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外典 ドラゴンハンター 第三部
ep.15 包囲網
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南方大陸・先住民の領域アルーヴヘイムのとある村で、シグルズ達はウルク村の族長・ギルガメシュに出会す。
シェイミー「…族長さん?
どうしてこんな所に…?」
シグルズ「いいのか?自分の村を留守にして。」
ギルガメシュ「あぁ、ドゥエルグヘイムから来た異形化奇病討伐隊とやらが駐留している。
とりあえずは心配あるまい。
それより、エンキドゥがまた怪しげな物を勧めてきてな…」
シェイミー「怪しげな物…?」
ギルガメシュ「人工魔石と言ったか…魔法石に似た石で、魔法の力を得られ、異形化奇病の様な姿になったが意識を保てるらしい…」
シグルズ「アイツが人工魔石を…?」
メリュジーヌ「…出所は恐らく、例の…」
ギルガメシュ「知っているのか?」
シェイミー「えぇ、まぁ…
だけど人工魔石も、少なくとも現時点では安全を保証できる物ではないし、何よりその原料は何人もの人間の魂なのよ。」
ギルガメシュ「人の魂だと⁉︎
まともな物でないとは思っていたが、まさかそれ程までに禍々しい物だったとは…
やはり彼がそれを他の村に広める前に止めねばならん。」
シェイミー「その為に村を出て来た訳ね?
それなら一緒に行きましょう?」
ギルガメシュ「あぁ、君達が来てくれれば心強い。
ぜひ頼む。」
かくしてシグルズ達はギルガメシュと共に、エンキドゥを探しつつ、彼による人工魔石普及を阻止する為、アルーヴヘイムの村々を巡る。
その道中、一行は野盗の集団に囲まれた。
ギルガメシュ「な、何だお前達は⁉︎」
野盗「男は抵抗するし、あんまり値がつかねぇから殺しちまった方が面倒ねぇ。
女子供だけ生け捕りにしろ。」
ギルガメシュ「まさか…コイツらが魔導師候補や人工魔石にされる人々を…⁉︎」
シグルズ「まぁ、そういうこったろうな。」
ギルガメシュ「ぬぅぅ…許せん‼︎」
野盗「ごちゃごちゃうるせぇ‼︎」
野盗を蹴散らしたその戦闘において、メリュジーヌの力を目の当たりにしたギルガメシュは、大いに驚き、言った。
「おい!その力…その子も人工魔石を…⁉︎」
メリュジーヌ「…異形化奇病や意図的異形などと一緒にされては心外だな。
我は竜…森羅万象の理を司る、古の種族の末裔ぞ。」
ギルガメシュ「竜…だと…⁉︎
この子供が…古い言い伝えの…⁉︎」
メリュジーヌ「そして魔法石とは、我が眷属の魂が封じ込められし骸…
我らはそれを解き放ち、その力を受け継ぐべく旅をしている。」
ギルガメシュ「では、エンリルにあった魔法石も…?」
シグルズ「あぁ、黙ってて悪かったが、頂いたぜ。」
ギルガメシュ「…いや、その話が本当なら、確かに君が持って然るべきものだろう。」
そして訪れた、とある村…
長老「これはこれは、ウルクのギルガメシュ族長ではないか。
遠路はるばるどうなされた?」
ギルガメシュ「お久しぶりです。
積もる話もそこそこに、用件のみ失礼しますが、エンキドゥという男が訪ねて来ませんでしたか?」
長老「…?
