上 下
39 / 57
本編

第38話

しおりを挟む
〈あお視点〉



あらんお兄ちゃんとクロと別れた後あお達は魔法で魔物との戦闘に苦戦している冒険者や負傷した人たちを助けながら教会に向かった。教会に着くとまず、負傷していた人を教会の中に入れて外の様子を見てみると冒険者の人たちが苦戦していた。するとゆうりお兄ちゃんが
「あおとルナは中で治療頼まれてくれるか?さっき見た感じ治療できる魔法使いが少ないみたいだから。リーゼさんこいつらの付き添いお願いします」
と言ってきたからリーゼさんと共に教会の中に入ろうとしたらルナちゃんが耳元で話しかけてきた
「あおお兄ちゃん!少しだけ魔物減らしてあげよう?ゆうりお兄ちゃん一人でだと多分カバーしきれないから!」
「わ~!それはいい考えだね!よし!ならあお左側の魔物やるね!」
「わかった!あっ、リーゼさんが見てない隙にやろ!こっそりやって後であらんお兄ちゃんに褒めてもらうの!」
「よし!頑張る!じゃあ、リーゼさんが見てない今のうちにやるよ!『フャイヤーアロ』」
と一気に唱えるとルナちゃんは「『アイスアロー!』」と唱えていた。
すると前線にいたゆうりお兄ちゃんは誰がやったかすぐにわかったのかあお達に向かって手を振ってきた。それに手を振り返してあらためてリーゼさんと教会の中に入るとそこはもう血の匂いでいっぱいだった。しばらく中を進んでると冒険者ギルドの職員みたいな人が
「一般人は孤児院に避難してください。冒険者の方は魔物を討伐を、治療ができる方は治療をお願いします。もしかしたらもうここも安全ではなくなるかもしれませんが」
と言ってきた。
ふむ、孤児院が避難所になってるのか~それより!安全じゃなくなるってどういうことなんだろ?いま、ギルドの偉いお兄さん(おじさんにそう言えって言われた)とあらんお兄ちゃんとクロが門に向かったからこれ以上は魔物来ないと思うけどと思っているとリーゼさんが
「今、旦那と信頼できて強い冒険者パーティーがこの町に来たのでもう大丈夫ですよ。とりあえず私は、孤児院の方で避難している人たちの様子を見てきますね。あおくんとルナちゃんも一緒に行きますか?」
と職員さんに言ってあお達に聞いてきた。するとルナちゃんが
「私たちは治療できるから治療を手伝うよ!」
と言って手を引っ張って連れていかれた。え?あおは光属性の魔法の適性がないから使えないはずだけど...と思ってると人があまり来なさそうな場所に連れてこられて
「あおお兄ちゃんは私と契約したから光属性の魔法も使えるんだよ!だから私と一緒に魔法使お?エリアヒールって言ってね!タイミング合わせると効果範囲が広がるんだ!」
と言われた。
「ふむふむ、ならクロとゆうりお兄ちゃんも使えるようになってるのかな?」
「なってると思うよ!ひとまずはケガしてる人たちの真ん中に行こ!」
とまたまた手を引かれて怪我人が集まる場所へと行きその真ん中に行った
「よし!ここにいる人たちを治せるようにってイメージして呪文を唱えるの!できる?」
と顔を覗き込まれて聞かれた。それに頷き
「5秒たったら唱えるよ!」
と言うと、ルナちゃんも頷き
5秒数えた。5秒ぴったし経つと2人の声が完璧に重なった
「「エリアヒール」」
と唱えると魔力が半分は吸われたが自分たちのいるところから大きい円を描くように光が出てきた。すると、次々にけがをしている人が治っていってる。それを見たルナちゃんがすっごい笑顔で抱き着いてきた。........まぁ、あおとルナちゃんはそんなに身長も変わらないから受け止めらるわけもなくその場に二人で転んだ
「えへへ!あおお兄ちゃん!やったね!初めてなのにすごいよ!」
と褒められた。
っと、2人とも転んだ拍子にフードが取れっちゃった...ん~あらんお兄ちゃんに結ってもらったこの髪型は好きだけどあおにまでやるとは思わなかったな...とルナちゃんの髪を見ながら思ってるとそこにゆうりお兄ちゃんがやってきて
「お前ら~なんでフード外してるんだ?ルナはともかくあおは危ないだろ?」
と注意された。
「えーと、私があおお兄ちゃんに突進しちゃって...!ごめんなさい...!」
とルナちゃんがすぐに謝った。でもこの感じ見た覚えあるんだよね...ってかあおも今、あらんお兄ちゃんに抱き着くときほぼ突進してるし...と少し気まずく思ってると
「まぁ、別に大丈夫だけどな!きっと誰かさんに似たんだろ」
とにやにやしながらこっちを見てきた。
う~なんかゆうりお兄ちゃんあらんお兄ちゃんがいないからってあおをからかいに来てない!?あらんお兄ちゃん早く来てほしいよぉ...!と思ってるとあらんお兄ちゃんの魔力がここまで伝わってきた
「っ...!さすがだよね、あらんお兄ちゃん。多分、強い魔物と戦ってるんだろうな~そういえばゆうりお兄ちゃんはもう中に入って大丈夫なの?」
「あ~おかげさまでもう見えるとこに魔物はいないから冒険者たちが入り口で監視してるぞ」
「そうなんだ!お疲れ様!ゆうりお兄ちゃん!えーとね、私、孤児院の方行ってみたい!」
「お?いいぞ?っと、リーゼさんはどこに行ったんだ?」
「えーと、孤児院の方見に行くって言って消えちゃった!ゆうりお兄ちゃん抱っこして!」
とルナちゃんがゆうりお兄ちゃんに甘えてる。
「りょーかい。いいぞ?」
と言ってルナちゃんを抱っこし
「あおも行くぞ~」
と言って手を握ってくれた。
そのまま孤児院の方に行き、リーゼさんと合流してあらんお兄ちゃん達が戻ってくるのを待った。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!

