10 / 20
10.
しおりを挟む
ある日、事件は起こった。
「あいつら俺らと同じで平民だと思ってたのに、貴族と王族?ふざけてるよな?お遊びで仕事してるんじゃねーよ。思い知るがいい…」
俺とトロは両商会長に呼ばれた。
それぞれに質問された。
どうやら商会内でお金が紛失したらしい。それで俺とトロがそれぞれ横領したのでは?という容疑が末端から上がっているそうだ。
「商会長、俺は金庫のある場所すら知らないところで働いています。お金を盗むのは無理では?そもそもの場所を知らないのですし」
トロは「王族が遊びで仕事してるんじゃねーよ。って横領の罪を押し付けられた感じですね。そもそも王族である私が横領をするメリットがありません」
と二人して、全面否認。
商会長の意見は、
「そうなんだよなぁ。それで悪いんだけど、しばらくの間罪をかぶったまま仕事してもらえないかな?多分周りの目は厳しいだろうけど。そうして犯人を炙り出すつもりだ。了解してもらえるかな?」
俺もトロも了解した。まぁ、周りの目とかは今に始まったことじゃないし?今までと同じ仕事してればいいのかな?
「ほらぁ、あの人が横領したって噂の…」
俺は周りの目に慣れてる。あの親父だしな。遠い目で遠くを見た。
「おーっと、悪いなぁ。ぶつかっちまった」
…俺、わりと高価な品物持ってたんだけど、ぶつかられちゃった。名前覚えておこう。
ふむふむ。トムとな。かなりよくある名前だな。この商会にトムは何人いるんだろう?品物仕分けるとこの人っていうと絞られるな。うん。こういうの懐かしいな。顔がにやけてしまう。
「何笑ってるんだよ?」
「いやぁ、懐かしいなと思って」
「懐かしい?変なやつ」
うん、親父は変だと思う。
親父の女装癖が学生の間で話題になった時の事を思い出してしまった。その時も同じような事があったな。俺がトロとつるんでると知れたら止んだけど。
「あの人王族なんでしょう?アタックすれば、王妃になれるかもよ~」
無理だよ。王妃教育は一朝一夕じゃできないから。
私に秋波を送る女子社員は増えた。意味ないのに。男子社員はどうにかしようとしてるみたいだけど。
しかし、横領か…。金庫の場所を熟知している人間だろうな。あと、私らの事も知っている人間に絞られる。
ということは、ケネス帝国に同行していた経理の人間という事か?少なくともケネス帝国に同行していた人間ということは確かだろうなぁ。
私は巻き添えか?今回のケネス帝国での功績は私よりもヴィックスの方が大きいからな。ヴィックス父だけど…。
ヴィックス父なら横領した金の使い道があるけど侯爵だし、侯爵家の執事のモールがそこら辺はしっかり見張ってるからなぁ。
犯人は知る由もなしか…。
とりあえず、ケネス帝国に同行した人間かつ、初皇帝に謁見の場にいた人間てことだなぁ。
私がグダグダ考えてることはすでに商会長たちは考えて人物をピックアップしてるだろうな。
「あいつら俺らと同じで平民だと思ってたのに、貴族と王族?ふざけてるよな?お遊びで仕事してるんじゃねーよ。思い知るがいい…」
俺とトロは両商会長に呼ばれた。
それぞれに質問された。
どうやら商会内でお金が紛失したらしい。それで俺とトロがそれぞれ横領したのでは?という容疑が末端から上がっているそうだ。
「商会長、俺は金庫のある場所すら知らないところで働いています。お金を盗むのは無理では?そもそもの場所を知らないのですし」
トロは「王族が遊びで仕事してるんじゃねーよ。って横領の罪を押し付けられた感じですね。そもそも王族である私が横領をするメリットがありません」
と二人して、全面否認。
商会長の意見は、
「そうなんだよなぁ。それで悪いんだけど、しばらくの間罪をかぶったまま仕事してもらえないかな?多分周りの目は厳しいだろうけど。そうして犯人を炙り出すつもりだ。了解してもらえるかな?」
俺もトロも了解した。まぁ、周りの目とかは今に始まったことじゃないし?今までと同じ仕事してればいいのかな?
「ほらぁ、あの人が横領したって噂の…」
俺は周りの目に慣れてる。あの親父だしな。遠い目で遠くを見た。
「おーっと、悪いなぁ。ぶつかっちまった」
…俺、わりと高価な品物持ってたんだけど、ぶつかられちゃった。名前覚えておこう。
ふむふむ。トムとな。かなりよくある名前だな。この商会にトムは何人いるんだろう?品物仕分けるとこの人っていうと絞られるな。うん。こういうの懐かしいな。顔がにやけてしまう。
「何笑ってるんだよ?」
「いやぁ、懐かしいなと思って」
「懐かしい?変なやつ」
うん、親父は変だと思う。
親父の女装癖が学生の間で話題になった時の事を思い出してしまった。その時も同じような事があったな。俺がトロとつるんでると知れたら止んだけど。
「あの人王族なんでしょう?アタックすれば、王妃になれるかもよ~」
無理だよ。王妃教育は一朝一夕じゃできないから。
私に秋波を送る女子社員は増えた。意味ないのに。男子社員はどうにかしようとしてるみたいだけど。
しかし、横領か…。金庫の場所を熟知している人間だろうな。あと、私らの事も知っている人間に絞られる。
ということは、ケネス帝国に同行していた経理の人間という事か?少なくともケネス帝国に同行していた人間ということは確かだろうなぁ。
私は巻き添えか?今回のケネス帝国での功績は私よりもヴィックスの方が大きいからな。ヴィックス父だけど…。
ヴィックス父なら横領した金の使い道があるけど侯爵だし、侯爵家の執事のモールがそこら辺はしっかり見張ってるからなぁ。
犯人は知る由もなしか…。
とりあえず、ケネス帝国に同行した人間かつ、初皇帝に謁見の場にいた人間てことだなぁ。
私がグダグダ考えてることはすでに商会長たちは考えて人物をピックアップしてるだろうな。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
男性向け(女声)シチュエーションボイス台本
しましまのしっぽ
恋愛
男性向け(女声)シチュエーションボイス台本です。
関西弁彼女の台本を標準語に変えたものもあります。ご了承ください
ご自由にお使いください。
イラストはノーコピーライトガールさんからお借りしました
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
先生と生徒のいかがわしいシリーズ
夏緒
恋愛
①先生とイケナイ授業、する?
保健室の先生と男子生徒です。
②生徒会長さまの思惑
生徒会長と新任女性教師です。
③悪い先生だな、あんた
体育教師と男子生徒です。これはBLです。
どんな理由があろうが学校でいかがわしいことをしてはいけませんよ〜!
これ全部、やったらダメですからねっ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる