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隣国エテルカールトン

ご注文(2)

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 以前“防具”を作った時は成り行きで、詳しい知識もなく思うがままに作ったので私も“防具”の事をちゃんと理解したのは最近の事だ。
 ルーペリオさんの講義によると、“防具”は素材が《変換》されて“防具”になり、《変質》が付与される。
 そして素材にした物の品質と《変換》の過程がその防具の品質となる。
 例えば、『革ベスト』を作るとする。
 『革ベスト』に必要な素材、革と糸と革紐を用意して『革ベスト』の形を作る。この過程で素材は《変換》されて“防具”=『革ベスト』になる。
 そしてアイテム名が『革ベスト』になり、同時に《変換》は《変質》に変わり、例えどんな体型でも身体に合うようになる。そして、使った素材の品質と製作者の技術力で『革ベスト』の品質レベルが決まるのだ。
 よって、名前がついた“防具”はど素人が作った下手な物も職人が作ったしっかりした物も全く見た目が同じの『革ベスト』になる。
 ただし、色に関しては使った素材の色が反映される。
 これが一般的な“防具”だ。

 だけど、私が作る“防具”は“防具”ではあるものの、作っても見た目はそのままなのだ。
 勿論、従来品である『革ベスト』などを作ろうとすると同じく『革ベスト』になってしまうのだが、
 私が考えた“防具”に関してはその限りではないようで、《変換》されていない。そしてもっと不思議なのが、《変換》されない為《変換》が《変質》に変わらないのだが、『ドレスアーマー』は“防具”である為、《変質》は起こる。よって従来品のように《変質》も《付与》されていない。なので私は防具に《付与》を三つ付けることが出来る。
 これは一種のバグ的な物なのだろうか。

 そのおかげで私は“防具”を自由にデザイン出来る。

「お二人はいつもどのようなお洋服を着てらっしゃるのですか?」

「んー、私は基本的に今日みたいな短パンスタイルが多いかな。カテシャはワンピースをよく着てるわ」

「では、“防具”もそういった雰囲気で作ってみてはどうでしょうか?」

「…で、出来るなら嬉しいけど…」

「でも、防御力の方が気になります」

 前回女性用に作ってた物が『ドレスアーマー』くらいしかなかったのでヘルマさん以外はアクセサリーだけの使用で実際に私の作った“防具”を使ってはいない。

「あれから試着ように何種類か作ってあるので着てみますか?」

「「着たい!」」

 やっぱり女の子だ。おしゃれがしたいのは変わらない。

「お色や形、素材に拘りはありますか?」

「私はフリフリ、ジャラジャラと色々付いてるのはあんまり好みじゃないわ。役割的に言うと私は斥候だから動きにくいのも音が出るのもダメね。かと言って遊撃もするから防具に穴があると困る」

「では、ベースはチュニックとショートパンツで、防具は『ビスチェ』。それでそれなりの防御力はあるのですが、更に防御力を補うならこのハイソックスもしくはロングブーツを合わせるといいかもしれません」

「着てみるわ!」

「私はフリフリもジャラジャラも結構好きです。魔法使いだから防御力もそうですが、欲を言えば前に使わせてもらった《MP回復》のアクセサリーは欲しいです」

「では、カテシャさんはこちらのワンピースとローブで、防御力を補いつつMP回復だと…この帽子とこのショートブーツ辺りでどうでしょう?」

「帽子に《MP回復》!?リザさんの“防具”は一体どうなってるのですか!?」

 二人も乗り気になってくれたようで嬉しい。
 最近はヘルマさんの防具が街で可愛いと評判になって来ている。
 …ってエルフィンくんが言ってた。

「じゃあ私もこの辺の試着させて貰うわね」

「はい!」

 【白き百合】の四人が着てくれれば良い宣伝になるだろうし、更に噂になって注文も入るかもしれない。
 そしたら、前に作ったヘアアクセサリーも売れるかもしれない。





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