聞かぬ名じゃが…その者がどうなされた?」
ギルガメシュ「その男…エンキドゥは、ある日ウルクにやって来て、魔法の力を皆に広めようと勧めてきました。」
長老「ほぅ…かつて帝国が独占し、今や北方大陸ではだいぶ普及しておると聞くが…」
ギルガメシュ「ですが、魔導師達の数名が異形化奇病となり、多くの村人が犠牲となりました。」
長老「なんと、異形化奇病とな⁉︎
これまた北方大陸で蔓延しておると聞く奇病が、この地にも…⁉︎」
シェイミー「ここからは私が…」
長老「そなたは…?」
シェイミー「北方大陸にて、魔法について研究しておりました、シェイミー=ハサウェイと申します。
北方大陸では、公式には魔法と異形化奇病の因果関係は無いとされていますが、これまでに発症の瞬間が確認された患者は全員魔導師でした。
この事から、異形化奇病化の原因は、魔法を使う事にあるとみて間違いないと考えております。」
長老「なんと…
しかし、ではなぜ公には因果関係がないとされておるのじゃ?」
シェイミー「貴族達の利権が絡むからでしょう。
それが証拠に、魔導師にされるのは戦災孤児や貧民・下級兵ばかり…
それに、このアルーヴヘイムから人身売買のため拉致されたりもしているそうです。」
長老「何という事じゃ…
しかし確かに、神隠しの様に人が忽然と消える話は近年よく聞くし、今までこの地で殆ど異形化奇病の話を聞かなかった事にも合点がいく…」
シェイミー「最近では、異形化しつつ自我を保ち、任意に人に戻る方法も考案されていますが、それとて確立された訳ではありません。」
ギルガメシュ「故に、そのエンキドゥという男が訪ねて来ても、彼の言葉に耳を貸さないで欲しいのです。
この村が、ウルクの二の舞にならぬ為に…!」
長老「…よくわかった、留意しよう。
はるばる伝えに来てくれた事に感謝する。」
ギルガメシュ「こちらこそ、聞いて頂きありがとうございます。
我々は他の村々も廻って、同じようにこの事を伝えますので…失礼します。」
長老「うむ、ご苦労。」
アルーヴヘイム各地にある村々を巡り、同じ様にこの事を伝えて廻っていると、いつしかエンキドゥに鉢合わせた。
「やはり貴方がたでしたか…
私はアルーヴヘイムの発展の為に行動しているのです。
邪魔をしないで頂きたい。」
シェイミー「…私もかつては、そう信じて魔法の研究に携わっていたわ。
…でも、その結果が今の北方大陸…
貴族達が魔法の便利さを享受する裏で、戦災孤児や貧しい人達が魔導師にされ、異形化奇病となる…
更に、魔導師候補として人身売買する為に、ここアルーヴヘイムから拉致されてるとも聞くわ。」
エンキドゥ「そ…そんな事が…⁉︎
しかし、異形化奇病となるのは旧来のやり方…!
私の持つ人工魔石ならば…!」
シェイミー「それだって安全性が保証されたものではないし、何よりそれは魂の結晶…何人もの人の犠牲のもとに出来てるのよ!」
エンキドゥ「⁉︎
そんな…人工魔石が…人間の魂…⁉︎
……
…だったら、その子供はどうなのです⁉︎」
シグルズ「…お前、コイツの正体を見たのか?」
ギルガメシュ「違うんだエンキドゥ!その子は…!」
エンキドゥ「何が違うんです⁉︎
体のいい事を言っても、あなた方もその力の便利さに頼っているのでしょう⁉︎
しかも、そんな子供を利用して…!」
メリュジーヌ「一緒にされては心外だと何度も言わせる…
我は異形化奇病とも意図的異形とも根本的に違う。」
エンキドゥ「異形化奇病でも意図的異形でもない?
ではあの姿は何だと言うのです?」
メリュジーヌ「我は竜…森羅万象の理を司る、古の種族の末裔ぞ。」
エンキドゥ「竜…だって…⁉︎
馬鹿な…そんな話、信じられるものか!」
その時である。
「全員、動くな‼︎」
問答に割り込んで叫んだゲオルギウス。
周囲はドゥエルグヘイム軍に包囲されていた。
シグルズ「おっと、いつの間に…なかなかやるじゃねぇの。」
ゲオルギウス「私はドゥエルグヘイム騎士・ゲオルギウス。
貴公がシグルズ=ヴォルスングか?」
シグルズ「俺様ってば有名だねぇ。
何だ、サインでも貰いに来たか?」
ゲオルギウス「…いや、結構。
だが、我が主が貴公に用があるそうだ。」
シグルズ「…そうかい。
だったら他の連中は帰ってもいいだろ?」
「そうもいかん。
ウルクの魔法供給施設・エンリルから持ち去られた魔法石を所持してないか、全員あらためさせてもらう。
マルガリータ!」
ゲオルギウスは、配下の女戦士に指示する。
エンキドゥ(チッ…まずいな…
しかし、あの子供がもし何も持っていなければ本当に…?
