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第一章
第16話
しおりを挟む出口は
ツタが絡まっているだけの
何も無い
石畳の空間だった。
変わらず
オレの腕の中にいる
ルーナは
キョロキョロと
辺りを見回している。
「見覚えがあるのか?」
「・・・わかんない」
首をプルプルと
左右に振り
コテンと傾ける。
オレは
空いてる手を
壁に伸ばす。
石独特の
固い感触が
指先に触れた。
ルーナも
オレのマネをして
手を伸ばす。
だが
ルーナの指が
石に触れることはなかった。
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