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21話 妊娠発覚!

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「おい、しょー!おれたちたんじょうびだ」
「そうなのか、よかったな。おめでとう」
「ぷれぜんとは?」
「悪い。用意してない」
「つかえない、しょーだ」
――使える翔もいるのか?双子よ

「あら、おはよう!コウキ。コウタ。二人とも誕生日おめでと~‼」
母さんがそう言ってくす玉を引くと割れればいいものを、くす玉が落ちてきた。
「どうしたのかしら?不思議ね~?」
「どうせおやじがつけそんじたんだよ」
――親父言われ放題だな
「かあさんといちゃいちゃするのにいっしょうけんめいでこんなのにてをぬいて、やれやれだよな」
――保育園児に言われ放題の弁護士
「そんなこと言ってると、父さんからプレゼントもらえなくなるぞー」
――言われ放題の親父登場。さながらサンタ…
「二人とも欲しいものわからなかったからな。子供オモチャ売り場で人気の2つを買ってきた。どうだ?」
「こんなこどもっぽいのきょうみないよ。おれはハルカがほしい」
「あーおれも‼」
「それなら俺が集めたハルカの生写真はどうだ?」
「みせろよ、ちょーほしい‼」
「たんじょうびなんだからくれよ、けちしょー」
――俺の手にあるのは俺の写真。ハルカの写真を持っているはずがない。っていうか盗撮で犯罪じゃないか?
「コウキ君、コウタ君誕生日おめでとう‼」
「ハルカ‼ハルカにそういってもらえただけで、おれしあわせ」
「おれも」
――あぁ、完全に親父のが感染ってる…
「コレ誕生日プレゼントよ、ここのリョウと二人で選んだの」
「ハルカがくれるならおれなんでもいい」
「おれもー‼」
――若干リョウに敵意
「ハルカ―、おれこんどおんなのこうんでほしいな」
「おれも、ほしい」
「でも、女の子一人だったらどうするの?二人で取り合い?」
――リョウがちょっと鼻で笑った
「面白いなぁと思ってね。悪気はないよ」

「翔、ハルカが妊娠した。今度は本当だ病院で検査した」
「それはおめでとう‼で、今回も他の人間には秘密か?」
「頼む、せめて安定期までは…」
「そうだな、双子とかうるさそうだもんな」
――あとパーティー好きがいるからな。

「翔ー!喜べ!アヤメが妊娠したぞ‼」
「想像妊娠じゃないだろうな?」
「そんなの新婚さんじゃあるまいし、マジだよ。病院で調べたんだから」
――病院で?ハルカと母さん遭遇してないよな?
「っていうか、これ以上家族増やす気かよ?って言ったじゃないか?」
「えー?できたもんは仕方なかろう?」
「…」俺は何も言えなかった。

「銀!あ、翔‼産婦人科でハルカちゃんに会ったの~‼」
――やっぱりか…
「ハルカちゃんもご懐妊よ~‼」
「母さん、それは本当?」
「本当の話なの?」
――食いつきいいな、双子よ
「本当よ、母さんが信用できないの?」
「だって母さんだもんなぁ?」
「なぁ?」
――まったくもって素直だな

リョウにlineで報告だな。
『病院でうちの母さんとハルカが会ってる。恥ずかしながら、母さんも妊娠だよ…。家族増やすなっていったのに』
『パーティーかなぁ?』
『本人も妊娠中だからそれはわかんない。それより、双子が盛り上がってるぞ』
『まだ安定期じゃないと教育しといてくれ、頼む』

「コウキ、コウタ、ハルカはまだ妊娠安定してないから刺激するようなことしたり、言ったりしたらダメだからな」
「母さんもだぞ」と親父。
「コウキもコウタもハルカが流産しちゃったりしたら嫌だろう?だから気を付けなさい。わかったら返事!」
「わかった、しょー」
「おれもわかった。しょー」
――親父の言葉なんかむなしいな…

「ところで母さん、その体でパーティーとか言わないよな?」
「うーん、やりたいんだけどね。一応年取ってるし」
――一応じゃない
「体をいたわるんだ、アヤメ。今度は女の子がいいな。アヤメそっくりの♡」
「私は今度も男の子がいいわ。銀そっくりの♡」
 あぁ、こんなだから家族が増え続けるのか…
「俺、今男臭いから女の子希望」
「はぁ?男臭いのはお前が原因だろう?」
「そうだぞ、しょー」
「そうだ」
「男臭いなんて…みんな可愛い私と銀の愛の結晶よ。芳しさしかないわ」
――変態だな。芳しくはないだろう?
「女の子って育てたことないからわからないわ、ハルカちゃんわかるかな?」
――ママ友?

@電話
「ハルカちゃん、女の子ってどうやって育てればいいんだろうかわかる?」
「そんなのわかりませんよ、産んだことないし。育児って試行錯誤じゃないですか?」
「そうよね、ありがとう。お互い、カラダをいたわりましょうね~」

「試行錯誤…難しいわね。結局色々試してみるってこと?」
「まぁそんな感じだな」
――女の子がうちに生まれると不幸になる気がする

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