当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。 しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。 彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。 このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。 しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。 好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。 ※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*) ※他のサイトにも重複投稿しています。

オレ様&ドSな神楽様は、地味目な彼がお好きでした。

夕時 蒼衣
BL
 クラスでも目立つ、キラキラとした存在。それが、清水 神楽という彼への僕の印象。  ある日、そんな彼が、地味で目立たないと定評のある僕(島田 祐一)に話しかけてきて…!?  ドSでオレ様な神楽に祐一は、徐々に心を開いていく。  いつからだろうか。男同士なんて頭の片隅にもなかったのに。いつのまにか、彼を好きになっていた。ああ、神楽様は今日もかっこいい。

白雪王子と容赦のない七人ショタ!

ミクリ21
BL
男の白雪姫の魔改造した話です。

男だけど女性Vtuberを演じていたら現実で、メス堕ちしてしまったお話

ボッチなお地蔵さん
BL
中村るいは、今勢いがあるVTuber事務所が2期生を募集しているというツイートを見てすぐに応募をする。無事、合格して気分が上がっている最中に送られてきた自分が使うアバターのイラストを見ると女性のアバターだった。自分は男なのに… 結局、その女性アバターでVTuberを始めるのだが、女性VTuberを演じていたら現実でも影響が出始めて…!?

陰キャ系腐男子はキラキラ王子様とイケメン幼馴染に溺愛されています!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 まったり書いていきます。 2024.05.14 閲覧ありがとうございます。 午後4時に更新します。 よろしくお願いします。 栞、お気に入り嬉しいです。 いつもありがとうございます。 2024.05.29 閲覧ありがとうございます。 m(_ _)m 明日のおまけで完結します。 反応ありがとうございます。 とても嬉しいです。 明後日より新作が始まります。 良かったら覗いてみてください。 (^O^)

全寮制男子高校生活~行方不明になってた族の総長が王道学園に入学してみた~

雨雪
BL
スイマセン、腐男子要素どこいった状態になりそうだったんでタイトル変えました。 元、腐男子が王道学園に入学してみた。腐男子設定は生きてますがあんま出てこないかもです。 書いてみたいと思ったから書いてみただけのお話。駄文です。 自分が平凡だと本気で思っている非凡の腐男子の全寮制男子校での話。 基本思いつきなんでよくわかんなくなります。 ストーリー繋がんなくなったりするかもです。 1話1話短いです。 18禁要素出す気ないです。書けないです。 出てもキスくらいかなぁ *改稿終わって再投稿も終わったのでとりあえず完結です~

真冬の痛悔

白鳩 唯斗
BL
 闇を抱えた王道学園の生徒会長、東雲真冬は、完璧王子と呼ばれ、真面目に日々を送っていた。  ある日、王道転校生が訪れ、真冬の生活は狂っていく。  主人公嫌われでも無ければ、生徒会に裏切られる様な話でもありません。  むしろその逆と言いますか·····逆王道?的な感じです。

処理中です...