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ダーモット伯爵領
海の魔物
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そのあとも、『課題』は何度か出されて、私とドナートは一緒に領都に出かけた。
市場に顔を出したり、治安のいい商業区へ顔を出したりした。
それから、グランダにお願いして、領軍の騎士たちの訓練現場に見学に行かせてもらったりもした。
そして今日は、王都にはない海軍の見学だった。
王都はやや北寄りの森に囲まれた平地にある。もともとアルデリア王国はこの王都を中心に版図を広げてきた。
その北は魔の森、東は山脈を隔てて中央を支配するザラド帝国。西が海洋を主に生活手段とする小国家、南は創生神を主とする聖皇国、砂漠の民など人種の違う国家が乱立する。
アルデリア王国は、常に魔の森と接して魔物との攻防が多い国でもある。その反面、中央の広大な平原を支配するザラド帝国は魔物と接触するのはダンジョンや、平原に生息する魔物たちで、強さで言えば魔の森に生息する魔物とは、何ランクも下になってしまう。
そう言った事情で、帝国は同じヒューマンとの闘争に明け暮れていて、この大陸の覇者となった。
アルデリアの勇者召喚はそういった事情もあって、魔物を何とかしたいという苦肉の策だったのかもしれない。
いま帝国は北の小国群とぶつかっていて、アルデリアには目が向いてないのも、アルデリアにとって幸運だった。戦争に国力を使わなくて済んでいる。
今の国王は国民の支持が厚い。英雄を呼び、龍の守護を受け、またワイバーンを従えて騎竜部隊を作ろうとしている。強い国家になるのだと、思わせてくれるからだ。
勇者を呼んだあとから少し王は変わった。それなりに尊大だった態度は控えめになり、勇者と大魔導士にかなりの敬意を払っている。
とりあえず王は今のところ、戦争をする様子はない。
このまま、帝国が何も手出しをしてこなければ国力を伸ばせるはずだ。
「……う。」
ドナートが口を押えて船の縁に手をかける。
私はその背中をそっと撫でてた。もう、朝食べた物は胃に残ってないようだった。
船酔いだ。
私はどうやら平気なようで、ケロッとしていた。
「クエン、羨ましい……」
恨みがましい目で見られたが、体質だからどうにもならない。
「洗礼だから仕方がない。」
「みんな通ってきた道だ。」
笑いながら、海軍の兵士たちはパンパンとドナートの背中を叩いて歓迎していた。
今日は湾と周辺をぐるりと回って、魔物に漁船が襲撃されてないか、海賊がいないか、などを見回るらしい。
私もこちらで生まれたなら船に乗ったかもしれない。
ぽつぽつと島の見える海を見つめる。
空に、海鳥が舞っている。魚の多いところをぐるぐると回って、獲物を獲るのだそうだ。
その、海鳥がばっと散って逃げていった。
「なんだ?」
ドナートの背中をさすりながら、何かの異変が、海で起きていた。
漁船がどんどんと、港の方へ逃げるように進んでいく。
「何があった?」
ドナートも、口を拭いながら、起き上がって、異変の起きている沖合を見た。
水しぶきが上がり、巨大な鱗を持つ蛇の胴体がうねりを上げて見えた。
「シーサーペントか!」
兵士たちの雰囲気が引き締まり、緊張感が伝わる。
「この船の装備じゃ、難しいな。」
「援軍を呼んでくるか?」
「魔術師団に連絡を!」
シーサーペントは災害級の魔物で、この船の何倍もあるのが見て取れる。
「あのシーサーペント、殺ってきてもいいか?」
「グレアム、言い方。」
私たちの護衛でひっそりと側にいた勇者と、大魔導士が散歩でもいくように声をかけた。
