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第一章始まりと星の古代迷宮
2勇者と魔王
しおりを挟む「勇者様!!どうかこの世界を魔王からお救いください!!」
光に包まれたと思ったらやっぱり異世界召喚か本当にあるんだな。さて、どうするか他の連中も起きているな。
「貴様らは何者だ!誘拐犯!目的はなんだ!我々をどうするつもりだ!」
おお~流石が無灯先生、生徒を守る教師の鏡だな。まぁ、確かにこっちの人間からすれば世界の救世主である俺達からすればこいつらは誘拐犯だ。現実は残酷だな………さてと
「大丈夫か、尾田、謙信」
「はい、何とか」
「大丈夫だ。問題ねぇ」
「しかし無限殿、やはりこれは」
「尾田も気づいたか。これはどうやら異世界召喚らしいぞ」
「「!!」」
俺は尾田と謙信の無事を確認し、状況を説明したら二人は驚いたものの少し感動に浸っていた。
「まさか本当に異世界召喚があるとは!感激で御座る」
「しかし………どうする俺達」
「まぁ、今は先生が話しているがどうしたものか」
「ん……」
「大丈夫か、蒼花」
「大丈夫。ありがとう」
俺は倒れている蒼花に手を貸して立たせるすると他の連中もだんだん立ち上がってきた。
「大丈夫?蒼花?!」
「怪我してない?」
「大丈夫?」
蒼花の周りに女子達が集まると、俺を睨みつけた。俺はその場を後にもう一人倒れている奴の元に向かう
「なんだ一体?」
「大丈夫か?風影」
「嗚呼…何とか」
前髪が目元までかかっているこいつは源風影【みなもとふかげ】俺を嫌わないでいてくれる最後の一人だ。
「なぁ…無限」
「わかっている。どうやら色々と面倒な事になりそうだな」
俺は無灯先生の方を見ると、織田達が集まり白いドレスを着た女性と話していた。
「皆聞いてくれ!!どうやら俺達は異世界に召喚されたらしい。今は落ち着いてこの人の話を聞こう」
「アァ!?異世界!?ざけんな!」
「そうよそうよ!速く家に帰しなさいよ!」
「ふざけんじゃねぇ!」
「異世界てなんなのよ!!」
「てめぇら!一旦黙ってろ!!」
「「「「「!!」」」」」
無灯先生の言葉に不良達は状況が理解できず反発してきたが、荒木が大声を上げると同時に黙ってしまった。
流石荒木。不良グループのリーダーだな。
「てめぇら状況を考えろ!どう考えても異常だろ。こんな事。なぁ織田!」
「そうだな。他の皆も落ち着いて先ずはこの人達の話を聞こう」
「そうだ。先ずは現状の把握からだ」
「そうだよ。さぁ!行こう」
「お前ら、この人達に着いていくぞ!」
俺達は無灯先生や織田達と共に、白いドレスを着た女性と騎士達に連れられ食堂に向かった。食堂に着き、テーブルに座ると白いドレスを着た女性が話し始めた。
「改めて皆様初めまして。私はこの国の第一王女マリン・マハラと申します。以後お見知りおきを」
「このクラスの担任、無灯炎と申します。マリン殿…どうして我々を誘拐もとい、この世界に召喚したんでしょうか?」
「それにつきまして申し訳ありません。ですが我々に残された道は一つしかなかったもので」
マリン・マハラさんの話によれば、数百年前この世界は、魔王によって侵略を受けていた。だが、その時異世界より勇者が召喚され、魔王を倒し平和が訪れた。しかし、その魔王の子孫達が生き残っており、数百年の時をかけ再び、その子孫の一人が魔王となり侵略を開始した。
この世界は大きく分けて四の国がある。
俺達が今いる国は、大陸の中央の位置に面し、『神に仇なす者は排除する』と神の信仰がもっとも強い国
【神聖キリス共和国】
北には獣人達が多く住んでいて、獣人の王が治めている国
【リード王国】
東はエルフ達やドワーフ達が住んでおり、森と山で囲まれエルフとドワーフの二人の王が治めている国
【フェレスト王国】
