上 下
19 / 28

恐るべし

しおりを挟む
「…それで、ここは大丈夫なんですか?」

「ん~、どうかなぁ~。こんな風に壊された事ないからなぁ~」

相変わらずこポンコツっぷりにパニックになる前に呆れて脱力する。

ここ壊れるんだ。
壊れるけど大丈夫なの?
壊れるって事はやっぱり大丈夫じゃないの?
結局

「結局、大丈夫なの、ダメなのどっち」

1番付き合いの長いカティーナさんが2択でせまる。

「それは~みんな次第よ~」

ん?えっ?どうゆーこと?

「あとね~これだけは覚えておいてね~魔術師はね~獣と一緒。最初にちゃ~んと躾けて~それから~手綱をちゃんと握っておくのよ~」

それからどこから出したのかみんなに手渡していく。

えっ?何これ?棒?

「あっ、ル~ちゃんのは獣じゃなくて、猛獣だから~こっちね~。」

何これ?みんなとは少し違うけど…棒?
手渡された棒を私はどうすればいいのか周りを見るとみんな渡された物を見て一様に途方に暮れていた。

「えっと…コレは?」

「棍棒よ~」

ドヤ顔で言い切るアイリーンさんにコレでどうしろと…

「ん~~、ル~ちゃんのは猛獣なんてかわいいもんじゃないかも~アレは魔獣ね~」

この謎な空間にアイリーンさんの緊張感のない笑いが響く。

「コレをどうしろと…」

「今から~」



「ーン!アイリーン!」

黒く膨らんだ物の方から凄い勢いで叫びながら走って来る人影にアイリーンさんは手に持った棍棒を顔目掛けて振り抜いたー⁈

「「「「「「⁈」」」」」」

あまりの暴挙に…
1番長い付き合いのカティーナさんさえもおっとりポンコツ美人に恐怖しているのがわかる。

確実に死んで

「アイリーン…ちょっとこれは酷いよ。うっかり死んじゃうレベルだよ。」

ない⁈あれで生きてるの⁈

おそらくこれまでの流れで言えば、殴られたのはアイリーンさんの〈つがい〉さんで、魔術師さんで、見間違いでなければ町の長老さんだ。

魔術師恐るべし。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

獣人の彼はつがいの彼女を逃がさない

たま
恋愛
気が付いたら異世界、深魔の森でした。 何にも思い出せないパニック中、恐ろしい生き物に襲われていた所を、年齢不詳な美人薬師の師匠に助けられた。そんな優しい師匠の側でのんびりこ生きて、いつか、い つ か、この世界を見て回れたらと思っていたのに。運命のつがいだと言う狼獣人に、強制的に広い世界に連れ出されちゃう話

竜人のつがいへの執着は次元の壁を越える

たま
恋愛
次元を超えつがいに恋焦がれるストーカー竜人リュートさんと、うっかりリュートのいる異世界へ落っこちた女子高生結の絆されストーリー その後、ふとした喧嘩らか、自分達が壮大な計画の歯車の1つだったことを知る。 そして今、最後の歯車はまずは世界の幸せの為に動く!

異世界来たらいろいろありすぎた

大桃
恋愛
はじめまして。私の名前は村田鈴音(むらたすずね)24歳。ある日突然、気づいたら見知らぬ土地で10歳若返っていました。こんな時あなたならどうしますか?見知らぬ土地で、14歳の自分に戻りなぜか普通顔むしろ地味顔の人たちに求婚・誘拐・監禁されたらどうするべきですか。私の常識はどこですか ゆっくりやっていきますので、よろしくお願いします。

言葉の通じない世界に転生した侯爵令嬢は、気が付いたら婚約破棄されて獣人騎士の新しい夫に愛されてました

ゴルゴンゾーラ三国
恋愛
 侯爵令嬢、アルシャ・ソルテラは、言葉が話せない。それは前世の記憶を持つことにより、言語をうまく習得できなかったからである。  会話が上手くできないことを理由に第二王子との婚約を破棄されてしまったアルシャは、領地の片隅に追いやられる途中で命を狙われてしまう。その窮地を救ってくれたのは、言葉の通じる隣国の獣人騎士だった。

楽に生きたい平民なのに一癖ある伯爵どころかその他大勢にも気に入られてしまい困っています

花田トギ
恋愛
 貧乏家庭で育ったアデリアの夢は楽に生きる事。  働きづめの母と幼い弟妹を見て見ぬふりをして、幼馴染のワル・ザックスと遊ぶ日々を送っていたが、胸の奥に罪悪感を抱えていた。  そんな彼女にザックスが持ちかけたのは『伯爵付きメイドを募集していて、面接に行くだけでお菓子と足代がもらえる』という話だ。  受かるわけがないが、行くだけでお菓子がもらえるなら弟妹にプレゼントしよう。アデリアに怒っているお母さんも少しは許してくれるかもしれない。  そんな軽い気持ちで面接を受けたアデリアを待ち受けていたのは――なんと合格の言葉だった。 一癖ある名門貴族のラスール伯爵 拗らせ執事のスチュアート 幼なじみのワル、ザックスに愛されるアデリアのお話です。

名前のない脇役で異世界召喚~頼む、脇役の僕を巻き込まないでくれ~

沖田さくら
BL
仕事帰り、ラノベでよく見る異世界召喚に遭遇。 巻き込まれない様、召喚される予定?らしき青年とそんな青年の救出を試みる高校生を傍観していた八乙女昌斗だが。 予想だにしない事態が起きてしまう 巻き込まれ召喚に巻き込まれ、ラノベでも登場しないポジションで異世界転移。 ”召喚された美青年リーマン”  ”人助けをしようとして召喚に巻き込まれた高校生”  じゃあ、何もせず巻き込まれた僕は”なに”? 名前のない脇役にも居場所はあるのか。 捻くれ主人公が異世界転移をきっかけに様々な”経験”と”感情”を知っていく物語。 「頼むから脇役の僕を巻き込まないでくれ!」 ーーーーーー・ーーーーーー 小説家になろう!でも更新中! 早めにお話を読みたい方は、是非其方に見に来て下さい!

処理中です...