いや、そんな筈はない)
マルガリータ「こちらの女性と子供は、特にそれらしい物は所持してない様です。」
エンキドゥ「何だと⁉︎
それでは本当に…⁉︎」
マルガリータ「何を騒いでいる?
次は貴方の番よ。」
「クッ…さ、触るな!」
エンキドゥは、検分しようとしたマルガリータの手を払い退け、人工魔石を取り出す。
「これには…私には、アルーヴヘイムの未来が懸かっている!
渡す訳には…捕まる訳にはいかん!」
「やめろ、エンキドゥ‼︎」
ギルガメシュが止めようとするも聞かず、エンキドゥは人工魔石を握り締めて念じ、意図的異形化した。
ギルガメシュ「何という事を…!」
ゲオルギウス「族長殿、あなたは下がっていて下さい。
強大な力を手に入れた執着心は、その力に溺れ、容易に改心させられるものではありません。」
ギルガメシュ「そんな…!」
シェイミー「私達はどうするの?」
シグルズ「別にアイツを助ける義理は無ぇが、俺も捕まりたかぁねぇからな。」
メリュジーヌ「此奴ら、なかなかの手練れと見る。
強行突破するなら、我も力の出し惜しみは出来んぞ。」
シグルズ「いいんじゃね?
所詮オレらはテロリスト、毒喰わば皿までよ。」
突破口を開くべく、3人はドゥエルグヘイム兵と対峙し、メリュジーヌは竜の力と姿を解放する。
マルガリータ「‼︎
あの子供まで異形化奇病に…⁉︎」
ゲオルギウス「先日の族長殿の話と、この状況から察するに、テロリストが飼い慣らしている異形化奇病というのは、あちらの方だな。」
「ほほぅ…あれが噂の…
先日わたしが屠った者とは、雰囲気というか…精悍さが違うな。」
そう言いながら遅れて現れた男に、ゲオルギウスが苦言を呈する。
「遅いですよ、ベーオウルフ議長!」
ベーオウルフ「ハハ…すまぬな。
隠さず言えば、お手並み拝見させてもらっていた。
いやはや、聞きしに勝る勇猛さよ…
ゲオルギウス・マルガリータ、英雄様ご一行は我ら3人でおもてなししようぞ!
残りの者はあの異形化奇病を討て!」
シグルズ「ヘッ…大将のお出ましって訳か!」
続く…
シェイミー「…族長さん?
どうしてこんな所に…?」
シグルズ「いいのか?自分の村を留守にして。」
ギルガメシュ「あぁ、ドゥエルグヘイムから来た異形化奇病討伐隊とやらが駐留している。
とりあえずは心配あるまい。
それより、エンキドゥがまた怪しげな物を勧めてきてな…」
シェイミー「怪しげな物…?」
ギルガメシュ「人工魔石と言ったか…魔法石に似た石で、魔法の力を得られ、異形化奇病の様な姿になったが意識を保てるらしい…」
シグルズ「アイツが人工魔石を…?」
メリュジーヌ「…出所は恐らく、例の…」
ギルガメシュ「知っているのか?」
シェイミー「えぇ、まぁ…
だけど人工魔石も、少なくとも現時点では安全を保証できる物ではないし、何よりその原料は何人もの人間の魂なのよ。」
ギルガメシュ「人の魂だと⁉︎
まともな物でないとは思っていたが、まさかそれ程までに禍々しい物だったとは…
やはり彼がそれを他の村に広める前に止めねばならん。」
シェイミー「その為に村を出て来た訳ね?
