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第一章始まりと星の古代迷宮

3神様

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俺達はマリンさんの案内で儀式の間に着いた。そこは広々とした空間で壁は大理石で覆われ、そして唯一この部屋にあったのは水晶を持った石像であった。

「マリンさん。この像は?」

「はい、この石像はこの世界の創造神です。数百年前に勇者が召喚された時に作られたとされ、今ではこの像は我々の象徴とされいます」

「その創造神に名前とかあるのか?」

「いえ、ありません」

「へぇ~ねぇのか」

普通なら神には名前があるはずなんだが……しかもこの石像なんか違和感があるな……昔興味本位で世界の神像を本で見たことあるが……

本当に違和感しかない!なんだあの左右非対称な腕。しかも髪毛はやたら長いし、女の神かと思ったが顔は爺だしこの世界の創造神てどんな神だよ。

「なんかこの像少し違和感があるで御座るな」

「そうだな無限お前どう思う?」

「ちょうど俺も同じ考えをしていた所だ尾田、謙信」

「だよな」

「お前達もそう思うか」

「「「無灯先生!!」」」

俺達が話していると無灯先生が会話に入ってきた。

「確かに世界の神の石像を直接見に行った俺ならわかる。この石像は特徴的な部分を合わせた石像と見える」

「無灯先生。まさかの俺達と同意見を持っているとは……」

「流石、社会科の先生で御座るな」

「物知りだな」

「生徒達に社会を教えるためにはこれぐらい知っておかないとな」

無灯先生は熱い人で生徒思いの人だ。こんな俺でも優しく接してくれる。

「では皆様。これよりスキルの儀式を執り行います。石像の前にお進みください」

俺達は石像の近くに行くと、突如として石像が持っている水晶が金色に光始めた。

「一体何だ!」

「水晶が光って!」

「眩しい!」

「皆様!?」

「くぅ!」

儀式の間が水晶の光に包まれてしまった。全員が気がつくと、そこは何もないただ白い空間であった。

「ん……何だここは真っ白な空間?」

「何で御座るか?」

「一体何が起こったんだ?」

「異世界の者達よ。よくぞ参った」

「「「「「「「!!」」」」」」」

俺達は声のした方を見るとそこには神々しいオーラを放っている人達がいた。

「あ…貴殿方は?」

「我々はこの世界の神々である」

「かっ神様!!」

「嘘?本当にいたんだ」

「けどあの石像と違うじぁねぇか」

「偽物か?」

「本物だ。あの石像はな最初の勇者があちらの世界の者に『神はどんな姿だった』と質問され、焦った勇者は我々の特徴的な部分を言ってしまい、あんな石像になってしまったんだ」