「まあ、それが一番早いし、被害が少なそうだね。」
勇者がニコッと笑って、シーサーペントを見る。
「足場は任せろ。」
そう言って、大魔導士が頷くと、キューブ状の透明なものが、階段のように空にいくつも浮かぶ。
それを蹴って、勇者が空に登っていく。
大魔導士はふわりと浮かんでそのまま、勇者とシーサーペントに近づいていく。
ごくりと、誰かが喉を鳴らす音が聞こえた。
海で出会ったら死を覚悟するSランクの魔物。港へ近づいたら壊滅の恐れがあった。
それが。
「よーしまずは一発。氷かなー」
大魔導士が弓をつがえるそぶりをすると、きらめく氷の矢が飛んでいき、シーサーペントに命中する。
途端にぴきっと音がし、シーサーペントが凍り付いた。
周辺の海まで、凍っている。
「沈んだらもったいない。浮かべ。」
その氷塊が海から空に持ち上がる。
「よーし、一応止めだね。」
勇者が、聖剣をふるう。なんでもないように振られた剣は一筋の軌跡を描いた。
するりと、首が落ちる。
綺麗な切断面は、凍っていた。
「さすがショーヤ。いい腕。よし、回収して戻るか。」
大魔導士が腕を横に振ると、シーサーペントが消えた。
あっという間の出来事に皆声が出なかった。
「よし、港についたらシーサーペントの蒲焼だな。」
大魔導士がうきうきとした声音で言うと、勇者は苦笑した。
「まずは、雇い主とギルドに報告。領主に買取の相談。それからだよ。」
「硬いこというなよ。ちょっとだけ食ったって、いいだろう。特にクエンは食べないとな。」
大魔導士がちょいちょいと手で招く。
「??」
近寄った私に、小さな声で、話しかけられた。
「魔力が豊富な食べ物を食べると、身体に取り込む量が多くなる。魔力の補充にはもってこいだ。今、精霊は眠ってくれてるんだろ?」
こっそりと言った内容は驚くものだった。
「アクアの本体は、王都の近くの湖なんだそうです。契約しているから離れられるけど、維持に魔力を使うから少し眠って魔力を消費しないようにするって……」
ここのところ、アクアの気配はするけれど、声は聞いてはいない。王都を出て危険が去ってから、眠ると言ったのだ。
「なるほどな。それでも、余分な魔力はないようだな。」
こくりと頷く。
「ま、地上についたら祭りだ。楽しめ。」
それから急遽、港に戻って、報告やらなんやらを済ませた私たちは、大魔導士お手製、シーサーペントの蒲焼、というものをいただくことになった。
結局シーサーペントは大きすぎたので、ギルド総出で、高級な素材になる皮や鱗、ひれ等をまず解体し、肉は適当な大きさに切って大魔導士がアイテムボックスにしまった。
魔石は大きいものが出て、大魔導士が何やら錬金に使うからと、売らなかった。肉は半分売って半分大魔導士がふるまってくれることになったのだ。
領都ではさすが勇者、英雄だなんだと大騒ぎになって、第二の収穫祭になってしまった。
そして、屋敷の庭で今、蒲焼パーティーなるものが行われている。
大魔導士が持っていた秘伝のたれで焼いたシーサーペントの蒲焼は香ばしく、脂がのって美味しかった。
初めて食べる、コメを炊いたご飯というものにそれが乗せられて、たれがそのご飯に染みて、とてもおいしかった。
「ウナギの蒲焼まんまだなー。」
「そうだね。めったに食べられなかったけどね。お店で食べた味よりうまいよ。」
勇者と大魔導士の会話が聞こえた。
ウナギ、というのがよくわからないが、二人が仲がいいというのがよくわかった。
あんな風に大きくなっても、ドナートといられたらいい。
そう思って隣をみると、一心不乱に食べるドナートの口元に、ご飯粒がくっついてるのに気付いて、思わず笑ってしまった。
「ついてる。」
思わず指で取って口に入れると、ドナートが赤くなった。
どうしたんだ?