西は海に面しており、亜人と人間が共存し暮らしている国
【エイレー王国】
その他にも小さい国がある。そして南に面している土地が今は魔王が住むと言われ現魔族領とされている。
「我ら人類は魔族達の被害の影響が激しく我が父国王と各国の王達が話し合い勇者召喚を行おうと決定したのです」
「一つよろしくて?」
「はい!?何でしょうか?」
「勇者とは何なんですの?」
王女に質問したのは東雲彩【しののめさやか】東雲財閥のご令嬢で気が強い女。
「勇者……言い伝えでは異世界より召喚され、魔王を倒す者と我が国には言い伝えられております。他の国では変革をもたらす者等、数多くの伝承が残されています」
「つまり我々はその魔王と戦えと」
「はい……」
「ふざけるな!生徒達を危険な目に遭わせるわけにはいかない!」
「「「そうだ!そうだ!」」」
無灯先生筆頭に抗議の声が上がる。
「エン様の言う通りかもしれませんですが、我々も持ち得る全ての戦力を持って戦いました。結果は敗北。そして多くの兵士を失いました。だからこそ我々はもはや貴殿方に頼る他ありません!どうかご協力下さい。お願いします!!」
マリンさんは、涙を流しながら頭を下げてきた。
さて、どうしたものか。現状をある程度把握はできたが、リスクが高すぎる最悪は死ぬかもしれない。そんな戦いにこいつらが身を投じられるのか。
そんなマリンに一人の男が手を差しのべた。
「頭を上げてください。マリンさん」
「えっ……」
「貴殿方の願い、この織田明が果たして見せましょう」
「アキラ様……」
差しのべたのは織田明である。織田はマリンさんをゆっくりと立ち上がらせ、俺達に向かって声を上げた。
「皆!!俺はこの世界の人々の為この人達に力を貸そうと思う!」
「織田、お前何を言ってるんだ!?」
「無灯先生。ここは明の話を聞いてください。あいつは大丈夫です。先生ならそれを知っているはず」
「豊緑…」
無灯先生は織田を止めようとしたが、豊縁によって止められて無灯先生は黙ってしまった。
「確かにいきなりこの世界に呼ばれ不安な気持ちはわかっている。でも俺は魔王のせいで苦しんでいる人達を放っておけないだから皆俺に力を貸してくれ!!」
「明、お前がやるなら俺もやる!この世界に興味があるからな」
「僕もだね!この世界の皆を笑顔にしたいから」
「明様がなさるのなら私もお供いたしましょう」
「学様お供します」
「力殿と共に行きます」
「織田君達がやるなら私も!」
「なら私も!」
「兄貴はどうします?」
荒木は少し黙っていたが直ぐに立ち上がり不良達を見た。
「やるしかねぇだろ!お前ら!!」
「「「「「「「おお!!」」」」」」」」
「くぅ……仕方ないか」
「やるで御座る」
「やってやるか!」
流石、政治家の息子クラスの不良達と女子達をまとめたな。更には無灯先生まで説得するとはな……尾田と謙信もやる気みたいだな俺は……
『無限。お前は誰よりも優しく、そして、無限の可能性を信じて進めよ』
『うん!わかったよおじいちゃん』
『無限……お前は自由に自分の意志で生きろよ』
『兄ちゃん!!兄ちゃぁぁぁん!!』
俺は目を閉じ少し過去を思い出していた。じいちゃん、兄貴やるよ。
「では、皆様早速スキルの儀式を始めましょう」
「スキルの儀式?」
マリンは真面目な話を始めた。
「はい、異世界の方々はこちらの世界に来た際に、儀式によって神よりスキルを得られます」
「神に会えるのか?」
「それは我々にはわかりません。ですが、伝承によればそう言い伝えられてます」
「わかりました。行きましょう」
俺達はマリンさんの案内で儀式の間に移動した。この時の俺は知らなかった。まさか本当に神に会えるとはな。
続く
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