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私、異世界に行きました。

私、保護者を間違えたかもしれません。

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「はあ、はあ、も、もう無理ーーーー」
「叫ぶ体力があるなら大丈夫だ。」
「ぐっ。」

私は、今、すごく疲れている。
そして、冒頭のセリフを叫んだのだが、美女、いや脳筋野郎に冷静に論破された。

「くっそう、脳筋野郎の癖に。」
「おい、聞こえてるぞ、誰が脳筋だ。
このガキ。」 
「うん、確かに。」
「おい、お前もしばかれたいのか、ブラウン。」
「よろしくお願いします。」
「キモいから寄るな。ど変態。」
「酷いな。見た目だけだとしても美女なら叩かれたいと思うのは、男として当たり前だろ。」
「…………………」
「すいません。冗談です。お願いですから、無言で剣を構えないでください、ティリー様。」
「これから、お前は一切喋るな、いいな。」

私が、空気と化している。
これが、大人というものか!

「多分だが、お前の考えていることは違うぞ。」
「お前、今、馬鹿な事考えていただろう。間抜けな面が、ますます間抜けになってたぞ。」

ま、まあ、それは置いといて、今の状態は、
思ったよりこの脳筋野郎共のペースが速くて、私がついていけないという状態だ。

「なんで、ブラウン、てめえは誇らしげなんだ?」
「なんとなく褒められた気がしたんだ。」
「大丈夫だ。てめえが、褒められる時は、大概、皮肉だ。」
「ひでえ。(泣)」
「そうですよ。ブラウンさんが、褒められる時は、世界の終わりの時です。」
「泣くぞ、この女共。」
「もう、泣いてるじゃないですか。」

思ったより、虐めるのが楽しい。

「ひっ、なんか寒気がする。」
「気のせいですよ。ブラウンさん。それより、本当に疲れてきたのですが。」
「なんか誤魔化された気がするんだが。
まあ、本当に疲れてきているみたいだし、転移魔法を使うか。」
「よろしくお願いします。」

さらっと出てきたな、魔法。

「転移!…………………おかしい、魔法が発動しない。」
「失敗したんですか?ブラウンさん。」
「いや、失敗していても、魔力が減るはずだ。
……………まさか、結界が広がっている!!」
「それがどうしたんだ?」
「街に、被害が出てるって事だよ!
盗賊が逃げられない様に魔法結界が広がっているんだ。急いで向かわないと。」
「じゃあ、急ぐぞ。ガキ、てめえは遅いから、俺がおぶってやらあ。」
「は、はい、お願いします。」
「スキル発動、脚力強化!」

いきなり、ブラウンさんとティリーさんが発光し始めた。
そして、人間じゃないレベルの速さで走った。
一瞬のうちに街に着き、凄惨な光景を私たちに発見させた。
そこらじゅうに死体があり、盗賊が兵士と戦っている。
盗賊がこちらを見たかと思うと、絶望した顔で

「おめえら、逃げるぞ!
<気狂い>ティリーと<絶望の魔術師>ブラウンが、来やがった!」
「そうはさせるか!!!」
ボシュー
「ぐああ、目があ、目があ、見えないぃ。」
「ほんと、てめえは、えげつない事するよな!」
バシュッ、ガンッ、ブジッ
「お前もな!」
ボボボーン、バーン

えっと、コレハドウイウコトダロウ。いやいや、落ち着け、私。
まず、ブラウンさんが、紫色のいかにも毒々しい煙を出し、敵の目を潰し、
次に、ティリーさんが、叫びながら、敵を薙ぎ倒し、
最後に、ブラウンさんが爆炎を敵の集まっている所へ飛ばした。
ウン、オカシイヨ、明らかに人外レベルの活躍をしておられるよ。
だって、だって、敵が、もう、ほとんどいないもの。
しかも、二人共とんでもない二つ名なんだけど!何だよ、気狂いって!?
私の小3の時のあだ名と同じですね、黒歴史だけどな!

「大丈夫か、ガキ?」
「ハイ、ダイジョウブデス。」
「ああ、子供には、刺激が強過ぎたか?」

手を差し出してくれた、ティリーさんの後ろに敵が武器を振りかぶって、
今にも殺そうとしているのが、見えたその瞬間、

ボンッ、バーン
「あっ、手加減間違えちゃった。」

ブラウンさんが敵に爆炎を飛ばした。
それにより、ティリーさんが、吹き飛ばされ、血だらけになって、ブラウンさんが追いかけ回されるのは、当たり前だ。

「ブラウン、てめえ、このヤロー!!!」
「ヒィー、ごめんなさい~。」

こうして、私は、保護者を間違えた事に気付きました・・・。
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2015.12.02 ユーザー名の登録がありません

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