首を傾げていると、大魔導士がやってきて、ドナートを揶揄っていた。
そのあとドナートは蒲焼の作り方を熱心に聞いていて、一大料理教室になった。
大人のメイルはお酒が入って宴会になり、フィメルは大魔導士がだしたデザートでお茶会になっていた。
子供は、私たちだけだったので、先に休むようにと部屋に戻された。
寝る支度をして、ベッドに入ったが興奮で目が覚めていた。
「凄かったなあ、勇者も大魔導士も。」
ドナートが紅潮した顔で言う。
「うん。すごい剣技だった。魔法もすごかった。あんな魔法、あるんだね。」
「あんな魔法、普通出来ないよ。師匠たちはほんとにすごい英雄なんだなあ。」
「うん。あそこまでは無理だろうけど、強くなりたいな。」
そうして夜中まで話していた私たちは、寝坊をした。
大人たちも寝坊していたようで、その日だけは怒られなかった。
市場に顔を出したり、治安のいい商業区へ顔を出したりした。
それから、グランダにお願いして、領軍の騎士たちの訓練現場に見学に行かせてもらったりもした。
そして今日は、王都にはない海軍の見学だった。
王都はやや北寄りの森に囲まれた平地にある。もともとアルデリア王国はこの王都を中心に版図を広げてきた。
その北は魔の森、東は山脈を隔てて中央を支配するザラド帝国。西が海洋を主に生活手段とする小国家、南は創生神を主とする聖皇国、砂漠の民など人種の違う国家が乱立する。
アルデリア王国は、常に魔の森と接して魔物との攻防が多い国でもある。その反面、中央の広大な平原を支配するザラド帝国は魔物と接触するのはダンジョンや、平原に生息する魔物たちで、強さで言えば魔の森に生息する魔物とは、何ランクも下になってしまう。
そう言った事情で、帝国は同じヒューマンとの闘争に明け暮れていて、この大陸の覇者となった。
アルデリアの勇者召喚はそういった事情もあって、魔物を何とかしたいという苦肉の策だったのかもしれない。
いま帝国は北の小国群とぶつかっていて、アルデリアには目が向いてないのも、アルデリアにとって幸運だった。戦争に国力を使わなくて済んでいる。
今の国王は国民の支持が厚い。英雄を呼び、龍の守護を受け、またワイバーンを従えて騎竜部隊を作ろうとしている。強い国家になるのだと、思わせてくれるからだ。
勇者を呼んだあとから少し王は変わった。それなりに尊大だった態度は控えめになり、勇者と大魔導士にかなりの敬意を払っている。
とりあえず王は今のところ、戦争をする様子はない。
このまま、帝国が何も手出しをしてこなければ国力を伸ばせるはずだ。
「……う。」
ドナートが口を押えて船の縁に手をかける。
私はその背中をそっと撫でてた。もう、朝食べた物は胃に残ってないようだった。
船酔いだ。
私はどうやら平気なようで、ケロッとしていた。
「クエン、羨ましい……」
恨みがましい目で見られたが、体質だからどうにもならない。
「洗礼だから仕方がない。」
「みんな通ってきた道だ。」
笑いながら、海軍の兵士たちはパンパンとドナートの背中を叩いて歓迎していた。
今日は湾と周辺をぐるりと回って、魔物に漁船が襲撃されてないか、海賊がいないか、などを見回るらしい。
私もこちらで生まれたなら船に乗ったかもしれない。
ぽつぽつと島の見える海を見つめる。
空に、海鳥が舞っている。魚の多いところをぐるぐると回って、獲物を獲るのだそうだ。
その、海鳥がばっと散って逃げていった。
「なんだ?」
ドナートの背中をさすりながら、何かの異変が、海で起きていた。
漁船がどんどんと、港の方へ逃げるように進んでいく。
「何があった?」
ドナートも、口を拭いながら、起き上がって、異変の起きている沖合を見た。
水しぶきが上がり、巨大な鱗を持つ蛇の胴体がうねりを上げて見えた。
「シーサーペントか!」
兵士たちの雰囲気が引き締まり、緊張感が伝わる。
「この船の装備じゃ、難しいな。」
「援軍を呼んでくるか?」
「魔術師団に連絡を!」
シーサーペントは災害級の魔物で、この船の何倍もあるのが見て取れる。
「あのシーサーペント、殺ってきてもいいか?」
「グレアム、言い方。」
私たちの護衛でひっそりと側にいた勇者と、大魔導士が散歩でもいくように声をかけた。
「まあ、それが一番早いし、被害が少なそうだね。」
勇者がニコッと笑って、シーサーペントを見る。
「足場は任せろ。」
そう言って、大魔導士が頷くと、キューブ状の透明なものが、階段のように空にいくつも浮かぶ。
それを蹴って、勇者が空に登っていく。
