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帝国再興の軌跡
アグエル遺跡(本編ep.15~)
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聖獣ケットシーの導きに従い、古代アグエル文明の遺跡を訪れたルーシェは、鳥の石像が祀られた祭壇を発見する。
しかし、そこには先客が居た。
ルーシェによく似た容姿を持った少女・ミシェルと、聖獣ケットシーによく似た生き物・カーバンクルである。
ミシェルは、異形化奇病の魔法を受けて石と化したラグナを救う為、カーバンクルの導きでここに辿り着いたという。
この、鳥の姿をした聖獣が、ラグナを救う力を持つというのだ。
ルーシェは、仇敵たるヴァルホル家の人間を救ういわれは無いと言い放ち、その鳥の姿をした聖獣・カラドリウスの力を我が物にせんとする。
だが、直接怨みの無いラグナを犠牲とする事に迷いが生じた為か、それとも、ミシェルのラグナを案じる思いの強さ故か、カラドリウスは自らの主としてミシェルの方を選択する。
一方、アグエルの末裔以外を排除せんとする遺跡の警備システムは、ルーシェ配下の帝国魔導師を襲撃し、その戦闘において一部の帝国魔導師は魔法を使い過ぎて異形化奇病と化していた。
ルーシェとミシェルは異形化奇病化した帝国魔導師に襲われるも、駆けつけたそれぞれの仲間と共にこれを葬り去る。
ミシェル達を他の帝国魔導師に見つからぬよう脱出させた後、ルーシェは仲間のリリィ・アイシスと共に、引き続きケットシーの導きに従い遺跡を探索する。
やがて辿り着いたのは、蠍に似た姿の石像が祀られた祭壇だった。
「グレゴリウス皇女・ルーシェの名において命ず。
聖獣よ、我に力を与えるべし…!」
ルーシェが剣をかざして唱えると、像に亀裂が走り、そこから光が漏れ出した。
やがて像は砕け散って光の粒子となり、ケットシーに吸収される。
かくしてルーシェは、聖獣セルケトの力を手に入れた。
祭壇を後にしようとすると、そのフロアに、1人の帝国魔導師が姿を現す。
リリィ「あ、ヴァッサゴじゃん。
大丈夫だった?他のみんなは?」
だが、その視線は遠くを見つめたまま、言葉とも呻きともつかない音を発している。
アイシス「…リリィ、離れて…‼︎
…その子はもう、ヴァッサゴじゃないわ…!」
次の瞬間、ヴァッサゴは苦痛に歪んだ表情で頭を抱え、その姿は見る間に変異していった。
胴は蛇の様に伸び、臀部は陸亀の甲羅の様になって物理攻撃を全く受け付けない。
「聖獣セルケトよ、おいでなさい!」
ルーシェがそう言うと、ケットシーから光の粒子が放たれ、蠍に似た姿を形作った。
その毒針を携えた尾が甲羅の隙間に侵入し、やがて、武器が届く事なくヴァッサゴは力尽きる。
ケットシーは、まだ何かに反応を示していた。
その導きに従い、再び遺跡内を探索すると、蜘蛛に似た姿の石像が祀られた祭壇に辿り着く。
「グレゴリウス皇女・ルーシェが命ず。
聖獣よ、我に力を与えるべし…!」
ルーシェが剣をかざして唱えると、像に亀裂が走り、そこから光が漏れ出した。
やがて像は砕け散って光の粒子となり、ケットシーに吸収される。
かくしてルーシェは、聖獣アラクネの力を手に入れた。
祭壇を後にしようとすると、そのフロアに、1人の帝国魔導師が姿を現す。
「…モラクス…アンタは大丈夫なんでしょうね⁉︎」
リリィの問い掛けにモラクスは一瞬歩みを止め、突然走り出した。
アイシス「…‼︎
ダメよリリィ、横に跳んで…‼︎」
次の瞬間、モラクスはタックルを繰り出すも回避され、勢いそのまま壁に激突する。
破片が粉々に砕けて、煙の様に舞う埃の奥から現れたのは、その顔こそモラクスのままだが、頭には2本の角が生え、首から下は牛の様だった。再び突進してくるモラクス。
「聖獣アラクネよ、おいでなさい!」
ルーシェがそう言うと、ケットシーから光の粒子が放たれ、蜘蛛に似た姿を形作る。
モラクスに向けて放たれた蜘蛛の糸は、その見た目から想像されるより遥かに強靭で、動きを封じ込められたモラクスは、なす術なくリリィの大鎌に首を差し出す他なかった。
ケットシーはこれ以上なにかに反応を示す様子は無い。
ルーシェ「…用は済んだ様ですわね。
ですが、大勢の仲間達が犠牲となってしまいました…
はじめから私1人で探索していれば…」
リリィ「まぁ…ザハーク様の命令だったし…」
