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前編
永久にごきげんよう
しおりを挟む「マチルダ、許してくれ。これからは君を、君だけを愛するから」
「いえ、お断りします。迷惑なんで」
「なんで……君は私を愛していたのだろう」
「まさか。あなたの家が公爵家の権限を使って、私の稼ぎに目をつけて財産を全額奪うための結婚です」
「う、うそだ。父さんたちは君が俺に惚れたからと」
「その言葉自体が嘘です。あ、証拠に先程あなたのご実家から届いた手紙を読みますね。『浮気程度でグダグダいうな! 結婚したらお前は奴隷同様にこき使ってやるから覚えてろ!』。このあとですが、『そんなことより、来月からの融資は今までの百倍出すように親に伝えろ。それができないならお前の両親を病気に見せかけて殺してやる!』。はい、殺人予告頂きました~。最後になりますが『親を殺してやるんだから感謝して財産を全額寄越せ』とのことです。これで私があなたに惚れている? ありえませんよ。融資だって、皇帝陛下の花押があったから出しただけです。偽物だから、慰謝料上乗せで褫爵確定。ですから言ったでしょう? 地下牢に収容されますって」
すでに膝に乗せていた女生徒たちがおりているため、私につかみかかろうとしたのか。
立ち上がり手を伸ばして…………少し離れて座り込んでいた女生徒たちの上に倒れていった。
やっぱり足は痺れていたのですね。
「あ、皆様のお迎えが来ましたね。それでは、永久にごきげんよう」
お城からなのは、被害届を出した結果、誰がいくら個人資産を持っていて、いくら実家から上乗せができて、いくら借金があるのか。
そして妊娠しているか。
これは、慰謝料を取ることができて借金が減らせるため大きいですね。
不貞行為を楽しんだ結果、実家を巻き込んで破滅に向かう皆様に、私や周りで成り行きを見守っていた方々は、カーテシー&ボウ・アンド・スクレープで見送った。
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