を旅する物語(予定
私のメンタルは金魚掬いのポイと同じ脆さなので感想を送っていただける際は語調が強くないと嬉しく思います。
ただそれでも初心者故、度々間違えることがあるとは思いますので感想にて教えていただけるとありがたいです。
他にも今後の進展や投稿済みの箇所でこうしたほうがいいと思われた方がいらっしゃったら感想にて待ってます。
なお、書籍化に伴い内容の齟齬がありますがご了承ください。
神速の成長チート! ~無能だと追い出されましたが、逆転レベルアップで最強異世界ライフ始めました~
雪華慧太
ファンタジー
高校生の裕樹はある日、意地の悪いクラスメートたちと異世界に勇者として召喚された。勇者に相応しい力を与えられたクラスメートとは違い、裕樹が持っていたのは自分のレベルを一つ下げるという使えないにも程があるスキル。皆に嘲笑われ、さらには国王の命令で命を狙われる。絶体絶命の状況の中、唯一のスキルを使った裕樹はなんとレベル1からレベル0に。絶望する裕樹だったが、実はそれがあり得ない程の神速成長チートの始まりだった! その力を使って裕樹は様々な職業を極め、異世界最強に上り詰めると共に、極めた生産職で快適な異世界ライフを目指していく。
【改稿版】休憩スキルで異世界無双!チートを得た俺は異世界で無双し、王女と魔女を嫁にする。
ゆう
ファンタジー
剣と魔法の異世界に転生したクリス・レガード。
剣聖を輩出したことのあるレガード家において剣術スキルは必要不可欠だが12歳の儀式で手に入れたスキルは【休憩】だった。
しかしこのスキル、想像していた以上にチートだ。
休憩を使いスキルを強化、更に新しいスキルを獲得できてしまう…
そして強敵と相対する中、クリスは伝説のスキルである覇王を取得する。
ルミナス初代国王が有したスキルである覇王。
その覇王発現は王国の長い歴史の中で悲願だった。
それ以降、クリスを取り巻く環境は目まぐるしく変化していく……
※アルファポリスに投稿した作品の改稿版です。
ホットランキング最高位2位でした。
カクヨムにも別シナリオで掲載。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる