上 下
1 / 2

前編

しおりを挟む
私はどこにでもいる普通の大学生
友達とキャンパスライフを楽しみながらもうすぐ控える就職活動に嫌気が差してたの。

だって働くなんて嫌なんだもん。私は社会の歯車なんかになりたくない。でもこの現代社会を生きていくにはそうもいかなくて…されどなりたい職業なんて思いつかない私に、就職活動なんて出来るわけもなく、今日も家でネット巡りをする毎日

そんなある日の事、夢の中で私は神様に出会った。暗い空間で光しか見えなかったけど、たぶん神様だ!アニメとかでよく見る展開じゃない?

だから私は願ったの。「異世界でお姫様みたいな生活を送りたい!」って!

そしたら目の前が真っ白になって、気が付いたら本当に異世界トリップできたの!しかも可愛い姿になって!
さらに「魅了魔法」という素敵な特典ももらえたの!

神様からもらった特典なだけあって、これを使えば初対面でも素敵な王子様や騎士様達はみーんな私を愛してお姫様のように扱ってくれたわ!
これよこれ!これこそが私の望んでいた生活なのよ!働かなくても勝手にお金が入ってきて、イケメンな王子様達に貢がれてチヤホヤされる!まさに夢のような生活だわ!

あ、でも確か私がお城に招待されたときになんかもめてたわね。なんか王子様たちの婚約者を名乗る女の人たちが婚約がどうとか言ってたけど…まぁ私には関係ないわよね。

そう思っていつものようにお姫様生活を楽しんでると、知らない女の人がやってきた。いや、知ってるわ。こないだ遠巻きに見ただけだけど、確か王子様の元婚約者だった人。元がつくのは婚約破棄したからって言ってた。

何の用かと思ったら「そんな怪しげな術を使って殿下たちを操って、いったい何が目的ですの?」って言ってきた。
怪しげって、神様からもらった特典なのに怪しげもなにもないでしょ。
しかも操るって人聞きの悪い。魅了魔法はみんなが私のこと好きになるだけの魔法なのに、だからあれは好きになった彼らの意思よ。操ってなんかない。

私がそう説明してあげてもこの人…名前は覚えてない、が食い下がってくる。なんでも幼いころから王子様のために英才教育を受けてきて?将来共に国を繁栄させていこうねって誓い合ったのに人が変わってしまったて?そんなの私が知るわけないじゃん。アーこの人未練たらたらなんだなぁ。だから私言ってやったの。

「何も王子様一人に固執する必要ないでしょ?世の中もっと素敵な人はたくさんいるんだから探せばもっと素敵な人に出会えるわよ!」

*****

私は間違ったこと言ってない。あの人に世の中の男は王子様だけじゃないって元気づけてやっただけなのになんでこうなるの?

いつものように舞踏会を楽しんでたらあの人と、私に婚約者を盗られたっていう女の人たちがやってきて、どうやったのかわからないけど私の魅了魔法を解除したの。

そしたら今まで私のことを愛してくれた王子様達があたふたしだして、私から離れていった。私は突然の出来事にポカーンとしてたらあの人が私のこと「悪魔の魔術を使う魔女だ」なんて言い出して…気が付いたら牢屋に入れられたの。

悪魔の魔術ってなに?これは神様からもらった力なのよ?

これからどうなるのか不安になってると、衛兵?の人たちがやってきて、王様と女王様が座ってる部屋…王座の間?に連れてこられて、よくわからない話をされたの。

分かったことといえば、私はこれからこの魅了魔法について調べるための実験動物にされるってこと、それが終わったら牢屋に閉じ込められて罰が下されるって…冗談じゃないわ!実験動物なんて嫌だし悪いことしてないのに閉じ込められるなんてごめんだわ!

王子様達は廃嫡だとか勘当だとか言ってたけどそんなのどうでもいい!私は自分の無罪を主張した。

だけど誰も聞いてくれなくて、逃げたくても取り押さえられてるからどうにもできなくて、私はそのままずるずると引き摺られてしまった。


 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

偉物騎士様の裏の顔~告白を断ったらムカつく程に執着されたので、徹底的に拒絶した結果~

甘寧
恋愛
「結婚を前提にお付き合いを─」 「全力でお断りします」 主人公であるティナは、園遊会と言う公の場で色気と魅了が服を着ていると言われるユリウスに告白される。 だが、それは罰ゲームで言わされていると言うことを知っているティナは即答で断りを入れた。 …それがよくなかった。プライドを傷けられたユリウスはティナに執着するようになる。そうティナは解釈していたが、ユリウスの本心は違う様で… 一方、ユリウスに関心を持たれたティナの事を面白くないと思う令嬢がいるのも必然。 令嬢達からの嫌がらせと、ユリウスの病的までの執着から逃げる日々だったが……

骸骨と呼ばれ、生贄になった王妃のカタの付け方

ウサギテイマーTK
恋愛
骸骨娘と揶揄され、家で酷い扱いを受けていたマリーヌは、国王の正妃として嫁いだ。だが結婚後、国王に愛されることなく、ここでも幽閉に近い扱いを受ける。側妃はマリーヌの義姉で、公式行事も側妃が請け負っている。マリーヌに与えられた最後の役割は、海の神への生贄だった。 注意:地震や津波の描写があります。ご注意を。やや残酷な描写もあります。

婚約破棄されたので、契約不履行により、秘密を明かします

tartan321
恋愛
婚約はある種の口止めだった。 だが、その婚約が破棄されてしまった以上、効力はない。しかも、婚約者は、悪役令嬢のスーザンだったのだ。 「へへへ、全部話しちゃいますか!!!」 悪役令嬢っぷりを発揮します!!!

私はアリシア

クラッベ
恋愛
平民として、貧しい生活を送る少女ミア 母親を亡くした彼女の前に、父親と名乗る貴族の男が現れた。 ミアはその男についていくと、魅了魔法が使えるようになり…  

魅了アイテムを使ったヒロインの末路

クラッベ
恋愛
乙女ゲームの世界に主人公として転生したのはいいものの、何故か問題を起こさない悪役令嬢にヤキモキする日々を送っているヒロイン。 何をやっても振り向いてくれない攻略対象達に、ついにヒロインは課金アイテムである「魅惑のコロン」に手を出して…

山に捨てられた令嬢! 私のスキルは結界なのに、王都がどうなっても、もう知りません!

甘い秋空
恋愛
婚約を破棄されて、山に捨てられました! 私のスキルは結界なので、私を王都の外に出せば、王都は結界が無くなりますよ? もう、どうなっても知りませんから! え? 助けに来たのは・・・

聖女に転生した性悪女

クラッベ
恋愛
私は誰よりも美しいの。だから何をしても許される。 皆が私に注目する。それは転生してからも同じ事……そのはずだったのに

処理中です...