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7話 進路を考える……だって高校生なんだもん

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 夏休み明け、課題を提出。リョウはごく自然に全問正解。俺はというと、空欄アリ・間違えアリのバラエティーに富んだ結果だった。
どうやら今回は課題が難しかったらしい。中には、お金で医学部生に解いてもらったとかそういう話もチラホラ。
「リョウ君黒髪もカッコいい‼しかも課題全問正解って神がかってない?」
 と、お決まりの女子達の噂の的だった。金髪碧眼から脱却してからちょっとは減ったが女子は絡む。部活動の助っ人依頼は変わらないし、リョウは大変。
――リョウのスケジュール管理とか、秘書かよ?
 学校の登下校はニンジャ式。美容室にはリョウは髪が伸びるの遅いみたいであれから行ってない。
――女子の対応、俺だって成績悪い方じゃないぜ?学年30位には入ってるし、でも他が普通だからダメなのか。リョウは全部◎だもんな
「あー進路相談をする。名前を呼ばれたら来い。他の者は自習」
――進路か…親父のは家業なんだろうか?リョウはどうするんだろう?一応進学校だから高2の夏で勝負ですかね?それで進路相談か?
「最上翔・リョウ」
――何故同時に二人⁇
「あー、最上。家業を継ぐのか?」
――あれは家業だったのかー‼
「何も考えてません。とりあえず、長持ちする国家資格があるといいですね」
「リョウ、お前はどうするんだ?お前なら何でもやりたい放題だろう?」
――凹むからリョウと同時は嫌なんだよ
「僕も特に考えてません。やりたいことを探しに大学に行くっていうのはダメですか?」
「学部があるからなぁ、なんとも。家族でちょっと話し合ってくれ」
――こいつ家庭に丸投げしたな。『家族で』話し合い…バカップルが脱線しなきゃいいが無理だろう
「失礼しました」
「失礼しました」
 クラスでもリョウの進路で持ち切りだ。
――俺はどうでもいいのかよ…
「最上のトコに居候なら、そのまま弁護士はどう?」
「リョウ君がお医者様なら診てもらいたーい」
「いやいや、運動神経いいし体育大学は?」
「音大も行けるよ」
「選り取り見取りだなー」
――妄想すっげー。本人クールなのに
「そんじゃ帰るか。リョウ‼帰るぞー‼」
 そしてニンジャのように家路に着いた。


「ただいまー、相談があるんだけどさ。親父が帰ってからな」
「オッス、ただいま。今日の夕飯は~♪」
「相談がある。リョウも。今日呼び出されて進路相談な。進路考えてないんだけどどうしたもんかと」
「そりゃあ自分で決めろよ。自分の人生だ。人に言われた通りに人生過ごしたいのか?」
「それは…」
「俺はアヤメと出会い、速攻で恋に落ちた。惚れた女に飯食わせてやるくらいで当り前だろ?そこでだ‼弁護士が金になるっていうから法学部入って、司法試験受けて、という流れになるわけだ」
「ヤダー‼銀、恥ずかしい‼」
「お前らは女に出会ってないだろ?それならアドバイスなんかできねーよ。てめぇの頭で考えろ」
――酔ってる⁇なんか結構真面目なほうだよな?大丈夫か逆に不安だ

 そんな生活も束の間。
「もうそろそろいいですかねぇ?俺も日本語の読み書きは出来るようになったし」
「そうねぇ、心配だけど仕方ないかなぁ」
「お前は過保護だなぁ。俺は自分があと20歳若ければ…と思ってるぞ」
「もう‼銀ったら私をほっといて異世界に…なんて」
「そんなに凹むなよ、アヤメ。行くのはもちろん一緒にだよ。アヤメと離れたら意味がないだろう。色々な経験すべてをアヤメ、お前とするのが俺の野望だよ♡」
――⁇3人で何を思う?聞き間違えでなければ異世界⁇なんか仲間外れチックなんですけど
「よし!このチョーカーを渡しておこう。お守りじゃないからな。ちゃんと役立つものだから大事にしてくれよ」


――次の日、何事もなくリョウも俺もいつものように高校に行く支度をして玄関を出ると、俺は見ず知らずの平原にいた。
「リョウー‼ガキじゃないんだから、突き飛ばすとかやめろよ、全く…」
――あれ⁈リョウいない…むしろうちがない
「ココドコ?」
――何故か片言になってしまった。一人だし、衣食住どうしよう…
「王よりの使者です。城に来てください」
――あー、よくあるやつだー。最近異世界もの多いもんなぁ。自分異世界ってすっごい嫌なんですけど‼違和感あるー。他人事のような
「城ってドコですか?」
――あれ?何で?この世界の言葉わかるんだ?
「…はぁ…城まで案内します」
――出たー!RPGでよくある馬車‼それより使者の人ため息出たよね…?

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