Another World

第一章

攻撃的彼女

僕の彼女はかわいい。
だけど、攻撃的。
夜、眠る前には僕の体をいじって、そばにいる事を何回も確認するんだ。
夜、眠りの途中で目が覚めた彼女は、唇を薄く開けたまま、僕の顔を覗き込んでくるんだ。
かわいくて、刺激的。
僕しか知らない無防備な姿。
夜はかわいいんだけど、朝は機嫌が悪いんだ。
女の人には、多いのかな?
僕は、彼女しか知らないから、他の人の事は分からないけど。
夜は、僕の体にすがってきた手なのに、朝には僕の事を叩くんだ。
最近は、叩く力が強くなってきて痛い。
残業が続いてるから、疲れがたまってるんだろうけど、八つ当たりは嫌だよ。
僕がいないと困るのは彼女なのに。
最近、僕の大切さを忘れてるみたいだから、僕は意地悪をしたんだ。


「うっそ！！」
彼女が大声をあげて、僕を持ち上げた。
時間はすでに八時半を過ぎている。
完全に遅刻だね。
だめだよ。
目覚まし時計は、大切にしないと。