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Case.7 二人に一人?

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 うーん。ここでいいんだろうか?‘お命頂戴致します。’は。SNSで有名だが……。信用……するしか選択肢はないな。


「「いらっしゃいませー」」


 イケメンだな。しかも特上の。うちに欲しいところだ。華道の実力があればな。

「ご注文はお決まりでしょうか?決まりましたらお呼びください」

「あ、えーとカフェラテを。ラテアートはドロップで」

「承りました。しばらくお待ちください」



―――2時間後
尊・「用件をお聞きしても?」

「あー、私は華道の家元をしている。それで、跡継ぎ問題だ。娘は双子でな。姉は前衛的な華道をする。妹は伝統的な華道を重んじる。双方対立しているわけで。派閥までできて私には手に負えん」

尊・「えーと、どちらがふさわしいのかを客観的に私共の方で判断を下せばいいのですか?」

「最終的にはお願いしたい」

尊・「かしこまりました。それでは、また1週間後にここで」




尊・「キャサリーン、今回もよろしくな。かなり面倒そうだ」
  

キ・「そぅお?お姉さんの方は前衛的でメディア露出も多いわヨ。MIYUって名前で」
  
悟・「華道なのに、ローマ字の名前かよ?微妙だな」

キ・「そうなのよネ。まぁ、そこも前衛的って主張だけどねぇ?そうだ!フラワーアレンジメントってやつじゃないかしら?」

尊・「前衛的って俺ら華道に詳しくないじゃん」

瀬・「尊様お任せください」
 
 瀬蓮が現れた。

尊・「おぉ、瀬(せ)蓮(ばす)。ビックリした~」

瀬・「この瀬蓮が判断を致します。不肖この瀬蓮、華道の心得が少しはあります故……」

悟・「流石!助けになるぅ!」

瀬・「悟様!恐れ入ります」
 
 そして瀬蓮は再び壁の一部のように気配を消した。




―――1週間後

尊・「調査結果ですが……非常に残念なことが判明しました。お嬢様は二人とも貴方の血をひいていません。DNA鑑定もしているので確実です」

「嘘だろ……?」

尊・「本当です。跡継ぎは二人うちどちらかという話でしたが、今のところ妹さんの方を私どもは推します。理由は『華道』と言う伝統芸能だからです。お姉さんの方は前衛的と言えば聞こえがいいですが、『フラワーアレンジメント』ですね。これは私たち兄弟では判断が不安だったので、そこにいる男に判断を委ねました。彼は私どもの後見などをしています。信用のできる人間です」

瀬・「ご紹介に預かりました瀬蓮と申します。ご主人より跡継ぎの判断を委ねられまして、その任を全うしたと自負しております」

尊・「以上ですが、何か?」

「私は何も言えない……これからどうしよう?」

尊・「それはご自分で判断をしてください。では対価として、そちらに先祖代々伝わっている花器を頂きます」

「何!?それは聞いていない」

尊・「今言いました。私共も慈善事業ではないので。それにここは‘お命頂戴致します。’です。それなりの覚悟で来ていただくものです」




「「「では、“お命頂戴致します”」」」




キ・「今回の報酬は『物』ねエ。珍しい」

尊・「あのおっさん、特に覚悟もなかったみたいだから」

悟・「舐めてもらったら困るよねー。情報収集だってお金かかるし」

キ・「そうよぉ、悟クンわかってるぅ♡」

聡・「で、その『花器』はどうするんだ?ここには置きたくないぞ。もっと和室の方が……」

瀬・「坊ちゃん方、恐れ入ります。この瀬蓮が引き取り、うちに保管します。一応国宝クラスでしょうし」

聡尊悟・「「「助かるー」」」




~その後の依頼人

キ・「全くあのオッサンの血をひいてない子を跡継ぎに指名したみたいヨ。伝統重視の」

尊・「なんだよ、最初から血は関係なかったんじゃん。オッサンの趣味か?」

悟・「あり得るー」

聡・「最終的に跡継ぎって男性じゃないのか?それは大丈夫なのか?」

尊・「そこまで俺らが世話してやるもんでもないでしょ?」

聡・「それもそうだよな」

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