大魔導士はふわりと浮かんでそのまま、勇者とシーサーペントに近づいていく。
ごくりと、誰かが喉を鳴らす音が聞こえた。
海で出会ったら死を覚悟するSランクの魔物。港へ近づいたら壊滅の恐れがあった。
それが。
「よーしまずは一発。氷かなー」
大魔導士が弓をつがえるそぶりをすると、きらめく氷の矢が飛んでいき、シーサーペントに命中する。
途端にぴきっと音がし、シーサーペントが凍り付いた。
周辺の海まで、凍っている。
「沈んだらもったいない。浮かべ。」
その氷塊が海から空に持ち上がる。
「よーし、一応止めだね。」
勇者が、聖剣をふるう。なんでもないように振られた剣は一筋の軌跡を描いた。
するりと、首が落ちる。
綺麗な切断面は、凍っていた。
「さすがショーヤ。いい腕。よし、回収して戻るか。」
大魔導士が腕を横に振ると、シーサーペントが消えた。
あっという間の出来事に皆声が出なかった。
「よし、港についたらシーサーペントの蒲焼だな。」
大魔導士がうきうきとした声音で言うと、勇者は苦笑した。
「まずは、雇い主とギルドに報告。領主に買取の相談。それからだよ。」
「硬いこというなよ。ちょっとだけ食ったって、いいだろう。特にクエンは食べないとな。」
大魔導士がちょいちょいと手で招く。
「??」
近寄った私に、小さな声で、話しかけられた。
「魔力が豊富な食べ物を食べると、身体に取り込む量が多くなる。魔力の補充にはもってこいだ。今、精霊は眠ってくれてるんだろ?」
こっそりと言った内容は驚くものだった。
「アクアの本体は、王都の近くの湖なんだそうです。契約しているから離れられるけど、維持に魔力を使うから少し眠って魔力を消費しないようにするって……」
ここのところ、アクアの気配はするけれど、声は聞いてはいない。王都を出て危険が去ってから、眠ると言ったのだ。
「なるほどな。それでも、余分な魔力はないようだな。」
こくりと頷く。
「ま、地上についたら祭りだ。楽しめ。」
それから急遽、港に戻って、報告やらなんやらを済ませた私たちは、大魔導士お手製、シーサーペントの蒲焼、というものをいただくことになった。
結局シーサーペントは大きすぎたので、ギルド総出で、高級な素材になる皮や鱗、ひれ等をまず解体し、肉は適当な大きさに切って大魔導士がアイテムボックスにしまった。
魔石は大きいものが出て、大魔導士が何やら錬金に使うからと、売らなかった。肉は半分売って半分大魔導士がふるまってくれることになったのだ。
領都ではさすが勇者、英雄だなんだと大騒ぎになって、第二の収穫祭になってしまった。
そして、屋敷の庭で今、蒲焼パーティーなるものが行われている。
大魔導士が持っていた秘伝のたれで焼いたシーサーペントの蒲焼は香ばしく、脂がのって美味しかった。
初めて食べる、コメを炊いたご飯というものにそれが乗せられて、たれがそのご飯に染みて、とてもおいしかった。
「ウナギの蒲焼まんまだなー。」
「そうだね。めったに食べられなかったけどね。お店で食べた味よりうまいよ。」
勇者と大魔導士の会話が聞こえた。
ウナギ、というのがよくわからないが、二人が仲がいいというのがよくわかった。
あんな風に大きくなっても、ドナートといられたらいい。
そう思って隣をみると、一心不乱に食べるドナートの口元に、ご飯粒がくっついてるのに気付いて、思わず笑ってしまった。
「ついてる。」
思わず指で取って口に入れると、ドナートが赤くなった。
どうしたんだ?
首を傾げていると、大魔導士がやってきて、ドナートを揶揄っていた。
そのあとドナートは蒲焼の作り方を熱心に聞いていて、一大料理教室になった。
大人のメイルはお酒が入って宴会になり、フィメルは大魔導士がだしたデザートでお茶会になっていた。
子供は、私たちだけだったので、先に休むようにと部屋に戻された。
寝る支度をして、ベッドに入ったが興奮で目が覚めていた。
「凄かったなあ、勇者も大魔導士も。」
ドナートが紅潮した顔で言う。
「うん。すごい剣技だった。魔法もすごかった。あんな魔法、あるんだね。」
「あんな魔法、普通出来ないよ。師匠たちはほんとにすごい英雄なんだなあ。」
「うん。あそこまでは無理だろうけど、強くなりたいな。」
そうして夜中まで話していた私たちは、寝坊をした。
大人たちも寝坊していたようで、その日だけは怒られなかった。
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