それなら一緒に行きましょう?」
ギルガメシュ「あぁ、君達が来てくれれば心強い。
ぜひ頼む。」
かくしてシグルズ達はギルガメシュと共に、エンキドゥを探しつつ、彼による人工魔石普及を阻止する為、アルーヴヘイムの村々を巡る。
その道中、一行は野盗の集団に囲まれた。
ギルガメシュ「な、何だお前達は⁉︎」
野盗「男は抵抗するし、あんまり値がつかねぇから殺しちまった方が面倒ねぇ。
女子供だけ生け捕りにしろ。」
ギルガメシュ「まさか…コイツらが魔導師候補や人工魔石にされる人々を…⁉︎」
シグルズ「まぁ、そういうこったろうな。」
ギルガメシュ「ぬぅぅ…許せん‼︎」
野盗「ごちゃごちゃうるせぇ‼︎」
野盗を蹴散らしたその戦闘において、メリュジーヌの力を目の当たりにしたギルガメシュは、大いに驚き、言った。
「おい!その力…その子も人工魔石を…⁉︎」
メリュジーヌ「…異形化奇病や意図的異形などと一緒にされては心外だな。
我は竜…森羅万象の理を司る、古の種族の末裔ぞ。」
ギルガメシュ「竜…だと…⁉︎
この子供が…古い言い伝えの…⁉︎」
メリュジーヌ「そして魔法石とは、我が眷属の魂が封じ込められし骸…
我らはそれを解き放ち、その力を受け継ぐべく旅をしている。」
ギルガメシュ「では、エンリルにあった魔法石も…?」
シグルズ「あぁ、黙ってて悪かったが、頂いたぜ。」
ギルガメシュ「…いや、その話が本当なら、確かに君が持って然るべきものだろう。」
そして訪れた、とある村…
長老「これはこれは、ウルクのギルガメシュ族長ではないか。
遠路はるばるどうなされた?」
ギルガメシュ「お久しぶりです。
積もる話もそこそこに、用件のみ失礼しますが、エンキドゥという男が訪ねて来ませんでしたか?」
長老「…?
聞かぬ名じゃが…その者がどうなされた?」
ギルガメシュ「その男…エンキドゥは、ある日ウルクにやって来て、魔法の力を皆に広めようと勧めてきました。」
長老「ほぅ…かつて帝国が独占し、今や北方大陸ではだいぶ普及しておると聞くが…」
ギルガメシュ「ですが、魔導師達の数名が異形化奇病となり、多くの村人が犠牲となりました。」
長老「なんと、異形化奇病とな⁉︎
これまた北方大陸で蔓延しておると聞く奇病が、この地にも…⁉︎」
シェイミー「ここからは私が…」
長老「そなたは…?」
シェイミー「北方大陸にて、魔法について研究しておりました、シェイミー=ハサウェイと申します。
北方大陸では、公式には魔法と異形化奇病の因果関係は無いとされていますが、これまでに発症の瞬間が確認された患者は全員魔導師でした。
この事から、異形化奇病化の原因は、魔法を使う事にあるとみて間違いないと考えております。」
長老「なんと…
しかし、ではなぜ公には因果関係がないとされておるのじゃ?」
シェイミー「貴族達の利権が絡むからでしょう。
それが証拠に、魔導師にされるのは戦災孤児や貧民・下級兵ばかり…
それに、このアルーヴヘイムから人身売買のため拉致されたりもしているそうです。」
長老「何という事じゃ…
しかし確かに、神隠しの様に人が忽然と消える話は近年よく聞くし、今までこの地で殆ど異形化奇病の話を聞かなかった事にも合点がいく…」
シェイミー「最近では、異形化しつつ自我を保ち、任意に人に戻る方法も考案されていますが、それとて確立された訳ではありません。」
ギルガメシュ「故に、そのエンキドゥという男が訪ねて来ても、彼の言葉に耳を貸さないで欲しいのです。
この村が、ウルクの二の舞にならぬ為に…!」
長老「…よくわかった、留意しよう。
はるばる伝えに来てくれた事に感謝する。」
ギルガメシュ「こちらこそ、聞いて頂きありがとうございます。
我々は他の村々も廻って、同じようにこの事を伝えますので…失礼します。」
長老「うむ、ご苦労。」
アルーヴヘイム各地にある村々を巡り、同じ様にこの事を伝えて廻っていると、いつしかエンキドゥに鉢合わせた。
「やはり貴方がたでしたか…
私はアルーヴヘイムの発展の為に行動しているのです。
邪魔をしないで頂きたい。」
シェイミー「…私もかつては、そう信じて魔法の研究に携わっていたわ。
…でも、その結果が今の北方大陸…
貴族達が魔法の便利さを享受する裏で、戦災孤児や貧しい人達が魔導師にされ、異形化奇病となる…
更に、魔導師候補として人身売買する為に、ここアルーヴヘイムから拉致されてるとも聞くわ。」
エンキドゥ「そ…そんな事が…⁉︎
しかし、異形化奇病となるのは旧来のやり方…!