「成る程。貴殿方が本当に神様だとわかりました」

「神様て多いんだな」

「地球でも同じだね」

「ビックリ~」

やっぱり俺達の考えは合っていたな流石にあんなのがこの世界の神だったら反射的に殴っていたかもな。

「それで神様。我々は貴殿方にスキルを与えるとマリンさんから聞いているのですが?」

「うむ、その通りだ。今この世界は魔王によって危機に貧している。その為我々は、異世界に召喚された者にスキルを与えるのが役目なのだ」

「我々はこの世界に直接干渉はできない」

「ですから、異世界より召喚された皆様に我々のスキルを授けます」

「てなわけで先ずは俺からだ!」

「いや私よ!」

「何よ私が先でしょ!」

「俺様が先だ!」

「皆の者落ち着け」

神達は不動達に早くスキルを授けたくて誰が先に授けるか揉めていた。そんな中少し離れた場所に全身グレーのローブを着た爺さんが座っていた。

俺は気になりその人の元に近づいた。

「あの~」

「ん?何じゃお主?あの神達からのスキルを貰いに行かんのか?」

「それも良いんですが、どうせ今は誰が先にスキルを授けるか揉めてますし……俺が必ず貰えるかどうかわかりません…それにあなたの事が気になりましたから」

「そうか中々良い者じゃな。気に入った。少しついてきなさい」

「はい?」

「なに私も神でな。どうせ揉めるとわかっていてここにいたんじゃ。案の定揉めておるし、授けるのに時間がかかる。だから少し私と話さぬか」

「構いませんよ」

「そうか。ではついてきなさい」

俺は爺さん、いや神様に連れられ少し歩くと、さっきまでなにもなかった所から昔ながらの家が現れた。

「!!」

「驚いておるな。これは私の家じゃ」

「何故こんなところにこんな家が?こんな何もないところに家があるなら直ぐにわかるはず……」

「それはな、私が許可した者は見え、許可してない者は見えないのじゃ。あそこにいた神達ですらな」

おいおいどんな神様だよ……もしかしたら凄い神様に話しかけたのかもな。

「では入りなさい」

「お邪魔します」

俺は神様に言われ、家の中にあがった。昔ながらの家作りで、畳があり何処か懐かしさを感じさせる雰囲気だった。

「お茶じゃ」

「どうも」

神様から畳に四角いちゃぶ台のある部屋に案内され、座布団の上に座ると神様はお茶を出してくれ、俺の反対側に座るとフードを脱いだ。

「何から話すかの。お主名前は?」

「不動無限と言います」

「そうか無限か。よろしく。そしてすまないな。異世界の住人のお主がこの世界の問題に巻き込んでしまって」

「いえ、気にしないでください。召喚されてしまった以上どうこう言えませんから」

「優しいの~」

「それで一つ質問なんですが」

「何じゃ?」

「俺らは元の世界に帰えれるんですか?」

よく漫画やアニメでは魔王を倒せば元の世界に帰られるのが当たり前だが、戻れない可能性もある。それを聞かなければ魔王を倒した後の事も考えないと行けない。

俺はお茶を飲みながら、神様の顔を見ると神は申し訳なさそうな顔になっていた。

「申し訳ないがそれはな無理なんじゃ」

「理由を聞いても?」

「こちらの世界ではお主のいた世界に帰す事ができない決まりでな。更には返す時次元を越えるとお主達の肉体が耐えきれないからじゃ」

「成る程。わかりました」

「度々すまんの」

「帰られないなら帰られない分こちらの世界で過ごします」

「そうじゃ!お主スキルを授けるんじゃがぴったりなスキルがある」

「何ですか?」

「無限じゃよ」

「無限!!」

確かに俺は名前は無限だし無限の可能性を信じているがそれだけでスキルが無限てチート過ぎるスキルを授ける神様だな。

「あの!貴方は何の神様何ですか」

「そう言えば言っておらんかったの私は無限神。ありとあらゆる可能性を切り開かせる神じゃよ」

「まさかそんな凄い神様だったとは」

「ホホホ。これも何かの縁じゃな。それにお主はあの時私が一人でいたのを気にして声をかける優しさを持っておる。無限の可能性を信じておるじゃろ。実にお主に相応しいスキルじゃないか」

ありとあらゆる可能性を切り開かせる無限神……本当にこれも何かの縁かもな。

「ではスキルを授けるから私の元に」

「はい」

俺は無限神様の近くに行き正座すると無限神様は立ち上がって右手を頭に乗せると手が光出した。
少しすると光が消えてしまった

「これでスキルを授け終わったぞ『ステータス』と心で念じれば能力が見れるからの」

「ありがとうございます。無限神様」

「気にするな。さて、そろそろ時間じゃ」

「!!」

無限は全身が光始めているのに気がつくと、少しずつ薄くなっていた。

「無限よ。お主これから頑張るんじゃよ」

「はい、スキルありがとうございました。また何処かでお会いしましょう」

無限はそのまま光に包まれ消えてしまった。

「ホホホ。これからあやつの冒険が楽しみじゃわい。さてと、色々準備するかの」

続く
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