アイシス「…どの様な危険があるかわからなかった以上、姫様をお一人にする訳にいかなかったのだと…」
ルーシェ「…えぇ、わかっていますわ…」
(本編 ep.15~)
しかし、そこには先客が居た。
ルーシェによく似た容姿を持った少女・ミシェルと、聖獣ケットシーによく似た生き物・カーバンクルである。
ミシェルは、異形化奇病の魔法を受けて石と化したラグナを救う為、カーバンクルの導きでここに辿り着いたという。
この、鳥の姿をした聖獣が、ラグナを救う力を持つというのだ。
ルーシェは、仇敵たるヴァルホル家の人間を救ういわれは無いと言い放ち、その鳥の姿をした聖獣・カラドリウスの力を我が物にせんとする。
だが、直接怨みの無いラグナを犠牲とする事に迷いが生じた為か、それとも、ミシェルのラグナを案じる思いの強さ故か、カラドリウスは自らの主としてミシェルの方を選択する。
一方、アグエルの末裔以外を排除せんとする遺跡の警備システムは、ルーシェ配下の帝国魔導師を襲撃し、その戦闘において一部の帝国魔導師は魔法を使い過ぎて異形化奇病と化していた。
ルーシェとミシェルは異形化奇病化した帝国魔導師に襲われるも、駆けつけたそれぞれの仲間と共にこれを葬り去る。
ミシェル達を他の帝国魔導師に見つからぬよう脱出させた後、ルーシェは仲間のリリィ・アイシスと共に、引き続きケットシーの導きに従い遺跡を探索する。
やがて辿り着いたのは、蠍に似た姿の石像が祀られた祭壇だった。
「グレゴリウス皇女・ルーシェの名において命ず。
聖獣よ、我に力を与えるべし…!」
ルーシェが剣をかざして唱えると、像に亀裂が走り、そこから光が漏れ出した。
やがて像は砕け散って光の粒子となり、ケットシーに吸収される。
かくしてルーシェは、聖獣セルケトの力を手に入れた。
祭壇を後にしようとすると、そのフロアに、1人の帝国魔導師が姿を現す。
リリィ「あ、ヴァッサゴじゃん。
大丈夫だった?他のみんなは?」
だが、その視線は遠くを見つめたまま、言葉とも呻きともつかない音を発している。
アイシス「…リリィ、離れて…‼︎
…その子はもう、ヴァッサゴじゃないわ…!」
次の瞬間、ヴァッサゴは苦痛に歪んだ表情で頭を抱え、その姿は見る間に変異していった。
胴は蛇の様に伸び、臀部は陸亀の甲羅の様になって物理攻撃を全く受け付けない。
「聖獣セルケトよ、おいでなさい!」
ルーシェがそう言うと、ケットシーから光の粒子が放たれ、蠍に似た姿を形作った。
その毒針を携えた尾が甲羅の隙間に侵入し、やがて、武器が届く事なくヴァッサゴは力尽きる。
ケットシーは、まだ何かに反応を示していた。
その導きに従い、再び遺跡内を探索すると、蜘蛛に似た姿の石像が祀られた祭壇に辿り着く。
「グレゴリウス皇女・ルーシェが命ず。
聖獣よ、我に力を与えるべし…!」
ルーシェが剣をかざして唱えると、像に亀裂が走り、そこから光が漏れ出した。
やがて像は砕け散って光の粒子となり、ケットシーに吸収される。
かくしてルーシェは、聖獣アラクネの力を手に入れた。
祭壇を後にしようとすると、そのフロアに、1人の帝国魔導師が姿を現す。
「…モラクス…アンタは大丈夫なんでしょうね⁉︎」
リリィの問い掛けにモラクスは一瞬歩みを止め、突然走り出した。
アイシス「…‼︎
ダメよリリィ、横に跳んで…‼︎」
次の瞬間、モラクスはタックルを繰り出すも回避され、勢いそのまま壁に激突する。
破片が粉々に砕けて、煙の様に舞う埃の奥から現れたのは、その顔こそモラクスのままだが、頭には2本の角が生え、首から下は牛の様だった。再び突進してくるモラクス。
「聖獣アラクネよ、おいでなさい!」
ルーシェがそう言うと、ケットシーから光の粒子が放たれ、蜘蛛に似た姿を形作る。
モラクスに向けて放たれた蜘蛛の糸は、その見た目から想像されるより遥かに強靭で、動きを封じ込められたモラクスは、なす術なくリリィの大鎌に首を差し出す他なかった。
ケットシーはこれ以上なにかに反応を示す様子は無い。
ルーシェ「…用は済んだ様ですわね。
ですが、大勢の仲間達が犠牲となってしまいました…
はじめから私1人で探索していれば…」
リリィ「まぁ…ザハーク様の命令だったし…」
アイシス「…どの様な危険があるかわからなかった以上、姫様をお一人にする訳にいかなかったのだと…」
ルーシェ「…えぇ、わかっていますわ…」
(本編 ep.15~)
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