私の持つ人工魔石ならば…!」
シェイミー「それだって安全性が保証されたものではないし、何よりそれは魂の結晶…何人もの人の犠牲のもとに出来てるのよ!」
エンキドゥ「⁉︎
そんな…人工魔石が…人間の魂…⁉︎
……
…だったら、その子供はどうなのです⁉︎」
シグルズ「…お前、コイツの正体を見たのか?」
ギルガメシュ「違うんだエンキドゥ!その子は…!」
エンキドゥ「何が違うんです⁉︎
体のいい事を言っても、あなた方もその力の便利さに頼っているのでしょう⁉︎
しかも、そんな子供を利用して…!」
メリュジーヌ「一緒にされては心外だと何度も言わせる…
我は異形化奇病とも意図的異形とも根本的に違う。」
エンキドゥ「異形化奇病でも意図的異形でもない?
ではあの姿は何だと言うのです?」
メリュジーヌ「我は竜…森羅万象の理を司る、古の種族の末裔ぞ。」
エンキドゥ「竜…だって…⁉︎
馬鹿な…そんな話、信じられるものか!」
その時である。
「全員、動くな‼︎」
問答に割り込んで叫んだゲオルギウス。
周囲はドゥエルグヘイム軍に包囲されていた。
シグルズ「おっと、いつの間に…なかなかやるじゃねぇの。」
ゲオルギウス「私はドゥエルグヘイム騎士・ゲオルギウス。
貴公がシグルズ=ヴォルスングか?」
シグルズ「俺様ってば有名だねぇ。
何だ、サインでも貰いに来たか?」
ゲオルギウス「…いや、結構。
だが、我が主が貴公に用があるそうだ。」
シグルズ「…そうかい。
だったら他の連中は帰ってもいいだろ?」
「そうもいかん。
ウルクの魔法供給施設・エンリルから持ち去られた魔法石を所持してないか、全員あらためさせてもらう。
マルガリータ!」
ゲオルギウスは、配下の女戦士に指示する。
エンキドゥ(チッ…まずいな…
しかし、あの子供がもし何も持っていなければ本当に…?
いや、そんな筈はない)
マルガリータ「こちらの女性と子供は、特にそれらしい物は所持してない様です。」
エンキドゥ「何だと⁉︎
それでは本当に…⁉︎」
マルガリータ「何を騒いでいる?
次は貴方の番よ。」
「クッ…さ、触るな!」
エンキドゥは、検分しようとしたマルガリータの手を払い退け、人工魔石を取り出す。
「これには…私には、アルーヴヘイムの未来が懸かっている!
渡す訳には…捕まる訳にはいかん!」
「やめろ、エンキドゥ‼︎」
ギルガメシュが止めようとするも聞かず、エンキドゥは人工魔石を握り締めて念じ、意図的異形化した。
ギルガメシュ「何という事を…!」
ゲオルギウス「族長殿、あなたは下がっていて下さい。
強大な力を手に入れた執着心は、その力に溺れ、容易に改心させられるものではありません。」
ギルガメシュ「そんな…!」
シェイミー「私達はどうするの?」
シグルズ「別にアイツを助ける義理は無ぇが、俺も捕まりたかぁねぇからな。」
メリュジーヌ「此奴ら、なかなかの手練れと見る。
強行突破するなら、我も力の出し惜しみは出来んぞ。」
シグルズ「いいんじゃね?
所詮オレらはテロリスト、毒喰わば皿までよ。」
突破口を開くべく、3人はドゥエルグヘイム兵と対峙し、メリュジーヌは竜の力と姿を解放する。
マルガリータ「‼︎
あの子供まで異形化奇病に…⁉︎」
ゲオルギウス「先日の族長殿の話と、この状況から察するに、テロリストが飼い慣らしている異形化奇病というのは、あちらの方だな。」
「ほほぅ…あれが噂の…
先日わたしが屠った者とは、雰囲気というか…精悍さが違うな。」
そう言いながら遅れて現れた男に、ゲオルギウスが苦言を呈する。
「遅いですよ、ベーオウルフ議長!」
ベーオウルフ「ハハ…すまぬな。
隠さず言えば、お手並み拝見させてもらっていた。
いやはや、聞きしに勝る勇猛さよ…
ゲオルギウス・マルガリータ、英雄様ご一行は我ら3人でおもてなししようぞ!
残りの者はあの異形化奇病を討て!」
シグルズ「ヘッ…大将のお出ましって訳か!」
続く…
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