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第九章

第417話

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白虎の人見知りが悪化するかと思ったが、初日のリリンの暴走で周囲は考えを改めていた。

『姿が変わっても性格は変わらない。…………いや、リリンは過激になった! ……ということは……』
『ピピンに言い寄ろうとした女は、身体の一部を凍結させていたぞ』
『ヤバい! 白虎はあの巨体で素早い行動だったぞ。ということは、人の姿をしているぶん敏捷性がアップしているということじゃないか?』
『爪による物理攻撃は剣よりも強く早かった。それが人型なら…………ゾゾゾッ』

などというウワサを情報部が集めて公開したことで、白虎たち三人は『近付くな、キケン!』という存在になっていた。まあ、元々仲の良かった私服守備隊たちとの関係は変わらないため、「好き勝手いってな。ただし目の前に出てきたら、それ相応の報復をさせていただくどうなっても文句はいうなよ」という忠告おどしは済んでいる。

「それで? 実際の白虎ちゃんの威力はどうなんだい?」

バラクルでの酒盛りパーティーで、コルデさんが質問してきた。先日はパーティの仲間と、今回は家族ということで、コルデさんとオボロさんはバラクルにも参加していた。

《 腕を振ったら壁に穴を開けてー、モグモグ 》
《 階段を飛び降りたら、着地した床に穴が開いてー。もぐもぐ 》
《 テーブルに手を付いたら砕け散ったー、ゴクゴク 》
すぱぱぱーん
「ってことはないから安心して」

火と風と光の妖精たちが、ピピンの触手でおしおきされたのをみて笑う。

「ピピンの触手ムチのキレは上がったようだな」
「手加減はしています。この祝いの席で、胴体を真っ二つにするわけにはいきませんから。パフォーマンスとしてご希望でしょうか?」
「こらこら。フィムもいるからね」
「はい、ではフィムが部屋に戻った二次会でお披露目いたしましょう」

ピピンのセリフで、三人の妖精たちが私にしがみつく。たぶん、野菜カットを披露するんじゃないのかな? と思うが、ピピンが黙っているため、私も黙っておくことにする。でも釘は刺さないとダメだろう。

「三人にはあとでお手伝いをお願いしますね」
《 ヒィィィィィ! 》

ピピンの含みのある笑顔に三人が悲鳴をあげた。
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