俺のごはん

籠 冬雪

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お弁当交換と部長の秘話

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カタカタカタ……(PCを打つ音)

はぁ、周りでは皆お昼ご飯を食べていていい香りが漂っている

向かいのデスクの後輩も、俺に見せつけんとばかりに肉汁滴る肉を頬張っている…………美味そうだ

俺も早く昼飯にしたいのだが出来ない理由がある

なぜなら……

『せーんぱいっ!!今日は県外から取り寄せたスイーツですよ~??どうですか?チラッ!!どーですか!?チラッ』

小春さんが斜め後ろからお弁当とスイーツをチラチラと見せてくる

俺の弁当と交換を迫ってくるのだ

「ごめん、今日はちょっと忙しくて…」

そう言ってやり過ごそうとすると

『君!女性をないがしろにして仕事に励むとは…!!いや、部長としては嬉しいが、俺、秀人ひでととしては感心せんな!!!』

ぶ、部長……

『実は誰にも言ったことないが、俺は家庭を大切に思うがあまり、もっと稼がなくてはと仕事に励みすぎた。そのせいで家庭の時間が削られていき…今ではバツ3に…だから!君にはそんな思いをして欲しくないんだ!』

「いえ、部長、俺と小春さんはそういった関係では…」

ぐうぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ

このタイミングで腹が鳴ってしまった

恥ずかすぃー

『さ、お腹すいているなら早く食べなさい』


「……はい」


恐る恐る小春さんの方を向くと、案の定ニコニコ笑顔でこっちを見ていた

…お弁当とスイーツを両手を持って


「今日だけだよ」

そう言って弁当を交換し、スイーツを頂いた


パカッ

お弁当の中身は昨日とそれほど大きく変わってはいないように見えた

何から食べようか迷う…

「いただきます」

タコさんウインナーと目が合ったので、とりあえず頭からいった

パクっ

!!!!!!!!!!!!!

昨日より美味しい!

『どうですか?タコさん今までで1番上手くできた気がするんです』

「うん、ちょっと甘いけど美味しいよ!」

そう言うと小春さんの顔がパァっと明るくなった

『隠し味に砂糖をかけてみたんです!昔おばあちゃんが迷ったら砂糖だって言っていたので!』

この味はおばあ様の代からか…

『あ、今日のスイーツは私の実家の近くにある有名店のものです』

これは……クマさん!?

『クマさんのミニケーキです!日々に癒しを…と思いまして』

「……可愛い」

はっ!

つい言葉に出してしまった

『ですよねー!!この子、クリームがちょうど髭みたいに見えるので、クマ爺ちゃんって名付けてるんです』

「クマ爺ちゃん…(わ、悪くない!!)」

あまりの可愛さににやけてしまいそうな顔をスっと戻し、小春さんにお礼を言った

『いえいえ、こちらこそお弁当ありがとうございます!昨日のお弁当ほんっっとうに美味しかったです!』




そして俺はクマ爺ちゃんをこっそり持ち帰った…

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